シロクマックスのアラフォー、ぼちぼちアメリカ生活

アメリカ生活のあれこれをつれずれに書いてます。
移住して8年、ぼちぼちやってます。

整形外科への険しい道のり

2011-10-08 | 日記

結局一泊することとなってしまった僕。労災がおりれば今日そのまま帰って

も、病院に泊まって明日帰っても金額は変わらないから泊まって行けと言わ

れました。理屈はよくわからなかったけども、たしかに6時をまわっているし、

今から徒歩で帰るのもおっくうだな、などと思って「宿泊」を決意しました。

でも病院の支給する食事なんてろくなもんじゃない、なんて思ってたらビックリ

意外と美味しい。夕食なんかビーフシチューにアイスクリームまでついて。

昼、夜、朝、昼と4食たべたのですが、全て2回以上おかわりしました。

だって健康なんだから。

翌日曜日は昼飯前に今度こそ整形外科のドクターが診察にくるというので、

退院の時間を延ばして待っていたら、2時まで待ったあげく、今日はこられま

せんという返事。しょうがない、世の中一歩日本をでればこんなもんです。

言われた時間にくる人間など皆無。指定の時間に来る電車もバスもほぼ皆無

でしょう。慣れましたよ。

そんな中でも唯一気転がきいたのは休日の当直医だったドクター・リー。

中国系のドクターで、素早く紹介状をかいてくれて、退院してもいいから、

後日自分で整形外科のドクター・ブローの診察を予約して、この紹介状をもっ

行きなさいと計らってくれました。晴れて退院することが出来たわけです。

翌日の月曜日。さっそくドクター・ブローの診察予約をいれるべく電話を。

すると整形外科のデスクに回線をつなぐまでに4回たらい回しにされ、やっと

電話にでた受付の女性からは信じられない対応が。

ドクター・ブローの診察予約をしたものの、それはなんと3週間後。

3週間後じゃ筋違いなんて治っているにきまってるだろ!

どこのバカが筋違いの診察を3週間後に受けるんだよ。痛いのは今なんだぞ

って・・・・なんちゅーバカバカしさ。とりあえず予約はいれて、ゲイ厩舎の

オフィスへ事情を説明しにいきました。オフィスに着くと、みんなビックリした様

子で、

 「心臓発作で意識がないと聞いてる」

とか

「緊急手術が必要な状態だと聞いてる」

とか全然事実と違う事を言うんです。どうも誰かが流した噂に尾ひれがついて

おかしな情報として出回った様子。で、それは誰から聞いたんだと問いただす

と、全員口を揃えて「アーサーが・・・・」

アーサーは典型的なオーストラリア人の男。陽気といえばそうだけれども、

おしゃべりが止まらない。手を動かすより口を動かしている時間のほうが長

い。アーサーめ、口に鍵でもかけてろ。

オフィスで事情を話すと、あまりに馬鹿げた状況に呆れた様子で、

別のドクターを紹介してくれました。ゲイ厩舎の怪我人をいつも診察してくれて

いるドクターだから、ということで。

そこでドクター・ヤニスの診療所を訪れることになったわけです。


つづく

 

 

 


脈拍のおかしな診療室

2011-10-06 | 日記

シドニーは今日も雨です。このところちと肌寒いかんじらしいです。

「らしい」というのは、自分は最近朝10時くらいに起きているので、

早朝の気温など知りません。実は今、諸事情により仕事に行ってません。

ものすごいややこしいことに巻き込まれています。

2週間ほど前の調教中に、突然左の肩下に激痛がはしり、体を動かせなくな

りました。腰を鞍につけて並足がだせません、痛すぎて。

腰を浮かせてもダメです。なんとかストールまでたどり着いて馬からおろして

もらったものの、歩けませんでした。

呼吸するだけで痛いくらいの状態。自分のカンではたぶん筋違いのたぐいの

痛みでした。救急車を呼ぶというので、それを必死に止めさせました。

だって一回呼ぶと100ドル以上費用がかかるから。

自分でそのへんの町医者に行くからいいといったんですけど、

業務中の怪我はオフィスが面倒みることになっているから、ってんで

人事担当のアーサーの車でERへ連れて行かれました。

最初にペーパーワーク。やれアレルギーはあるかとか、薬物を

摂取してないかとか。ま、これはお約束。それから心電図をとりました。

こっからが問題。数値がでるやいなや、5,6人のドクター達がやってきて、

なんかマジな顔つきで話し合ってるんです。

「君をICUに連れていく」

とか言われて。ICUって多分集中治療室のこと?なんで?

ペニシリンを飲まされ、モルヒネを打たれ、意識がもうろうとしてきました。

すると20人くらいのドクター達がわらわら入ってきました。多分研修医っぽい

若い連中です。入れ替わりで僕の心音を聴いて、モニターをチェックするんで

す。この時点でなにが起きているのか全く分からず。なんの説明もない。

俺は肩が痛いんだぞ(゜д゜)

すると今度はアジア人のおじいちゃんドクターがみに来て、

いろいろ聞かれました。この人は落馬した患者なんかを専門で見ている

ドクタだそうで(病院が競馬場のとなりだから)、最近落馬しなかったかと聞

くので、3週間前に派手に落ちたことを告げました。

すると脈拍を触診で確認して帰っていきました。しばらくすると、また別の

研修医らしき若い連中がごそっと来て、心音を聴いたり、脈をとったりして

いきました。その中の一人の女性の研修医が、僕の左手をにぎって、

「YOU WILL BE OK. NO WARRIES」

って泣きながら励ますんです。なんのこっちゃ?さっぱり状況が理解できず。

俺は肩が痛くて運ばれてるのに。

朝7時から体中に心電図のためのアタッチメントをはられ、昼の2時まで

寝ました。すると今度はCTスキャンとレントゲン写真をとるというんです。

ここで俺はついになにが起きているのか状況を説明しろと迫りました。

なにしろ意味がわからない。俺は肩が痛いと言っているのに、

誰も肩の診療をしていない。心臓ばっかり。

すると主治医だというドクターが、

「君は心臓発作をおこしている。非常に危険な状態だ」

と言うんです。

「君のハートレイト(心拍数)は38だ。これは低すぎる。検査する必要がある。

なるへそ。これでさっき女性の研修医が泣きながら励ましていた意味がわか

った。点滴うたれて、酸素マスクつけられて、体中にアタッチメントを貼られて

意識もうろうとして寝かされている患者を見れば、ああいう感情が・・・・

わくんでしょうね、きっと。

でもさ、おれピンピンしてるんだけどね。朝2時起きだし、モルヒネ打たれてる

から眠くて寝ちゃったけど・・・

つまり、なぜあれほどの大人数の研修医がとっかえひっかえ

僕の心音を聴いていったかというと、心拍30台でピンピンしとる人間の心音

ってこんなんですよ、といういいサンプルだったわけですな。お勉強会です。


で、入院。ちくしょう。やりたい放題やってくれるな。ちょっと待て。

ここで僕は必殺の一撃をかましてやりました。それこそ主治医の心臓

が停止するほどの一撃を。

「僕、保険入ってませんよ。お金、払えませんからよろしく。」

相当あわててましたね。国立病院だし、医療費は全部保険で落とせる

だろうからってんで、やりたい放題やったんでしょうけど、なんとこのモルモット

が保険に入ってない!患者になんの確認もせずに勝手に心臓の検査をした

んです。僕に支払うつもりはありません。

俺は肩が痛くてERに連れて行かれたのです。

 

最初は一泊24万円相当の個室病棟に連れて行かれたんですけど、

僕が保険未加入だと判明するやいなや一般病棟に移されました。(・∀・)

分かってるよ、金のない患者なんかお荷物だってことさ。

だから早く還せよ。全然心臓なんてなんでもないから。自信あったしね。

しばらくするとエージェントが来て、なんとか労災がおりるように調整するから

支払いは心配しなくていいという旨を伝えてきました。

そーですか、そりは良かったですネ。(`・ω・´)

 

結局僕はなんでもなかったんですけど、このあとさらにこの件は泥沼にはまっ

ていくのです。 つづく


 


In the Coogee Beach

2011-10-02 | 日記

 

coogee Beach

クージービーチへと続く坂道。シロクマックスのジョギングロードです。

シドニーは港街。海を真近に感じます。


初春のクージービーチ。シロクマックスは仕事の後、毎日このビーチまでジョギングします。

直線距離なら家から10分です。夏はここでボディーボードでもしようと思ってます。

ゴールドコーストほどではありませんけれでも、クージービーチもとても

素敵なビーチです。

改めてランドウィック競馬場ってすごい場所にあるなと思います。

シドニーのど真ん中、州立大学のキャンパスのとなり、リゾートビーチから

10分の所にあるんです。こんな競馬場世界中探しても他にあるかどうか。

まあ素晴らしい環境にありますな。

素晴らしい環境で暮らせていることに感謝しなくては。


Baby do not cry

2011-10-02 | アメリカ生活のあれこれ

昨日はランドウィック競馬場で今シーズン初のカーニバルが行われ、

大変な盛り上がりでした。その名も「Epsom Super Saturday」

当日のメインレースがエプソムハンディキャップという1600mのレースで、

その名前にちなんでエプソムスーパーサタデイです。

一日に5つのGレース(重賞)レースが組まれています。

ゲイ厩舎は延べ8頭を各レースに送り込み、一頭がステークスレースに

勝利しました。めでたいなあ。

エプソム・スーパーサタデイ当日のプログラムでは、1,2レースに今シーズン

初の2歳馬のレースが組まれていました。南半球は8月1日から馬の年齢が

かわり、新シーズンとして区切られています。ですから、10月の1日にその年の

初の新馬戦(2歳馬戦)が組まれているのは、時期としては結構はやいですね。

日本の中央競馬だと、最低でも2歳と6ヶ月からレースが組まれているのですが、

こちらは2歳と2ヵ月からもうレースがあるんです。

Volutinaはその豪国一発目の2歳馬戦に出走することになったわけです。

父はホーリーローマンエンペラー。ヨーロッパの2歳チャンピオンで、

南半球では今年が産駒が初めて走るヨーロッパの一流種馬です。ヨーロッパでは

すでに活躍馬をだし、一ヶ月前にはニュージーランドで南半球初のステークスウィナーを

排出した新進気鋭の新種牡馬です。

ホーリーローマンエンペラーに関しては、シロクマックスは苦い思い出がありますよ。

忘れもしない2010年のアメリカ、キーンランド9月セールのことです。

book1にノミネーションされていたHip 78番のホーリーローマンエンペラーの牡馬を

僕はピックアップできませんでした。ところがK先輩とその他の日本人バイヤーの

方々は78番を褒めちぎるんですね。

「そんなにいいですか?」

という僕に

「まだ甘いな。ヨーロッパの馬はあんなんばっかりやで。それで走んねん」

と教えてくださったMさん。

実際78番はかなりの高値で取引されました。

よさをわからなかったのは僕だけで、プロのバイヤーはみなチェックリストに残していた

のでした。そんな因縁浅からぬホーりーの仔。しかも女の子。

なんとか活躍して、お母さんとして繁殖牝馬になってほしい。

競馬前におめかしされるボルティーナ。今日は厩舎長のモトさんが競馬に連れていき

ます。

16頭いるBounding Away Lodgeの中で、いち早くデビューです。

「ボルティーナがデビューか・・・僕は3歳でまだデビューできないでいるのに・・・

とにかくがんばれ!!」

お向いの馬房の1歳年上の栗毛君も気になる様子。

「ガキだガキだと思ってたらよ・・・時の流れるのははやいもんだな・・・・・」

お隣の馬房の先輩馬も気になるご様子。じっと様子を伺ってますよ。

「見んなよー。調教終わって朝飯くったら眠い(-_-)゜zzz…のは人間も馬も

いっしょやでー。ほっといてちょ。ボルティーナ?せいぜいきばりや。関係ないわ!」

お昼寝を邪魔されるのは誰だって面白くないですわね。


 

「自分は自分のやるべきことをやるだけですから。きにせんといてください。

ボルティーナ?自分には関係のないことです」

スーパーサタデイ当日の5Rに出走予定だったローンスターじじい。

恩年7歳。人間なら40歳~50歳です。もはや世の中の浮き沈みに興味なし。

悟りの境地に近づきつつある老兵です。

シロクマックスが挨拶かわりに尻をバンバン叩いても無反応。

馬も人も年を重ねると神経が図太くなりますな。

 


「ねえねえモトさん、なんか今日はいつもと違くない?なんでこんな時間にお出かけす

るの?しかもあたしだけ・・・・・」

ボルティーナ、今日から君は・・・・勝つか負けるかの世界で生きる「競走馬」だ。

良いお母さんになるためには自分で自分の価値を高めないといけないよ。


まだまだ幼いボルティーナ。デビュー戦は7着でした。

それでも競合ひしめくシドニーのシティー・競馬での7着。立派なものです。

能力の一端は見せましたよ。3歳になって、距離が1600Mくらいなれば

きっともっとやれるはず。今日は1000mだったから、ボルティーナにはちょっち

短かったかな・・・・・でもまずは無事に回ってきてくれてよかった。

翌日に放牧へ。

一ヶ月はゆっくりして、成長を促してから改めておそらく年明けくらいから

競馬へ復帰予定。体つきは良い馬だと思うので、必ず一勝はしてくれると信じてます。

ゲイ厩舎は2歳戦に力を入れている厩舎なので、来週以降もぞくぞくと

若馬がデビューしますよ。一勝できればたいしたもの。競走馬として

生まれてきたからにはなんとしても一つは勝たせてあげたいと思います。