森の声

 雨粒が あちらこちらに飛んで 

 街燈にも月にも光る、綺麗な夜

 

古代より

2008年10月27日 | Daily
星の動きは規則的でとても科学的だけれど
ではその動きが作り上げられたのは何故、というところに想いをはせると
たちまちロマンになるので、面白い。

わたしは、そういうものを飽きもせず考えたり調べたり
さらには妄想するのが好きなのだけれど(笑)、
肌寒くなり、空気が澄んで静かなこの季節には
いつも以上にそんな一人の時間を好み始める傾向があるらしい。
この季節は、リアルな現実に疲れる季節でもあるからかも(笑)。
うっかりそのまま週末をボケーっと過ごすところだったのだが

いやいや、まぁちょっと出ておいでなさい
疲れたときこそ一人でいるのは良くないものだよ

というようなことを言って、お声をかけてくれる人がいたので
ぶらりと京都駅まで出てみると、
『期間が10月24日までかぁ、行けないな、残念』と、思っていた
吉村作治教授のエジプト展が実は11月24日までだと分かり、飛び込んできた(笑)。 

エジプトの文明というのは、中国のそれとはまた質が違い
科学っ子かつ不思議妄想っ子には、不思議と惹き付けられるポイントが多く大好きで
この手の何かが来ると見に行くことにしている。<作治さんを好き嫌いは別(^^;

ミイラを作る道具は、医療器具の原型だったり
人体から内臓や脳をくりぬく作業は外科手術的な作業であったり
乾燥させる過程で使われるのが、炭酸ナトリウムだったり
なんら医学や科学的根拠がない時代に
いったい誰が思いついたのだろう、と、感心することしきり。

ところで、現代の研究者にも多くそう言えるけれど
古代からアスペルガー的気質のある人は
文明や世界に貢献する偉業を成し遂げていたのだなぁと感心する。
一年中夜空を見上げて、同じ時刻に微妙に位置を変える星の
その周期を見出してしまうとか、そのすごい粘り強さは素晴らしい特性だ。
何の役にも立たねば「ちょっと変な人」で片付けられてしまうような作業が
あの星がここに動けば川が溢れますよ、みたいな結果が出て良かった(笑)。

そしてエジプトの神々は、どこかキュートな特性があり、
神話だけでも追っていると日が暮れそうだ。
頭に万歳した腕がもう一対ある神さまとか、犬の顔してるとか、鳥の顔してるとか
ギリシャ神話もびっくりのオモシロ神々なのだもの。

ちょっと、考えることが多くなっていた日々に
なんだかんだと人と話す時間が良かったのかもしれない。
友人は、脳をくりぬく工程や脱水作業に目を輝かすわたしに不思議がっていたけれど
「古代エジプトには宇宙人がいたから、どんなものも不思議ではないのだ」
と言い切るのだっていかがなものかと(笑) 。

確かに、自分と全く感性が違う人と会話することで
余計なことを考える隙を作らない、というのは
逃避とはまた違って、やや前向きな回避、
なるほどな~、こういう他力本願気分転換もありなのか、と思ったし楽しかった。

リラックスと発散が下手なのは
すぐに自分の内面だけと向き合うのがよろしくないのかもしれない。
ただ、ぼけーっとたそがれる時間、それが好きなので困ったものなのだけれども(^^ゞ

でも多分、これからも変われないとは、思う(笑)。←頑固

何が自由か知っている

2008年10月10日 | Daily
めがねの影響はまただまだ続いています(笑)。
…って、そうではなくても

このあいだ

"あれがあったら" "ここで助けがあれば" と思いながら
いかにその状況を脱するか思案するのに夢中になっていたことがあり
それはとてもギリギリでゆとりがある状況ではなかったけれども、
スリリングで自分をフル回転させる時間にむしろ気分は良く

  必要なものは全て与えられていて、
  何一つ不自由を感じることはなかったとしても
  「不自由を感じる自由」
  というものは、与えられていなかった

ということに、気がついたのです。
うまく表現できないし、なにやら哲学的で自己満足な話なのですが
なんだか、妙に目の前が開けたのです。

私は私、自分で考える、自分の足で歩くこと
自分が自分に再度吹きこまれた瞬間、でした。

金木犀の香りは、アタマを冴え渡らせる。
良くも、悪くもですが…。

秋本番、
橙色の小花と
様々な想いが穣かに積もる季節です。

さて、風通しよく
小春日和の、暖かな連休になるといいですね。

残り香

2008年08月06日 | Daily
近所の友人宅(同業者)から朝帰りです。

昨日、定時でうちに戻り、シャワーを浴びてメイクを落とし
眼鏡をかけて、リラックスモード全開になったところで
自転車に恐々またがり、冷えたビールを配達!

真夜中2時まで、近況報告大会&愚痴放出大会、
スッピンで、怒って、泣いて、笑って、語り合う、干物女二人…(^^;

本日は、午前は会議、午後は出張。
休めずにしょうがなく朝一で帰宅したのですが
河原沿いを、本当に久しぶりに乗る自転車で走っていると
風に昨晩の残り香なのか、花火の煙の匂い。
ラジオ体操の朝の匂いを思い出して
早朝の自転車は、気持ちよかった~。

あーーーすっきり。

さ、仕事だ!リアルだ!
自転車に乗るのが久しぶりすぎて、とっても怖かった(苦笑)

我思う、ゆえに?

2008年07月12日 | Daily
先日、1年ぶりくらいの人と会っていたのです。

お茶をしたり、ご飯を食べたり、
結局は山ほど積もる話をしていたのですが、その間

『どれがいい?』とか
『どうしたい?』とか
『そういうんなら、そうかもしれないなぁ』だとか

誰かといるときに、そんな選択肢や発言権を与えられているのが
とても久しぶりだったことに気づいたのです。

そういう生活を、
ずいぶん当たり前に受け入れてきたのだと、気づいたのです。
特別疑問にも思わずにいたし、もちろん納得してきたのだけれど
もしかすると、そうでもなかったのだろうか。

すごくすごく、嬉しかったのです。

「朋は」どうしたい、どう思う、と、
無邪気に聞かれた、ただ、それだけのことが。
それに、気づいたことも。

やっぱり、わたしはわたし、なのかなぁ。

確かめたいような気がして
もう一度、話してみようかなぁとも思ったけど
混乱するのが怖いので蓋をしてあるのだけれど(笑)

頭を使いたくなくて、この週末は
簡単に読めそうな、
でもなかなか良さそうな『食堂かたつむり』を読む予定です。


藤待ち

2008年05月06日 | Daily
この季節の緑色は
ちいさな絵画館のためにあるみたい。

もっとも、館長とママさんが
一生懸命お手入れされているのですが。

      

昨年のリニュオープンのときにはすっかり短くカットされていた藤も
ずいぶん茂って、綺麗になっていました。咲くのが、楽しみ。

駐車場横フェンスにつたう、モッコウバラ。
咲き乱れていても、素朴で、でもとっても綺麗。萌える黄色。

絵にたどり着くまでも、ドキドキするくらい、素敵~。
そして、展示作品も瑞々しいものばかり(*^_^*)
緑の息吹を存分に感じ、マイナスイオン浴のよう。

ところで
初めて車を運転して行ったのですが
ご夫婦がたいそう褒めて(心配して?)くださいました(笑)
2時間足らずで到着でき、これから通う回数が増えそうな予感。

それにしても、
ほんとうにほんとうに
いつも心地よい帰り道です。

こういう場所を大切な場所、と言うのですね。

復活祭

2008年03月09日 | Daily
昨晩は、幼稚園児からの幼馴染と飲んだくれ。

美人で聡明、さらには優秀な専門家の、自慢の友。
ちょっと敬遠しそうな非の打ち所のなさなのに、
わたしの友だけに
しばらく付き合うだけで、
「あ、こんなにゆるい人なのね」って、誰もが納得(笑)

気楽に飲めて美味しい駅前のお店、
カウンターしか空いていなかったので
最初はお上品に腰掛けて、人生や仕事の話をしていたのに
2本目のワインをチョイスした頃

『あてなき人生は無理です。
 あてをください、チーズ的なあてを。』

顔には出ないタイプだけれど
真顔でおかしな発言をするのが酔いのサイン(笑)
彼女の名(迷?)言はいつも素敵だー。

春の味に誘われ、どんどんボトルが空いた(・・;

このお店は時々利用するのだけど
季節メニューも豊富で、どのお料理も『塩加減』が絶妙で美味しい。
『いい塩梅』などというけれども
まったくそのとおりで美味しいお料理は塩の量だと思う。

ご機嫌な二人、さらにスパークリングを抜いてもらい
カウンター越しにマスターたちとも陽気に飲んだのだった(笑)

さて、この後さらにもう一軒、と
タクシーに乗ったら…。

彼女、靴、片方履いてなかった(爆)
「あれ~なんか足が寒いと思った~~」って、そりゃ寒いわ!!(爆)

…ずっと変わらず、ほっとできる友人がいるのは幸せ。
正直に話ができて、正直に話を聴ける友人がいるのは、幸せ。

進む道は違っても
自分の信じた道への努力をともにした時間は
お互いによく似通った信念を育てた時間でもあり、共有の財産。
そしてそれが今の生活に誇りを持ち、胸を張れる理由。

彼女の助言はすぅっと心に入ってきて
彼女が秘めていた悩みは、わたしがつまんで捨ててきた。

もうすぐイースターだ、といいながら歩いた
子どもの頃、二人が通った教会近く、小川沿いの細い細い近道に
たぶん、靴が片方落ちているはず。

腕を組んで一緒に転んだもの(笑)

神さま、迷える子羊をお救いください。<都合のいいときだけ祈る二人
今から靴を拾いに行ってこよう。
まだ新しかったという靴が見つかりますように…(^^;

ヒーローでなくても

2008年03月01日 | Daily
『前向きに努力すれば
 人に負けない個性を身につけることが出来る
 
 ヒーローでなくても

 それぞれの道で
 なくてはならない存在になってほしい』

父は、31日で定年を迎えます。
昨日は最後の卒業生のために、こんな式辞をしていたのだと
今朝の朝刊記事で知った、親不孝な娘です。

ここ最近はよく話をしますが
しばらくじっくり、語り合う時間を持たずにきたのだけれど
わたしは、教育者としての父の背中を見て育ったのでした。

声が大きく、がさつなイナカモノで
単純で豪快なようで、実は気が小さくもあり
長嶋終身名誉監督やイチローのような天才をみると
すごいなぁーすごいなぁーと
いい年したおじさんが、にこにこと素直に憧れ
テレビの前で、ウンチクを熱く語るのに
母や妹とよく呆れたものです。

とことん人間臭いおじさんですが
人に愛され、人を愛し、人を育てる
自慢の父です。
えぇ、ファザコンです(^^ゞ

決して人を悪く言わず
仕事の愚痴も吐かない父が
"教師は授業してナンボ"の父が
教職を離れて管理職になってからは
二階の部屋にこもって遅くまで一人起きている、そんな
苦悩の日々も、よくよく知っているから

最後のこの式辞は、聞きたかった。

中継ラジオでも流されていたようですが
誰かが残してくれてるかなぁ。

教育者として、揺らいではいけない何か、を
直接的にではないけれど、また、背中で教わった気がします。
忘れかけていたけど
わたしはわたしのでき得る最良のものを
与え続ける公人であらねばなりません。

ちょうど、その式辞が読まれているころ、
寒いわたしの職場でも
お日さまが射して、春の匂いがしていました。

普段、声をかけてもあっという間に逃げてしまう子が、
どこかで摘んできた小さなふきのとうを
ひとつあげるよって、部屋まで届けてくれました。

"国民全体の奉仕者"として自分の在るべき場所は、
望む望まないに関係なく与えられるもので
それゆえ、本当に苦しむことが少なくないのですが
それでも、きちんと向き合うことで思いがけない財産が出来ていたりするのですね。

こつこつと努力を重ねた凡人の父の子どもですので
残念ながら、わたしには生まれつきの特別な能力はありません。
ヒロインにはなれませんけれど
いつか誰かや何処かにとって
意味のある存在になれれば、と思います。

  


春の嵐

2007年03月16日 | Daily
春は、芽吹き花咲く季節ですが
それゆえ、目に見えぬ動き始めた空気に
取り残された気持ちに、不安になることも多いのです。
心の中で、ざわざわと何かを揺らす、風になる。

変わらずにあってほしいものや人が、そのままではいられない
大きな力の作用通りになっていく
その、さみしさはたまりません。

華やかに色づきはじめるこのときに
なぜにこんな気持ちにならねばならぬのか
毎年、理由はわからないけれど。

春、それもこの、桜の咲く少し前の季節が
実は、ほんの少し苦手。
この、心の嵐が、とても、苦手。


ナイチンゲール

2007年03月02日 | Daily
勤め先近くの看護学校での卒業式が新聞の記事になっていた。
初々しい、新米看護師さんの姿に
なんとなく、じん、となった。…もうわたしも、若くないのかしら(^^;

ところで、最近の医療現場では
感染源になるからと、ナースキャップを廃止するところが多いけれど
やっぱり、あの、真っ白なキャップを戴くことは
学生の大きな憧れであるはず。
わたしも戴帽式の前の日は白衣を合わせ、鏡の前でどきどきしたものだったなぁ。
今でも覚えている、みんなでくりかえし唱えたナイチンゲール誓詞
原点は、ここだったんだなぁ。

どの看護師さんにとっても、きっとそうであるように
後に別の職種を選んだわたしにとっても、この精神は生きている。

"われはわが力の限り、わが任務の標準を高くせんことをつとむべし"
"わが手に託されたる人々の幸のために身を捧げん"

耳が痛むと同時に、はっとする。
大事なことを、わすれそうになっていたのではないか、と。
ときどき、昔を振り返るのは悪いことではない。

大切なものは、遠くにあってもよく見えるものだから。


えりあし

2006年12月10日 | Daily
月イチで、美容院に行かなくてはならないのは
髪が多いくせに、ショートカットだから、だ。

1ヶ月を超えるころになると、もさもさとしてまとまらなくなる。
今月は第九やコンサートの楽しい予定のおかげで
ずいぶん伸びてしまったのだけれど、やっとメンテナンスできた。

何かに真っ直ぐに向かっているときは
なぜか今のようなストレートで短めの髪型でいるのだけれど
のんびり学生の頃は、そういえば
肩までの髪にふんわりウェーブ、なんていうスタイルもしていた。
似合うかどうかは別だけれども(苦笑)

少し伸ばしてみたい気もしてきたので
首にまとわりつく襟足を少し切って、
残りの部分は多い髪をすいてもらうだけにしてみた。
もうしばらくしたら、少し髪形を変えてみようかと思う。

それでも、短くなって軽くなった襟足に、今日の雨は冷たくて
分厚いマフラーをぐるぐると3回、首に巻いて、駐車場に急いだ。

明日は、月曜日。意思表示をする、月曜日。

心は決まった、といいたいけれど
やっぱり簡単には決まらない。
もう少し、もう少し、と、妥協案を探ってしまう。

でもきっと、この月曜を乗り越えたら
ちょっと、動けるような気がしている。
満杯の心に、少しは隙間が出来るんじゃないか、と期待もしている。

そうでなくても、せめて、
柔らかい気持ちに、なれるといいなぁと
短くなった襟足をなでつつ。