森の声

 雨粒が あちらこちらに飛んで 

 街燈にも月にも光る、綺麗な夜

 

Wayfarer

2009年05月25日 | Movie
「おくりびと」は、評価通りだという印象。
過保護な映画だったなぁ、いい意味で。

チェロは人の声に最も近い音色をしている、などと言われるけれども
その形もまた、人、それも女性のからだの曲線に似ている。

主人公が、人の生のぬくもりを求めて妻の手を取るのも
ひとりチェロを演奏するのも、
どちらも印象深いシーンだ。(DVDチャプター8・9がいいのよ~)

そして日本人のツボを知り尽くしたような、
久石譲氏のあのテーマ曲は何なんだろう(苦笑)
絶妙なタイミングで振動を与えられ
自分でもコントロールできない種類の感情に、涙腺を刺激される。

本木氏の静かで確かな情熱と
それをわかりやすく、それでいて
程よくオブラートに包み描く、過保護な作品。

ニクイを通り越してズルイとさえ思うような演出にしろ
久石氏の音楽にしろ
ここまでわかりやすく狙われているのがわかるのに
この、観終えた後のすがすがしさは何なんだろう。

それにしても、
やっぱり、チェロの音はいいものだなぁ。 <結局それ(笑)

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*テーマ曲は楽譜が映るシーンで『Wayfarer』と。