21世紀新訳・仏教経典(抄)

西川隆範編訳・桝田英伸監修

自己について-法句経  その11

2011-01-01 12:00:00 | 経典
「道を歩む人」より

多くのことを説くからと言って、〈賢者〉なのではない。
“心穏やか”で、“恨みを結ぶことなく”、“恐れに支配されることのない者”
―彼こそが〈賢者〉と呼ばれる。



「道」より

さまざまな〈道〉のなかで
最も優れているのが
〈八つからなる正しい道(八正道)〉である。
【1まっすぐに見つめ、2片寄らずに考え、3透き通った言葉で語り、
4清らかに行い、5純粋な使命を抱き、6正しい努力をして、
7力ある想念を養って、8完全な精神統一(瞑想状態)を得ること。】

さまざまな〈真理〉のなかで
最も優れているのが
〈4つの明らかな真理(四諦)〉である。
【1“この世は〈苦しみ〉によって成り立っている”と明らかに見つめ
2“〈苦しみ〉は〈執着やとらわれなどの煩悩〉から起こっている”と明らかに知り
3“〈執着〉を断つことによって〈苦しみ〉から解放され、〈安らかな覚りの境地〉へと到達する”と明らかに理解して
4“その覚りを実現するためには、〈8つからなる正しい道〉を修行すべきである”と明らかに知って実践すること】

さまざまな〈徳〉のなかで
最も優れているのが
〈情欲から離れること〉である。

〈二本の足で立ち上がる者(=人間)〉のなかで
最も優れているのが
〈真実の目のある者(=仏)〉である。


あなたたちがこの〈道〉を進むならば
〈苦しみの終わり〉にいたる。
私は〈煩悩の棘の矢〉を抜くことが出来たので
あなたたちにこの〈道〉を説くのだ。


「形作られたものすべては〈無常〉である」と〈明らかな智慧〉で見る時
人は〈苦しみ〉から離れる。
これこそが〈清らかさにいたる道〉である。


「形作られたものすべては〈苦しみ〉である」と〈明らかな智慧〉で見る時
人は〈苦しみ〉から離れる。
これこそが〈清らかさにいたる道〉である。


「すべての存在は、〈それそのもの〉というものを持たない」と〈明らかな智慧〉で見る時
人は〈苦しみ〉から離れる。
これこそが〈清らかさにいたる道〉である。



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