春、美しく咲き乱れる花に人の群れ。冬、花散れば人の姿なし。
今日、知りあいの結婚式に参加した帰りに満開の木蓮の木を見つけた。するとなぜか先のような言葉が頭に浮かんできた。
それは結婚式の場で見つけた一つの光景から思いだされた言葉だった。華やいだ結婚式の場には、かつて私の働いていた会社で活躍をされ、人々の注目を浴びてこられた大先輩たちが多数出席されていた。そして、その大先輩たちをよそに若者たちは大いにはしゃいでいたが殆どの若者が大先輩たちに敬意を表すことがなかった。
何気ない光景だったが、私にはなぜか淋しく思えてならなかった。花は根があり幹があって咲くのと同じように、今は老いてかつての輝きは失ってしまったが、今日の楚を築かれた先達たちの立派な功績をけっして忘れてはならないと思う。そして、そうした功績を残された先達たちをいつまでも尊敬し、またその意思を継いでいくのが大切であろうと思う。
時代も変わり、世代も交代したが、変わってはならないものもある。それは人に対する思いやりであり、尊敬の念であると思う。だからこそ若者に期待したいのは、人は輝いている時ばかり見つめるのではなく、輝きを失っても先輩たちを大切にし敬う事を忘れないで欲しいのだ。