趣味のお酒/ビジネスとしてのお酒 // As a hobby and business

2018-07-30 | (クラフト)ビール / (Craft) beer
僕は、元・酒屋の店員
&ビールを注ぐ人として、

(各種)お酒の卸価格、
小売店での販売価格、
飲食店での提供価格、

が大体わかります。

※少なくとも、国内の飲食店の
 お酒(特にクラフトビール)
 に関する利益/利益率は、
 推測できます。

クラフトビールは国産に関して、
税制や(輸入に頼らざるを得ない)
原材料費、醸造規模などが
ネックとなり、

消費者にとって、
割高な価格にならざるを得ない、
というのが実情です。

※にもかかわらず、
 飲食店/小売店にとっても
 利益率が(特にワインと比べて)
 低いというのが、
 ビジネスとしての課題。

もう1つ、国産クラフトビールの
問題点を挙げると、
"樽生"で飲めば、美味しい銘柄も
"ビン/缶"となると、
品質が極端に落ちるケースが多い。
 
→後ほど、ビン/缶でも
 ハイクオリティな銘柄を
 ご紹介します!

【余談】
昨年、僕が参加させていただいた
日本で実施する、クラフトビールの
国際的な品評会において、

「樽生」部門で受賞した
にもかかわらず、

その「ビン/缶」タイプを
"これが日本で今、最もうまい!"と
自社のオンラインショップで
喧伝される某ブルワリーさんに
唖然としました。

→現実に、対象となる銘柄は、
 「樽生」部門で、
 (日本での開催につき)
 日本のブルワリーの受賞率が
 約90%を占めた中での金賞。

 それに対し、「ビン/缶」は、
 日本と海外の受賞比率が
 およそ50対50の激しい競争の中、
 金賞ではなく銀賞/銅賞を受賞、
 あるいは"入賞していない"
 にもかかわらず、です。

ふむ。

僕自身が日々行っている
(主観的な)テイスティング結果に
このような(客観的な)事実も
加味すると、

世界のクラフトビール市場
における日本のビールの品質は、
総じて、まだまだ発展途上
というのが、率直な見解です。

※目白の田中屋さんをはじめ、
 海外のビールを取り扱う
 良心的な専門店に行けば、

 同じスタイルの
ビン/缶ビールを、
 よりハイクオリティ
orベストクオリティ、
 
さらに、同等価格
orよりリーズナブルに
 購入できるのです。

したがって、現在も、
狂信的にクオリティを追求する
クラフトビールの飲み手は、

主に外的な要因で"割高"、
かつ、おそらく設備上の問題から
パフォーマンスを
100%発揮できていない
国産のビン/缶入りビールよりも、

(各ビアスタイルの本場から)
輸入された海外製の
ビン/缶ビールを選択している
というのが実情です。

【補足】
「樽生」でいただく
国産銘柄のクオリティは
確実に高まっています。

ただし、近年は、
都内の有名なビアパブも含めて
取扱い銘柄に偏りが見られるため、
消費者として、面白みに欠けるなぁ
と感じています。

たとえば、よく見かけるのは、
京都醸造、鬼伝説、MARCA、
ビー・イージー、うしとら、など。

もちろん、
これらの新興ブルワリーなどが
中心となって、

世界市場の流行スタイルを
日本市場へ紹介したり、独自の
アレンジを加えることは面白く、

また、これらの新興ブルワリーと
評価の固まっている大御所(※)
のビールを同時に展開する、
パブ側のセンス/遊び心には
感心しきりです!

※大御所:
 箕面、ベアレン、志賀高原など。

ところで、僕は今、夏休みの
「イギリス・リアルエール紀行」
に向けて、現地のパブ情報を
リサーチしているのですが、

各店舗のメニューを見る限り、
人気ブルワリーのビールは、

ロンドンのみならず
地方のパブでもしっかり
提供されているもようです。

いわば、クラフトビール版の
"ナショナルブランド"&
急成長ブルワリーが
幅を利かせるのは、
日英共通なのですね。

・・・・・・・・・・

ビールとワイン
/日本酒/蒸留酒/カクテル。

書きそびれてしまった、
ビン/缶でもハイクオリティな
国産クラフトビールなど、

「趣味のお酒
/ビジネスとしてのお酒」
をテーマに書きたいことは、
まだまだあるのですが、

すみませぬ、今夜はここまで。

最後までお読みいただき、
ありがとうございます☆

※写真は、トラピストの中で
 唯一のホワイトビール。
 by La Trappe
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