90歳の親友Nちゃんが 最近頻繁に電話をしてくる。
17年近く一緒に泣き笑いしてきた柴犬の「マロン」が老衰でお空に旅立って 寂しくなってしまったからだ。
「毎日一人で 話し相手もいないし つまらないよ。退屈だよ。動くものがいないって 寂しいもんだよ」と嘆く。
そしてとうとう。
「あたしはさ 年は取ってるけど 悪いところはないんだよ。健康だからさ。犬を飼おうかなって思うんだ。
パピーからは無理だから 少し年とった保護犬でもいいかな。毎日来てくれるヘルパーさんに話したらさ。
保護犬ってたくさんいるから 聞いておいてあげるよって言ってた。(ヘルパーさん 気軽に言いすぎだよ)
あたしね あんまり小さい犬は好きじゃないんだ マロンくらいの大きさの犬がいいねぇ。
あんまりやんちゃだとお散歩で引っ張られて転ぶといけないから おとなしいコがいいね。女の子がいいな」
心の中で「ちょっ ちょっと待てよっ」と キムタクのように呟いてしまった。
「猫でもいいよ。お散歩行かなくて済むから楽っちゃ楽だし そのへんにノンビリ寝てれば 話相手にはなるしさ」
うっ うーーーーーーーむ うーーーーーーーーーーーーーーむっ
ちらっと言ってみた。
「でもさ Nちゃんが急に病気になったり 万が一ってことが起きたとき そのコはどうなるの?
そういう時に責任もってかわりに面倒見てくれる 飼ってくれる人を決めて置かないと 了承得ておかないと
そのコが困るし 保護団体さんだって譲渡してくれないよ」とやんわりと言ってみた。
NちゃんにはTさんというお友達が後継人になっていて Nちゃんに事が起きた時 このTさんが面倒等を
引き受けることになっているのですが。
「大丈夫だよ Tさんがみてくれるよ。だってワタシの全部の始末してくれる約束になってるからさ。
それに今Tさんだって犬飼ってるしさ。犬にも慣れてるんだから」と言う。
「んー。でもさ Tさんも奥さんも60歳超えてるんだよ。普通だったら犬飼うこと ためらうというか
自分の年や先のこと考えて 躊躇する年頃だし 保護団体だって60超えたひとには 条件厳しくしてたりするしねぇ
とりあえず Tさんの了承をもらってからにしたら?」
とまたまた やんわり言っても
「聞かなくても大丈夫だよ。いざとなったときは面倒みてくれるわよ」と聞き入れない。
しまいには「いちど愛護センターにも見に行きたいからさ。私はもう車ないから ミュウママのダンナさんに
連れて行ってくれるように頼んどいて」・・・・・・・・・・。
うっ うーーむ うーーーーーーーーーむ うーーーーーーーーーーーーーーーーむっ
私はね。高齢者が犬や猫を飼うことは その人の健康にとっては 良いことと思っています。
それはCAPP活動や 近くのホームにゆうらさんと遊びに行き 入所者さんと交流して 感じていることです。
ベッドからなかなか起きない方が 犬が来たよっていうと 起き上がってフロアまでやってきたり。
ゆうらがリウマチなのに歩いているのを見て 「ゆうちゃんも頑張ってるからおばあちゃんもがんばるよ」って
普段は車いすから降りたがらないのに ゆうらを車いすに乗せて歩きだしたりします。弱った足を強くします。
犬を撫でることで 血圧が下がることもわかっています。。
心臓疾患患者が犬や猫と暮らすことで 飼わなかった患者に比べて寿命が長かった。
北欧あたりでは 病気の治療の一環で「犬を飼う」ことを処方されることもあるそうです。
命を預かることで 自分ががんばらないと 元気でいないと 犬が困る このコを置いてはいけない
と健康をより意識するようになるからだそうです。
だから 今 毎日ひとりで 言葉もあまり発せず コロナで出かけることもないNちゃんの
元気や健康のために 犬や猫がいるってことが生きがいとなって よい状況を作ったりする とは思う。
ですが。ですがですよ。
いくら後継人がいるからといって 今から飼うということ 心から賛成できない私です。
Tさんの了承 確実な約束もしないで迎えるのは 絶対良くない。
そうでなくても 私は思うの。
高齢者じゃなくても 犬や猫を迎えるひとみんなが 自分の万が一の時のこと 真面目に考えて。
同居のご家族がいるなら その全員が了承すること。
Nちゃんのようにひとり暮らし 我が家みたいにこどものいないな夫婦のみの場合 責任もって後を頼めるひとを確保。
間違いのない約束をして飼うべきだと。
それが無理なら飼ってはいけないと思っています。ちなみに我が家はお約束できていますよ。
Tさんが了承したとしても。
Tさんご夫婦が同居しているなら 一緒に優しいコを探そうかって気持ちになりますけど。
ひとり暮らしの90歳です。
飼うということ 喜べません。心から賛成できずにいます。
みなさんは どう思います?
そろそろ「いつセンターに見学に行く?」って電話がなりそうです。
うっ うーーむ うーーーーむ うーーーーーむっ
な 私です