王子ビリー君のはなし。
2007年2月22日、城南島殺処分場に彼はいました。
多摩のセンターに収容され期限が切れた彼は城南島に送られてきたのです。
CATNAP団体は他の団体が引き取らなかった子を最後に引き取る事が多く、その週の月曜日
ボランティァスタッフの目に留まりながらビリー君は他の団体に引き取られそうだと
その日は別の高齢犬を引き取って行ったそうです。
その後、どこからも引き取られず結局殺処分となったビリー君は処分機のドリームボックス
(どこがドリームなんだかわかりませんがそういう名称なのです。)
と呼ばれる鉄の箱に入れられる寸前。
ボタンを押せばガスが入れられ15分程で死んでしまいます。
処分の日の朝一番でCATNAPの代表が全く別の用事で施設に電話を入れたところ
「月曜日のパピヨンですがこれから処分にかけます」
と言われたそうです。代表はその処分を中止してもらい直ぐに引き取りに行ったそうです。
ドリームボックスにつながるベルトコンベアの上に彼は居たそうです。
命が繋がった彼は団体内でも「奇跡の子」と言われました。
本当はこんな写真は載せるべきではないのでしょうが、知ってもらう為にあえて載せます
これは引き上げた時のものです。
どんなにか怖かったことでしょうね、それから縁があって家族になった訳ですが、
処分場から彼を乗せた帰りの車の中でビリージョエルの「素顔のままで」が流れていた
そうです。その時、代表がビリー君という名前を付けてくれました。
ビリー君を迎えた時、それまでお世話してくださった預かりママさんからこの話しを
聞いて生還の日2月22日をビリー君が生まれ変わった日という事でお誕生日に決めました。
今ビリー君は特に病気もなく元気に過ごしています。
幸せかどうかは彼に聞いてみないとわかりません。今も人間の都合で時に淋しい思いを
させてしまう事だってありますし。でも生きていてくれて本当にありがとうと思うのです。
いい飼い主ではないけれどまだまだ一緒に居たい。
これからもゆっくり歳をとってください。
今日はただの親バカ記ではなくて、知ってほしいと思って書きました。
年間30万頭の犬や猫が殺処分されているんです。処分=安楽死と思っている方がいたら
それは間違いですから。ガスによる窒息死です、もがき苦しんで死んでいきます。
保護団体がいくら引き取っても間に合いません。受け皿はもういっぱいです。
捨てられる数を無くさなければこの問題はいたちごっこです。
一時のペットブームなんてものから素人が乱繁殖する現実も、この問題の大きな原因
になっているのではないかと思います。
素人繁殖で先天性の病気を持った子が生まれる可能性がある事、
純血種にはかけあわせてはいけない毛色がある事、実はあまり知られていないのでは。
生体販売店で犬を買わないでください。買う人がいる限り売る業者の利益になる限り
犬は増やされ売れ残りといった子達が絶対出てくるんです。
そうしてセンターに持ち込まれる・・何度も何度もその現実を見ました。
偏った考えかもしれませんが生体販売店でフードを買うのも私は嫌です。