A Happy New Year!
2022年一発目のブログ記事はホラー映画「オーメン」(1976)から。
いや、この映画、僕の世代だと恐らく知名度が高いホラー映画なんだと思う。
誰でも知ってる。
クソガキなんで、「アーメン、ラーメン、ソーメン、オーメン」とか言うダジャレのネタになってたような映画なんだよな。
しかし具体的にどんな話なのかは知らなかった。そう、ホンマに知名度だけはある、って印象なのだ。
あらすじも何故か知っている。もらわれっ子である悪魔の子供、ダミアンにまつわる話だ。
そう、この映画、非常にコンセプトが優秀なのは間違いなく、たった一行でそのあらすじを語れるんだよ。
それでも観たことがないのだ。
以前、往年のテレビの映画番組の話をしたが。そもそもそれで流れてた記憶がない。だから未見なのかね・・・・・・。良く覚えてないんだわ。
かなり不思議な話だろ?あらすじも知ってる、タイトルも有名、でも観た記憶がねぇ、と(笑)。
んでさ、後にビデオデッキが普及した後。ホラー映画の金字塔である「エクソシスト」から始めて、ホラー映画の名作って当然何本も観てるんだよな。
でも何故かオーメンだけは選ばなかったんだ。
なんかこういう状況がホラーだよな・・・隠された意図があるのか・・・・・・。
なーんてね。
いや、実は理由はハッキリしてる。
少なくとも、日本人にとって言うと、エクソシストは名作に成り得るんだけど、オーメンはそうじゃない、からだ。
事実、欧米ではオーメンはいまだに人気がある、んだけど、日本じゃそうでもねぇだろ?多分今の人なら「聞いたこともないです」って人が殆どだろう。それくらい人の口にのぼらなくなったし、ハッキリ言うと「皆忘れる」タイプの映画だ。
欧米と日本の違いとは?そう、日本人はキリスト教徒じゃないんだ。
つまり、オーメンと言う映画はエクソシストに比べても宗教色が強く、日本人にピンと来ない話だ、と言うのが前提なんだよ。
多分、聖書の黙示録に出てくる悪魔、「獣」、のシンボルは666って数字である、なんつー話はオーメンで広がった話だろう。ここが極めて重要。
っつーのもそんなこたぁオーメンで広がる前には知らんかった日本人ばっかだったからだ。言い換えると、欧米人が誰でも知ってる話を日本人は知らなかった、っつー事だな。当然だ、僕らはキリスト教徒じゃない人が殆どだし、聖書なんざ読んだ事もねーだろ。
もっと言っちゃうと、キリスト教徒が怖がる話は僕らにはイマイチピンと来ないのだ。なんせ彼らにとっては悪魔は実在するが、僕らにとっては想像上の産物でしかない。
ここが決定的に違うんだ。なんせ、デビルマンから始め、漫画のネタになる程度の存在が、所詮僕らにとっての悪魔、なのである。これはキリスト教圏では基本出てこない発想である。
とにかく、キリスト教圏にとっての悪魔、とか魔女、とか言うのは僕らの想像を超えて恐怖の対象なんだ。
余談だけど。
例えば「魔法少女サリー」から始まっての「魔法少女モノ」アニメ、なんつーのは基本、僕らが想像する以上に向こうの圏内だと「思いもつかなかった」作品らしい。とにかく、魔女 = Witchってのはキリスト教圏では畏れの対象でもあり、忌み嫌われる存在なんだよ。
逆に言うと、アメリカの「奥さまは魔女」なんつーのはかなり振り切った作品で、現代の「魔女」の生活をコミカルに描いて大ヒットしたドラマなんだけど、これはほぼ「例外」って言っていいんだ。そして、日本だとこれが「欧米の魔女モノ」として邂逅したほぼ始めての作品だった為か「明るい魔女」をスタンダードと誤解して受け入れてしまった。
しかし、アレはマジで例外、なのである。魔女は呪いであって忌みであり、従って、「明るい魔女っ子モノ」ってのもキリスト教圏の文脈では基本「あり得ない発想」なのである。
いや、それで「欧米のスタンダードは世界のスタンダードだ」と言いたいわけじゃない。んな事欠片も思ってねぇしな。
そうじゃなくって。「怖さ」ってのも「文化」が背景にあるんだ、って話で、要するに単純に「キリスト教圏で言う怖さ」ってのはこちとらピンと来ねぇ、ってだけの話である。境界線がくっきりとあるんだ。
例えばエクソシストってホラー映画は、割に「科学的考察」ってのがかなり入り込んでいる。悪魔に憑かれた、と思われた少女リーガンはまずは精神病院での鑑定を受ける。これは現代ではまさに「スタンダードな」対処法であるし理にかなってる。しかし原因が全く分からない。しょうがなく、精神療法の一種である「ショック療法」(エクソシズム)を勧められるわけだ。これも「精神医学の範疇で」何故か効果がある場合もある、と「認めざるを得ない」手法だからだ。
それで神父に相談する流れになるんだが、神父は開口一番「止めなさい」と言う(笑)。神父は精神療法士の資格を持っていて「エクソシズムは意味がない」と言う。それでも頼み込まれ、バチカンを説得する為に「リーガンは悪魔憑きである証拠」をまずは集めようとする。
しかし、神父は結果その確証を得られないんだよ。得られないままバチカンを説得するんだが・・・・・・。
分かる?実はこの映画、ある意味「カソリック世界」を礎には置いてるんだけど、作劇上、登場人物は割に「合理」とか「科学性」に則って行動するんだわ。それが故にリーガンに憑いてる(だろう)悪魔の「異常性」が際立つ、って対称性があるわけ。これがどっぷり「カソリックの世界で」「カソリックの常識に則って」行動する人たちの話だったら日本人にはさっぱり意味が分からなかっただろう。
そう、ホラー映画「エクソシスト」ってのはカソリックは隠れ蓑であって、あくまで「合理」 vs. 「非合理」、あるいは「科学性」 vs. 「非科学的存在」の映画であって、日本人には割と分かりやすい構造になっている。ここが決定的に違うわけだ。
一方、観た感想で言うと、オーメンってのはやっぱ「カソリック世界」での話で、そこに常識が礎としてあるのね。だから日本人には根底的には「ピンと来ない」映画なの。
んで、言っちゃえば、その「宗教観の違い」で「大して怖くないんだろうな」言い換えると「面白くねぇんだろうな」と言うんで、どうにもビデオを借りて観よう、とか言う気持ちがそこまで大きくならなかったのである。
んで、その第一作。感想は上で書いた通り、「思ってた通り」だった。だから予想の範疇のまま、だったんだな(笑)。
ただ、一言だけ言うと「音楽」だけはやたら素晴らしかった、って事だけは言っておこう。それ以外は・・・だから予想通りだった、って。
あらすじ書く気力も沸いてこないので、Wikipediaから記事を貼っつける、って手抜きだけで許して欲しい。ただ、スクリーンショット、だけは頑張って貼ろう。
6月6日午前6時、アメリカ人外交官であるロバート・ソーンはローマの産院にて、死産した我が子の代わりに、同時刻に誕生した孤児である男子を妻のキャサリンにも秘密で養子として引き取り、ダミアンと名付ける。
ほどなくして駐英大使に任命され、その後も公私共に順風満帆な生活を送るロバート。
しかし、ダミアン5歳の誕生日の日、乳母が「あなたのためよ」と叫んで、首つり自殺をする。
ロバートは大使館で記者が群がる中、フォトグラファーのジェニングスとぶつかり、カメラを壊してしまう。
弁償を申し出るが、ジェニングスは「いいえ、貸しにしておきます」と断る。
さらに大使館にローマからやって来たブレナン神父が「奴はあなたの全てを奪う」と意味深な助言を放ち、「ご子息の出産に立ち会った。あれの母親を見た」と告げる。息子を入れ替えた事に対する脅迫だと感じたロバートは神父を追い返す。
その後、死んだ乳母の代わりに斡旋所から派遣されたと自称する新しい乳母がやって来る。乳母はダミアンに「そなたを守りに来た」と微笑む。
再びブレナン神父が来て「奴は母親も、お腹の子も殺す。奴は悪魔の子だ。ブーゲンハーゲンに会え」と告げるが、ロバートは全く聞く耳をもたなかった。
直後、神父は雷に打たれた教会の塔の落ちてきた避雷針に串刺しにされて死んだ。
さらにキャサリンがダミアンの三輪車と衝突し、階下に転落し流産してしまう。
悲しみにくれるロバートの元にジェニングスから連絡が入る。彼のアパートへ出向くと、死んだ乳母と神父の生前の写真には予兆が写っていたと聞かされる。
さらに神父の部屋で「5年前の6月6日に彗星の形が2000年前のベツレヘムと同じ形になった」という記事を見つける。
ロバートは「本当の息子は死んだ。今の子は誰の子かもわからない」と告白する。協力を申し出るジェニングスだが、ロバートは「これは私の問題だ」と断る。
しかしジェニングスは「私の問題でもある」と言い、自身を写した写真を見せる。そこには首に亀裂のような影が写っていた。
2人はダミアンの出生の謎を暴くため、ローマの産院へ向かうが、当時の建物は記録室からの火事で焼け落ちていた。
なんとか当時、ダミアンを世話した神父にたどり着き、出生の秘密を問いただす。神父はわずかに動く手でチェルベットと書いた。そこは古い墓地であった。
2人は墓地へ向かい、そこで6月6日に死んだ者の2つの墓があった。母親の墓を開けると、そこには白骨化した山犬の死骸が横たわっていた。
ロバートは息子の墓も開けると、頭部に穴の開いた赤子の亡骸が横たわっていた。
自分の息子が殺されたと知ったロバートは、入院中のキャサリンにロンドンを離れるように言う。しかし、キャサリンは直後に乳母に突き落とされて死んだ。
ロバートはブーゲンハーゲンに会い、悪魔の子を殺す方法と短剣を受け取る。悪魔の確認方法は「体のどこかに666のあざがある。見当たらない時は髪を切って頭部を確認せよ」と告げられる。
しかしロバートは躊躇し、短剣を投げ捨てるが、短剣を拾おうとしたジェニングスが後退するトラックの荷台から滑り飛んだガラス板によって首を飛ばされてしまう。
ロバートの迷いは消え、短剣をロンドンへ持ち帰った。ダミアンの髪を切り、頭部に666のあざを発見する。
すると突然、乳母がロバートを殺そうと襲いかかるが、アイスピックで刺し殺す。
ロバートはダミアンを連れ、教会へ車を走らせた。
祭壇でダミアンを刺し殺そうとするが、追跡してきた警官に射殺される。
ソーン夫妻の葬儀にて、大統領に引き取られたダミアンが墓前で微笑む。