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Retro-gaming and so on

さよならジュピター

実はこの記事を書いてる時、「さよならジュピター」は観てなかったんだ。いや、もちろん昔観た事はあるんだけど(当時は映画館入ったらいつ出るかは任意だったんで、続けて二回鑑賞した・笑)、その記事を書いた時、書きながら観直してた、ってワケじゃないのね。
本当に、ナンシーとかナヴァホの画像とか探してた程度だったんだ。


んで改めて観直してみたんだ・・・・・・。
う〜ん・・・。やっぱひどい脚本だよな(笑)。

いや、当時、原作小説っつーか実際はノベライズ版か、を読んでたんで「脳内で補完」出来てたのよ。単行本(文庫版)は徳間書店から出てて、なおかつ、徳間書店は「角川の後追い商法」やってたから、映画公開前にシナリオも読んでたのね。



 
 ただ、やっぱ映画だけ観てると「おかしいよな」ってのが出てくる(笑)。
っつーか、「テロリスト」が全く要らない(笑)。主人公の本田英二(演: 三浦友和)の恋人、マリアが何故にテロ行為に加担してるかもサッパリ分からん。いや、原作小説だと色々背景が描かれてるんだけど、この映画だと宇宙空間無重力セックスシーンでの「ちょっとした会話」以外に何もねぇのな。


これだと、「太陽を直撃するブラックホールに木星をぶつけて軌道を変えよう」と頑張ってる本田英二を邪魔してるだけ、っつー最低のヒロイン、って事になる(笑)。
そして映画だと、テロリストの「動機」さえも実はハッキリせんのだ。いやさ、現実のテロリストとか、いわゆる「自然崇拝主義者」には論理もヘッタクレもねぇ、ってのはある意味リアリティがあるのかもしんない。シーシェパードとかもそうだろ?そういう「環境問題煽動家」ってのは容易にテロリストになり得る、って看破したのはさすが小松御大、とは言えるかもしんない。現実ではそう言えるんだけど、これは映画だ。「動機が良く分からんのに」テロリストになる、ってのはやっぱストーリー上意味不明なんだよな。
いや、仮に映画上のテロは良し、としよう。しかし、そもそも警戒厳重な筈のSSDO(太陽系開発機構)に何度も侵入出来るテロリストって何なんだ、とか思うんだよな(笑)。SSDOのセキュリティってザルじゃん!みてぇな(笑)。キミら、NASAやJAXAに不法侵入する事を考えてご覧よ(笑)。無理だろ、ジョーシキ的に考えて(笑)。っつー事は「何度もテロリストに不法侵入させる」SSDOのJS計画(木星太陽化計画)のセキュリティが「甘すぎる」って事になる。
いや、原作小説だと、キチンとそれを「手引き」出来る奴らの存在を匂わしてるんだけど、映画じゃそれが全くないんで、「随分と緩い警備だよな〜。地球の危機なのに。」と呆れ返っちゃうわけだ。
そう、この映画、ヒロイン・マリアを含むテロリストの存在が安易すぎて邪魔なんだ。

テロリストのリーダー、デビルタカマン(違

元々この話、シナリオの初稿のままだと三時間を超える超大作にならざるを得ず、そのため「削りに削った」そうだが、その削り方が要するに「ヘタクソ」だったんだよな(笑)。小松左京御大が自ら筆を取った原作小説、っつーかノベライズ版はその「幻の初稿」をベースにしててSFとしては大傑作になったんだけど、映画は結果、「削りすぎて」なんだか良く分からない話になっちまったわけだ。
例えば、火星から見つかった「ナスカの地上絵」、そしてそれを描いた宇宙人が遺した船と思われる「ジュピターゴースト」の存在も、「何の為にそのプロットがあるのか」全く分からない映画になっちまったんだ。

火星で見つかる「ナスカの地上絵」。映画の冒頭で出てきて「掴みはオッケイ!」となるはずだったんだが・・・・・・。

実は原作小説(っつーかノベライズ版)だと、そもそも出てくるブラックホール自体がフツーのブラックホールではなく、ミニブラックホール、と呼ばれるヤツなんだ。これはいわゆる、フツーの質量が大きい恒星の死骸ではなく、宇宙初期、つまりビッグバンで生まれる可能性がある、と言われたブラックホールで、その存在の可能性をかの有名な、亡くなった「車椅子の天才物理学者」スティーヴン・ホーキングが論文で指し示した事を小松左京が小説に取り入れたのね。
んで、映画にも出てくるミリセント・ウィレム博士その他の言語学者が、ジュピターゴーストからの「信号」をある程度解読に性交成功する。
それによると、「異星人」は元々、ミニブラックホールを使って発電してたんじゃないか、って事が分かる。ところが、何らかの事故が起き、異星人達はそこから「逃げざるを」得なかった。そしてミニブラックホールはその事故の為、太陽系に向かって動き出し、異星人の一部が「警告として」火星にメッセージを置いたり、木星に母船を沈めて警告を発し続けた・・・と言うのが当初のシナリオでのコンセプトだったわけ。
ところが、シナリオの最終稿ではこの辺がほぼ消えちまったんだよ。だから全くこの辺の「異星人の遺したモノ」の意味が映画ではサッパリ分からなくなってしまった、と言う・・・・・・。
まぁだから、「アイディアは良かった」んだけど、最終的に仕上がった映画は、予算が少なかった為に、「原作(ノベライズ版)」を読んでないと意味不明だ、と言う・・・・・。
返す返すも、いろんな意味で「残念な」映画へとなってしまったんだ。

とまぁ、映画を観直してそう感じました。マル。

ブラックホールに吸い込まれつつあるスペースアロー号。
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