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Retro-gaming and so on

レミングス

元々はCommodore Amiga上で動くアクションパズル。
イギリス製のゲームなんだがAmigaのようなホビーパソコンで大ヒットする。
毛唐には珍しく(笑)、タビネズミ(レミング)を比較的可愛らしくカリカチュアライズしたゲームになっている。

日本に持ってきたのは元々はシムシティのPC版で有名なイマジニアだ(※1)。
最初に日本ではPC-9801用にリリースされている(同時発色数がAmigaに劣り、なおスプライトを持たないPC-9801だと移植に苦労したと思う)。



ほぼ同時に(正確には一日遅れ)で我らがSUNSOFTからスーパーファミコン用アクションパズルゲームとしてリリースされるのだ。

 

スーファミ上だと大ヒット、とは言えないけど、そこそこのヒットは飛ばしたように思う。なんせスーファミがリリースされたほぼ一年後に出たゲーム(1991年)で、アクションパズルの枠が広がるには丁度良いタイミングだったように記憶してる。結構、出たと同時に買って、パズルに悩みながら遊んでたヤツはそこそこ多かったんじゃなかろうか。

このゲームではレミングはバカで、基本的に真っ直ぐ歩くことしか出来ない。
壁にぶつかれば勝手に逆に歩き出すが、そうでもないと、例えば断崖絶壁だと落ちるのだ。高さがそれほど無ければ落ちてもダメージ無しで歩き出すが、そうでもなければ死ぬわけだ。
そういうバカ共に命令して何とかゴールまで導こう、と言ったゲームなんだが、中には「大を生かす為に小を犠牲にせねばならない」面もあって、かなりシビアである。

 

例えば上の面だと、「レミングを方向転換させる為に」壁化する命令を何匹かのレミングに施すわけだが(じゃないと歩き続けて、最後は飛び降りて死ぬ事になる)、壁化したレミングにはその命令の解除手段がない。
従ってこいつらは最後は爆死させないとならないのだ。


イギリス人らしい悪趣味さと言えば悪趣味さなんだが
いずれにせよ、なるべく少ない犠牲で大方をエスケープさせよう、と言ったパズルゲームがこのレミングス、である。

さて、こういうゲームなんだが、恐らくSUNSOFTはレミングスの「据え置き型のゲームコンソール」への移植化権を原作者から得てると思う。
んで、権利料は払ったにせよ、結構儲けたのではないだろうか。
と言うのも、スーファミ版からほぼ一年後に、今度はメガドライブ版を発売し、結果これも世界的に売る事となる。

 

Amigaもメガドライブも同じCPUだし、色数的にはほぼ同程度の能力って言っていいんで、ある意味一番ラクな移植かもしんない。
そしてそのメガドラ版発売のほぼ一週間後、今度はPCエンジン用にCD-ROMソフトとしてレミングスが発売される。

 

ただし、このPCエンジン版はSFC版やメガドラ版と違ってSUNSOFT自らが移植したわけではなく、空想科学株式会社と言うトコに下請けに出している。
従ってプレイの感覚がSFC版やメガドラ版と大幅に違う。どこが違うか、と言うとコマンド選択法がボタンII+十字キー、と言うカタチになっていて、SFCやメガドラ版みたいに十字キーでマウスっぽくコマンドを選択するようにはなっていない。
まぁ好みかなぁ・・・・・・。いずれにせよ、PCエンジン版は同じSUNSOFT発売にせよ、ちと毛色が違うプレイヤビリティとなる。

さて、恐らく一番美味しかったのは、日本未発売の海外ファミコン版レミングスだったのではなかろうか。これは海外のスーファミ版やメガドラ版とほぼ同時に発売していて、累積販売台数から言うとファミコン(NES)が一番売れていた以上、無視できないプラットフォーム向けのゲームになっている。

 

移植担当はまたもやSUNSOFTではなく、Ocean Softwareと言うイギリスのメーカー(※2)で、プレイヤビリティはやはりSFC版やメガドラ版より、PCE版に近い。つまりBボタンを押しつつカーソルを移動するとコマンド選択出来る、と言うインターフェースになっている。

とまぁ、日本のスーファミじゃ「そこそこのヒット」と言う印象だけど、全世界のマーケットで考えると、むしろ、SUNSOFTの方がライセンス料払ったにせよ、原作のPsygnosisより儲けたんじゃないか、と言う(笑)、そういうゲームがこのレミングスなんだと思う。

※1: 恐らく据え置き型ゲーム機、と言うジャンルでSUNSOFTが移植・販売権を当時手にしたと思われるが(多分、任天堂 vs. セガのテトリス騒動を見てて、資金力のあるサン電子は纏めて権利を取ったと思う)、一方携帯用ゲーム機に関しては権利は取らなかったと思われる。
結果、PC版を発売したイマジニアから、ゲームボーイ用「レミングス」は発売される運びとなる。

  

なお、これも移植担当は後述するOcean Softwareで、海外版では販売も行っている。

※2: 日本じゃほぼ無名と言って良いメーカーだが、Commodore AmigaやATARI STのサードパーティとして活躍してた。
また、アーケードゲームのホビーパソコンへの移植でも当時知名度は高かった。言っちゃえば、「イギリスの電波新聞社」ってノリだ(笑)。
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