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Retro-gaming and so on

フラッシュバック

フラッシュバックは1992年製のまたもやCommodore Amiga用のゲームだった。当時のAmiga系雑誌でガンガン広告が打たれてたモンだ。



このゲームは次の3つの特徴がある。
1つ目。このゲームはある種プリンス・オブ・ペルシャの影響下にある。
と言うのも、このゲームも原始的なモーションキャプチャーをそのアクションの礎としてるのだ。
日本のゲームは良かれ悪しかれ「アニメ」の方向へ進んでいて、マリオを始めアニメーションとしてカリカチュアライズするテクニックを駆使する。
反面、欧米の方向性はとにかく「リアリティが欲しい」と言うモノだ。
そこで「動き」の基本を、実際に人間が演じたモノを取り込む「モーションキャプチャー」で作り上げたゲームがプリンス・オブ・ペルシャだったのだが、これは欧米のゲーマー及びゲーム制作者に衝撃を与える。
フラッシュバックには前作、Another World/Out of This World/アウターワールドがあるが(もっともストーリーは全く関係がない・※1)、プリンス・オブ・ペルシャに影響を受けたエンジンをまた流用してこのフラッシュバックを作り上げている。
2つ目。そのエンジンだが、モーションキャプチャーした後の「キャラ造形」にも原始的なポリゴンを用いている。
1990年代前半、まだプレステは出てないのだが、この時期、ポリゴンが注目を集めてたのね。まだ、「テクスチャマッピング」ってのがこなれた技術として民生機に降りてきてなかった頃だ。
ゲームは2Dが中心で行くのか、あるいは3D化していくのか、この頃はまだサッパリ分からなかったんだけど(※2)、取り敢えず「ポリゴン」と言う技術は注目されてて、このゲームの場合、そのポリゴンをモーションキャプチャーで得たデータからアニメーションを作るのに使っている。言わば2Dポリゴン技術だな。
モーションキャプチャーと2Dポリゴン、ってのがこのゲームの不可思議な動きと雰囲気を作り上げている。
3つ目。このゲームは実はフランス製のゲームである事。
ビデオゲーム界は現実と違い、東欧より向こうがどうなってるか、よりイギリスより向こうがどうなってんだかサッパリ分からなかったんだよ。
今だと、例えば世界最大のゲームパブリッシャーの1つであるUbisoftはフランスの会社だ、ってのが常識化してんだけど、1990年代初頭、マジでフランスでビデオゲームが「作られてる」とか「プレイされている」とか全く分かんなかったんだよ(笑)。フランスより向こうは現実の東欧より遠かったんだ。
で、アウターワールドとこのゲームはもっとも最初にイギリスよりコッチに紹介されたフランス製のゲームのウチの一本だと思う。そしてもっとも最初のヒット作だ。
正直言うと、この当時ってまだ感覚的には

「フランスと言う(電子遊戯的には)ド田舎出身のゲームなのに良くやった」

ってな印象だったんだが、まさかこの後、世界最大のゲームパブリッシャーの1つがフランスで育つなんて夢にも思わなかったんだ。うん。
いずれにせよ、この頃は、イギリスがフランスのメーカーに声を掛けて「ドーバー海峡をやっとこさ超えた」後に大西洋を超えてアメリカに入り、そこでそこそこ評判を取れれば太平洋を超えて日本に入ってくる、と(笑)。ヨーロッパ大陸のゲームが日本にやってくるには壮大な旅が必要だったんだよ(笑)。



とまぁそれがフラッシュバックの前フリなんだが。
さて我らがサンソフト。「上海」「レミングス」と来て、海外製ゲームの紹介屋としてはそこそこ順風満帆だったのだが。
ところがこのフラッシュバック。マジモンで今言うトコの「洋ゲー」である。要するに難しいゲームなんだ。
取り敢えず今はそれは置いておくが。
日本で最初に発売されたのはスーパーファミコン版だが、約一週間後にリリースされたメガドライブ版の方がデキがいい。
と言うのもスーファミのCPUはメガドラより圧倒的に遅く、結果、原作がリリースされたCommodore Amigaに近いスペックを持ってるメガドラの方が移植には何かと有利だったのは事実なんだ。



なんか「ヌメヌメ動く」カンジで面白いだろ(笑)?
そしてゲームの難易度から言うと明らかにメガドライバー向けだ。
ここに来て、SUNSOFTは明らかにケムコ的なゲームをSFCに持ってきちまったんだな(笑)。
ただし、ジャリ相手には洋ゲーであり、クソゲーかもしれないが、全世界的には人気があったゲームで、繰り返すとメガドライバーには向いてるゲームの可能性が高いんだ。

なお、攻略方法はYouTubeで紹介されてたりする。

フラッシュバック攻略

こう、銃撃だけじゃなくって行ったり来たり行ったり来たりしつつアイテムを拾ってそれを使って・・・と言う辺り、言わばアクションアドベンチャーになってて、だからこそ、そこが難しい、と言うカンジのゲームだ。

フラッシュバックは現在Steamでも公開されている。

※1: 前作アウターワールドビクター音楽産業の手でスーパーファミコンに移植されている。

※2: この時代の任天堂のアプローチがスーパーFXチップとその成果物、スターフォックスだった。
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