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Retro-gaming and so on

上海III

元祖クソゲー「いっき」のSUNSOFT復活、19日新ゲームタイトル発表

なんかgoo blogを見回ってると、

SUNSOFTはクソゲーメーカーではない!失礼な!

と憤ってる人をチラホラ見かけるが、元々のニュースソースの記事の意図は

クソゲー呼ばわりされた第一号ソフト「いっき」を制作したSUNSOFTが復活した

であって、SUNSOFTをクソゲーメーカー呼ばわりしてるわけではない。大事な事なんで2回繰り返す。要するに別にSUNSOFTはクソゲーメーカーではないのだ。歴史的にもそんな事実はない。
単に「映えあるクソゲー呼ばわりされた第一号ソフトを作ったメーカー」なだけ、だ。

 

そもそも、SUNSOFTはクソゲー率はどっちかっつーと低かったメーカーなんじゃないか。クソゲーばっかリリースするからクソゲーメーカーと呼ばれるのだが、そもそもクソゲーばっかリめげずにリースするのはフツーは難しい。そういうメーカーはどっか構造的に問題があるんだ。「なにがなんでも納期を守れ」としか言わない日本テレネットとか。クソゲーを出し続けるのはむしろだから難しいんだよ。
そしてSUNSOFTに比べればセガの方がクソゲーメーカーだ。アフターバーナーがある?いや、ファミコン版アフターバーナーを出したのはSUNSOFTだ。

 

ファミコン版アフターバーナーがクソゲーだとすればそれはSUNSOFTの移植技術が悪いのか、それとも「体感ゲーム」の「体感用筐体」が無ければさして面白くないゲームになってるセガのゲームデザインが悪いのか、ビミョーなトコだ(※1)。
あと、いつぞや書いたが、IPを全然大事にせんセガがせっかく自社に転がり込んできたIPを他社に好き勝手させた「コットン」のメガドライブ版「パノラマコットン」をわざわざセガのプラットフォームに持ってきてくれた苦労人もSUNSOFTだ。

 



SUNSOFTは業務用もやってた関係上、セガとも業務用の繋がりもあったんだろう(※2)。そういう理由なのか、セガのプラットフォームとも割に仲良くやっている(※3)。

と言うわけで元に戻ろう。
繰り返すが「SUNSOFTは初のクソゲー呼ばわりされたゲームを出した会社」であって、「SUNSOFTがクソゲーメーカー」とは誰も言ってないのだ。まあ、最近の「アオリ」は本文と違う意図になっても、とにかくスキャンダラスな書き方するのが主流になってんで、それはそれでどーかな、たぁ思ってるわけだけどね。
どっちにせよ、SUNSOFTは日本テレネットとは違うのだ。

あと、クソゲーメーカー呼ばわりされる比率が高いのは、洋ゲー移植を得意にするトコ、って印象がある。例えばケムコとかな。
ケムコなんかもファミコン時代からゲームやってる人にはクソゲーメーカー呼ばわりされるんだけど、実際はケムコは自社でのゲーム開発でクソゲーメーカー呼ばわりされた、と言うよか欧米の、尖ったゲームをいち早くファミコン用に移植しちまったせいで不名誉なクソゲーメーカー呼ばわりされた、って方が事実に近い。
単に洋ゲーはファミコンキッズには難しいモノが多かったのだ。それだけだ。ケムコはむしろ洋ゲーの難易度を下げて移植したにも関わらず「クソゲーメーカー」と言われてしまったのだ。欧米の人気ゲームを仕入れてきたのに。日本の「ジャリな」マーケットに合わなかったのだ。

実はSUNSOFTも似たようなトコがある。数は少ないが洋ゲー移植も得意としてるのだ。
ただし、ケムコに比べると手堅い。ホント洋ゲーの大ヒット作、っつーのを上手く選んできて家庭用ゲーム機に移植、そして失敗もあるが上手く成功してるヤツもある。
ここではそのテの洋ゲー移植成功作の代表例「上海III」を取り上げよう。


実は上海そのものはSUNSOFTが見つけて日本に持ってきたわけではない。PC-9801のような国産PCに最初に持ち込んできたのはご存知システムソフトだ。



そして同年、アルファ・システムの手によってPCエンジンで初の家庭用ゲーム機用ゲームとしてデビューする(発売元はハドソン)。




そして「その後」やっとSUNSOFTが動いてファミコン版がリリースされる。

 

んで、上の写真を見れば分かるが、正直言うとスペックのせいで、ファミコン版「上海」は、PC版やPCE版と全く同じゲームにも関わらず「汚い」(※4)。
まぁ、覚えてる人も多いだろうが、ファミコンのフツーの「麻雀ゲーム」での牌の描画もこの程度であり、結果、この時点でのファミコンのスペックの低さを晒してるようなモノである。決してSUNSOFTのせいではないのだ。
しかし、SUNSOFTはこの後、上で書いた「コットン」のサクセスと組み、パソコンゲームとして生まれた「上海」をアーケードゲームとして作り直してリリースしはじめる。
そしてその流れでIIIまでリリースし、そしてスーパーファミコンのゲームとしてリリースするわけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オリジナルのパソコン版上海は一面しか無かったが、上海IIIまで改作されると、十二支を模した全12面構成になってて、全部クリアすると「完」と表示される。


まぁ、元々アーケード仕様なんでね。こうなってるわけだ。

さて、あまりにも有名なこのゲームなんだけど。ルール知らない人はいる?
単純に上からか横からじゃないと牌を指定できない。
そして牌のペアを指定してどんどん消していくだけ、のゲームだ。
単純なゲームって言えば単純だろ?地味ゲーの代表格とも言えるんじゃないか。
好きな人は好きだけどな。
ただし個人的にはクソゲーだと思ってる。理由?必ずし全部の牌がキチンと消える配置ばっかだとは限らないからだ。
実はこのテのソリティア系にはあり得るんだけど、解けない配置ってのがあるんだよ。つまり、必ず解けると言うのは保証の限りではない。よって解けるか解けないか分からない、と言うものはクソゲーである。そしてクソゲーに時間掛けるわけにはイカんのだ。

結局これはゲーム制作者側を信頼出来るか否か、と言う話になり、僕は信用出来ないのね。必ず解けるとしたらまずその必ず解ける、と言う根拠になる牌配置アルゴリズムを知らしめねばならない筈なんだけど、それに付いては一切口に出していない。だから信じられないんだ。
だから上海はクソゲーだと思ってる。ただしそれはSUNSOFTのせいじゃなくってオリジナルを作ったアクティヴィジョンのせいだ。
SUNSOFTは何も悪くない。

ただし、このゲームはクローンが多い。
LinuxなんかでもGNOME上海なんつークローンが有名で、しかも「麻雀」で検索すると「上海」しか出てこない、と言う狂いっぷりだ。上海と麻雀は全然違うゲームなんだが、毛唐はその区別が出来ないらしい。バカ者共めが。



いずれにせよ、フリーで遊べるクローンがこれだけポピュラーになると、わざわざ金払ってまでオリジナルを遊ぼう、って気にはなんねぇだろ。
と、そういう話である。

※1: そもそも開発スタッフの述懐では、アフターバーナーの開発で一番難しいトコはアフターバーナーのゲームそのものではなく、筐体と操縦桿、そして画面をシンクロして動かすトコだったみたいで、そこが「商品としての本懐」だったわけだ。
言っちゃえば皆が思ってる「迫りくる敵を撃ち落とす」ゲームとしての部分はセガのアフターバーナー開発陣にとっては「どーでも良かった」部分なのである。

※2: コットンの開発会社、サクセスは実はそこそこ老舗ではあるが、とは言っても業務用ビデオゲームは本業ではなく、当然販路もなかった(そういう意味では初期コナミに似てる)。そこでセガに委託するわけだが。
しかし、この時点で「メガドラを始めとする自社プラットフォームに抱え込む」と言う判断が出来ない辺りがセガのダメなトコなんだ。そうしたら「コットンが遊べるのはセガのハードだけ!」と言う宣伝が可能だったろう。だからこの時点でセガはプラットフォームビジネスで如何にIPが重要なのか全く分かってなかった、と言う事だ。
なお、以前ツイッターで同種の事をつぶやいたら「コットンなんて・・・」と吐き捨てるようなレスを返して来たセガマニアがいて、ユーザーがこういう態度だからセガはダメになるんだな、と呆れた事がある。セガユーザーもIPの重要性が丸っきり分かってないわけだ。
バカだからセガのユーザーになるのか、あるいはセガに洗脳されたからこうなるのか、は知らんが、ハッキリ言っておくと「任天堂なら押さえに走るだろう」。
そもそも「カセットを出せばいいだけ」なのに、待ったを掛け、「もっと良いゲームになる筈だ」と発売を遅らせて魔改造し、任天堂が完全にIPも全て押さえて販売して大ヒットしたゲームで「星のカービィ」と言う性交成功例がある。
セガがコットンを見た時にそのキャラ性と再利用可能性、アイコンとして使える、と言う全てを予測出来てれば任天堂のように動けてただろうが、それが出来ないから、結果任天堂に負けるんだ、と言う話だ。

※3: セガの「ファンタジーゾーン」「ファンタジーゾーン2」のファミコンへの移植もサンソフトが行っている。こういう風にセガのIPは他社のプラットフォームへダダ漏れだったのだ。

 

※4: この翌年、欧米版セガ・マスターシステムでは同じく上海、がリリースされる。

 

描画性能はPCエンジンに劣るがファミコンより遥かに上回るマスターシステム(と言うか同時発色数は単純にはメガドラと同程度だ)のお陰で、かなりキレイな移植になっている。
ただし、例によってユーザー軽視のセガ。欧米のユーザには媚びるが日本のユーザの為に上海をリリースしよう、とは全く思わなかったらしい。
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