こんなシーンから物語がスタートするが(笑)。
原作はまたもや「小説家になろう」掲載作。なお、原作小説(なろう版)は完結している。
ちなみに、僕は、異世界ファンタジーは読むんだけど、一方、基本的には「ゲームの中に転生/入り込む」話は好きじゃないんだ。
今まで、面白い、って思ったのは「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」と「魔王様、リトライ!」の2つしかない。
つまり、「骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中」は晴れて「3番目に」やっと面白い、と思った「ゲームの世界に入り込む」話となる。
この三作品に共通してるのは、どれも主人公は「最初から最強だ」と言う事だ。異世界転生モノみたいに「最初は異世界で苦労する」って事はない。
それがゲームの中に入り込む話のフォーマットかどうかは知らんがな。
そして三作品とも、割に主人公が「立ってる」んだ。
いわゆるラノベ系主人公ではない(「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」が一番テンプレ主人公に近いが、彼の場合は「魔王らしく」行動しようと頑張ってる)。結果、主人公は誰も「オタクの代弁者」ではないのだ。
ぶっちゃけ、ネトゲやってるからオタク、ってのは短絡的で、「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」は省くが、「魔王様、リトライ!」でも「骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中」でも主人公にオタク臭は全くしない。
特に「骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中」の主人公である骸骨は(笑)、ネットゲームも嗜む割に極めてフツーの人、ってカンジだ。
そう、このアニメの魅力の第一は、主人公が骸骨である、って事とは別に、主人公のキャラが「呑気なイイやつ」としか形容出来ないトコにあるんだ(笑)。そこが非常にいい。彼はヘンなコンプレックスを持ってない。単に「呑気な」「優しい男」だ、と言う辺りが逆に新鮮なんだ。フツーの小説とか漫画なら「まさしくモブキャラ」なんだわ(笑)。
そしてその「優しさ」は「義を見てせざるは勇無きなり」と言うような彼の行動原理へと繋がっていく。非常に単純な、昔の時代劇の主人公のような行動を選んでいくんだよな(笑)。だから彼は「悩まない」。
言い換えると、このアニメ、っつーか「物語」は、実は回帰的な、昔よくあった「勧善懲悪の時代劇」のスタイルに戻ってるんだ。そしてそれが今の時代だから、逆に物凄く新鮮に映る。
っつーわけで、「複雑化したり」「やたら自己を見つめたり」するアニメ(これはこれでワンパターンだ)に疲れた貴方にはオススメのアニメだ。
エルフのヒロイン、アリアン。ひょんな事から、ストーリー構成上、主人公(アーク)の旅のバディとなる。
アニメの物語後半から出てくる、もう1人のヒロイン、獣人族の忍者、チヨメ。
なお、ヒロインが2人もいても、このアニメ、全く恋愛がどーの、と言う展開にはならない。何故なら主人公が骸骨なんでチンコがないのだ(笑)。
従って、何が起ころうが、主人公のアークは悶々ともしない。しかもそれを気にしないし気に病まない(笑)。従ってお約束の展開もない。
彼は徹底的に気質が呑気なんであって、その辺がまたこのアニメ/物語の良いトコロだと思う。
チンコがない主人公・・・従ってアークはある意味悟りの境地であり、煩悩と縁がないのだ。
そして煩悩がない最強の主人公、ってのは、要するに物語の構造上は神に価する。極論、この話は神話であり、神が世直しに力を貸す物語なんだ。