さて、新生うる星やつら第二回。
今回は割に安心して観れた。
と言うのも、どうしてもあたるとラムが出ずっぱりだとモノマネアニメの印象になる。
軽くホラーだ。
一方、今回は準レギュラーの巫女、錯乱防の姪御であるサクラが出てきて、これが旧作のサクラと全然似てない。従ってやっと安心できたんだ。初めて新生うる星やつらを観た、ってカンジになった。
旧作でサクラを演じてたのは、顔を知ってる人は多いだろう、鷲尾真知子だ。
なんか、テレビの二時間サスペンスとかで良くブッキングされてる印象があるんだが(笑)。
ぶっちゃけ、失礼を覚悟で言うと、メジャーな女優さん、ではない。しかし、「あ、見た事ある!」って人は多いだろう。
そう、この人、本業が女優であって、実は声優ではないんだ。
しかし、話に拠ると、旧作初期の監督、押井守が気に入ってた女優さんらしくって、伝説の名作アニメ映画、「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」では実質的にサクラとして主役を張っている。女優でアニメ映画の主役を勤めた初めての快挙だったんじゃなかろうか(※1)。
しかし、それだけ実力派な彼女だが、ぶっちゃけると、旧作「うる星やつら」でサクラとして出てきた時、僕個人はメチャクチャ違和感を覚えたんだ。
「え?この声がサクラ?」
と。ラム以上の衝撃で違和感だった。
っつーのも、すぐ
「プリンプリン物語じゃん!」
ってのけぞってたから、だ(笑)。
いや、今の若い人は知らんだろうけど、80年代初期辺りまで、NHKで6:30前後に子供向け人形劇がやってたんだよ。プリンプリン物語っつーのは「ある国のお姫様プリンプリンの話」っつー、そのままのタイトルだったんだが。
別に鷲尾真知子がそのプリンプリンを演じてたわけじゃないんだけど、登場人物の中にワット博士っちゅう女博士が登場するんだわ。
ワット博士(右)
今で言うとリケジョの役だ。
ところでだぜ。このプリンプリン物語、このワット博士ってのが際立ってたんだよな(笑)。目立ちまくる、って意味では鷲尾真知子の圧勝で(笑)。他に声当てた人が誰が誰だか分からんし覚えてないんだけど、ワット博士だけは異様に残るんだわ。
いや、そんなあまりにも特徴的な人をサクラにアテればダメだろ、とか当時はマジで引きつけを起こしていた(笑)。
正直言うと、声優としては鷲尾真知子は大して上手ではなかった、と思う。しかしとにかく声質が特徴的だったんだ。一度聴いたら忘れない程だ。
そして、新生うる星、サクラがもし鷲尾真知子のモノマネに徹されていたら、もうこのアニメはダメだ、って言うほどだと思う。
鷲尾真知子こそオンリーワンなんだよ。何人もこれは真似しちゃいけないし、出来ないだろう、と。
ところが、冒頭で書いた通り、今回のサクラは新生サクラ、だ。押井守と鷲尾真知子が作り上げたサクラ像に則ってない。ホンマ良かった。やっと安心して観れた回だったんだ。
多分、80年代の美少女ブームと違って、90年代以降から熟女ブームだ何だあって、「キレイな大人の女性」とか「年上のお姉さん」キャラが普遍化し、演じる側も観る側も色々な準備が整ってきたんだろう(言い換えると、少年誌でサクラみたいなキャラは80年代当時は珍しい方だった)。
良い事だ。やっとここで80年代の呪縛が断ち切られた、って言って良い(※2)。
※1: 1970年以前だとアニメ業界では、俳優/女優と声優業ってのはまだ未分化で、正確に言うと「独立した声優と言う職業が確立してなかった」為、そういうケースはあったかもしれない。
ただし、1980年前後からのアニメブームで、「女優でかつアニメ映画で主演を勤めた」と言うのは、恐らくうる星2の鷲尾真知子が初めてのケースだったんじゃなかろうか。
観てみれば分かるが、この映画では、主役の諸星あたるもヒロインのラムも脇役に甘んじてる(あたるは最後半では主役に「なる」が、ストーリーの中心人物はまずサクラだ)。ぶっちゃけ、この映画の「声」の見どころは、女優鷲尾真知子と、当時既に大御所だった、俳優藤岡琢也の掛け合いのシーンだ。
(ちなみに、旧うる星をリアルタイムに観てた人にとっては、藤岡琢也の印象は「サッポロ一番 みそラーメン」のおじさんだ・笑)
サッポロ一番 みそラーメン ＣＭ 1985 藤岡琢也
※2: 今回サクラを演じる人は沢城みゆきと言う人らしい。人によっては、「四代目峰不二子」って言った方が通りがいいかも(峰不二子は、不評だった小山茉美を加えると四人目だ)。
よって、逆に「セクシーな大人の女性だ」と言うなら確かにハマり役だろう。
個人的には「月刊少女野崎くん」のスレたキャラ、瀬尾結月の印象が強い。
