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Retro-gaming and so on

プロフェシー/恐怖の予言

個人的には凄くサメが好きで、サメ映画が割に好きである。
が、一時期、三毛別羆事件にハマっていて、ヒグマと言う生物の恐ろしさを調べ回っていた事がある。
「森のクマさん」なんて歌って喜んでるバヤイじゃないのだ。

サメは映画「Jaws」の影響もあり、無機質なマシーン染みた冷たさがカッコイイとこではあるのだが、熊の場合、「森のくまさん」をはじめとするファンシーな雰囲気で、普段接触するような動物じゃない以上、あまりその恐ろしさにピンと来ない。
しかしながら、少なくとも、この日本の国土上で遭遇するには、十二分に恐怖を掻き立てられる生態を持った生物なのだ。
三毛別羆事件を見てみると、マジでシャレになんない生き物なのだ。

しかしぶっちゃけて言うと、あまり熊を扱ったホラー映画は数が多くはないと思う。知らんだけかもしれんが。
そんな中で、随分昔にテレビで観た、「突然変異した熊のバケモノと戦う映画」があったなぁ、とか思って調べ回っていたのだが、ハテ、題名は何だったっけ、と探すのに随分と難航してた。
分かった。「プロフェシー」と言う映画がそれだった。
今回はそれを軽く紹介しようと思う。
あらすじは、Wikipediaから引っ張ってこよう。

ワシントンD.C.の救急病院に勤める医師ロブはある日、政府役人の友人からある事を依頼される。それは、メイン州の山奥で、製紙工場と地元インディアンとの間で起こっている森林の権利をめぐるいざこざを解決するための調査だった。ロブは畑違いの仕事に戸惑いながらも妻のマギーと共に現地へ向かった。
そこで2人は製紙工場と地元インディアンの対立が深刻化している様を目にする。さらに現地の生物は次々と異常をきたしていた。川や湖の魚・オタマジャクシは巨大化し、アライグマは凶暴化して人間を襲うようになっていた。異変は野生動物だけにとどまらず、インディアンの村では病気や機能障害を訴える村人が多く、死産や奇型児の出産が増えていた。
インディアンのリーダー、ホークスと会ったロブは、彼からそれらの原因が製紙工場から垂れ流されているメチル水銀にあるのだということを聞かされる。ロブとマギーはインディアンの長老ムライに会う。彼は2人に伝説の怪物“カターディン”が長い眠りから目覚めたという不吉な予言を告げる。
製紙工場の責任者であるイズリーは工場からの汚染物質流出を否定したが、さらに調査を進めたロブとマギーは、ホークスの言葉通り、それらの原因が製紙工場から垂れ流されているメチル水銀にあるという確信を持つ。しかしその矢先、ムライが語った怪物“カターディン”がキャンプに来ていた一家を襲い皆殺しにしてしまう。イズリーはインディアンの仕業と決めつけ、ホークスを逮捕しようとするが、ホークスは森へと逃走した。ホークスを探して森へ向かったロブ達は、密猟者が仕掛けた網にかかった2匹の異様な生物を発見する。1匹は死んでいたがもう1匹はまだ生きており、汚染の証拠としてその生物を捕獲するが、嵐が来たためにひとまずムライの家へと避難する。通報で保安官たちとともに駆け付けたイズリーは汚染の確かな証拠であるその生物を目にして言葉を失う。
そして“カターディン”はロブたちの前についにその姿を現した。それはメチル水銀の影響で醜く奇形した巨大なクマだった。異様な生物はそのクマの子供だったのだ。子供を奪われ怒り狂う“カターディン”に多くの人間が殺される。ロブたちは脱出を試みるが、“カターディン”の執拗な追跡により犠牲者はさらに増えていく。“カターディン”に車を破壊され脱出は失敗、湖に逃げ込むが、その最中“カターディン”の子供までもが牙をむく。“カターディン”の子供を湖に沈め、泳ぐことができない“カターディン”も溺死したかと思われたが、執念深い“カターディン”は湖の底を歩いてなおも追ってきた。一行は追い詰められるが、壮絶な死闘の末、ロブはついに“カターディン”を倒した。
小型飛行機で惨劇の地を後にするロブとマギー。しかし、汚染が残る森林には新たな怪物の咆哮が響きわたるのだった。 

これも、平たく言うと映画「ジョーズ」のヒットに続け、とばかり制作された映画ではある。
しかしながら、フォーマットがハリウッド映画にしては割に珍しいフォーマットだ。
と言うのも「環境破壊」と言う、割にエコロジカルなテーマを持ってきてる辺りがそれなのだ。

アメリカ人は、基本的に文明批評を好まない国民である。と言うのもアメリカ人にとって「文明」は割にかの国のアイデンティティであり、そこを刺激すると彼らのアイデンティティが大きく揺らぐんだな。
したがって、自国批判とか、それに連なりそうなモノを彼らは好まない。日本人の「自虐史観」は行き過ぎだけど、一方、アメリカ人には基本「自省」と言う概念はからっきしない。だから立ち止まって自らの行いを振り返る、なんつー事は基本やらないし、そういうドラマや映画や小説は好まないのだ(※1)。
加えると、想像しづらいかもしれないが、アメリカの国土はメチャクチャ自然が豊かでデカい。映画で切り取られてる「街並み」なんつーのはその、ホンの極々一部にしか過ぎない。そんなデカくて豊かな自然が背景にある以上、多少の環境破壊、なんつーのはそもそも問題にならない。日本みたいに環境問題に神経質にならなきゃいけない、と言うような矮小な国土ではないんだ。これがアメリカ人を余計その辺に対して無頓着にさせる土壌を形作っている。
そういう国民性なのに、この映画は、アメリカ人にとってはかなりヤバい範疇に切り込んでるたぁ言えるだろう。

さて、と言うわけで熊のバケモノのギャラリーを観よう。













まぁ、今観てみると、やたらヌメヌメした不格好な着ぐるみにしか見えないけどな(笑)。
これ、やっぱアレだわ。サメって単純な造形なんで、(当時の)映画映えしたんだろうが、クマってやっぱ造形がムズかったんだろうな。今ならCGでもっと「クマっぽく」出来るんだろうが、当時の技術じゃアレだったし、その印象もあって、実際の生物的な恐ろしさはさておき、フォロワーをあまり産まなかったんだろう。

とは言え、長い間探し続けた映画が何だか分かったんで、個人的には満足した、と言うお話である。

※1: 唯一の例外、と言って良いのがベトナム戦争ネタ、なんだけど、これも「従軍したアメリカ人一般兵士があたかも被害者」になってるかの如きに語られてるのに、正直違和感を感じてる。そしてこのテの映画にはまず「アメリカ合衆国」という「実体」は出てこない。
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