なんかスパムみたいなブログがあるなぁ。
韓国批判はイイんだけど、全然カンケーねぇタグ貼っ付けて拡散しようとするのは何とかならんものか。
だからブログにSNS系のタグはダメなんだよ。
ホント、とことんダメなブログだ。 > goo blog
さて、今回はレトロRPG史上、最高のゲームを紹介する。
っつーより、恐らく、現時点でも最高のCRPGなんじゃないか、と思ってる。
それがこの、SSI(Strategic Simulations, inc)製作のAD&D プール・オブ・レイディアンス(1988年)だ。
「光芒の池」って意味だな。
このビデオゲームは、Advanced Dungeons & Dragonsと言うテーブルトップRPGの第1版を基に製作されている。そして(当時のAD&Dの版元である)TSR社の初の公式ライセンシーなCRPGだ。
SSI社はここで作ったシステムを元にAD&DのCRPGを・・・え〜っと、10作品程リリースしてる。
このシステムはパッケージのカラーリングに因んで、通称Gold Box エンジン、と呼ばれている。
そして、SSIのこのシリーズはGold Boxシリーズと呼ばれている。
さて、今はDungeons & Dragonsの版は第5版になっている。つまり、その初版にあたるこのゲームは随分と古い、と言えば古いゲームである。
しかも、結構ややこしい。素人が買ってきてパッと遊べるようなシステムになっていない。
ちょっと、TRPGを遊んだ事が1回しかない僕が解説してみよう。
D&Dで要り様なのは、大まかに言うと、キャラのステータスを記述するキャラクターシート、色んなサイコロ、鉛筆、消しゴム、そして最低でもプレイヤーズ・ハンドブックと名付けられたルールブックの一つである(ただし、ゲーム進行役のダンジョンマスターはその限りではない)。
でも実はそれだけでは終わらないのだ。
上で書いたのは最低限の必要なモノ、なのだが、D&Dは「ルール」とシナリオが進行する上での「世界観」が分離している。その「世界観」がまた別売りされてるんだよな(笑)。イイ商売してるよ(笑)。
この「世界観」を「キャンペーンセッティング」と呼ぶ。
D&Dで扱われるキャンペーンセッティングには次のようなモノがある。
- バースライト
- ブラックムーア
- カウンシル・オブ・ワームス
- ダークサン
- ドラゴンフィスト
- ドラゴンランス
- エベロン
- エグザンドリア
- フォーゴトン・レルム
- ゴーストウォーク
- グレイホーク
- ジャカンドア
- カラマール王国
- ランクマール
- マジック・ザ・ギャザリング
- マハーサルパ
- ミスタラ
- ネンティルベール
- ペリノア
- プレインスケープ
- レイヴンロフト
- ロクガン
- スペルジャマー
- ウォークラフト
- ハイファンタジーの荒野
シャレにならんほど発売されてるのだ(かなりのモノが日本未発売だが)。
パッと眺めて、ラノベのファンタジーが好きな人とか、「ドラゴンランス」と言うような名前に聞き覚えがあるだろう。
他にも、かつてカプコンから販売されてたアーケードのベルトスクロール・アクションゲームのD&Dで「ミスタラ」って名称に聞き覚えがある人がいるかもしれない。
そう、それは実は「キャンペーンセッティング」、つまりD&Dの「世界観」を表しているのだ。
しかも、この「キャンペーンセッティング」はローカルルール付きで、つまり、大元のルールブックからの変更点がチマチマあるんだよな。だから結果、プレイヤーはこれらを買わなければならないと言う(笑)。ホンマ、いい商売だよ(笑)。
さて、プール・オブ・レイディアンス。キャンペーンセッティングには、当時最新の「世界観」だったフォーゴトン・レルム、を採用している。これは今でも恐らくダントツで人気があるセッティングだと思う。多分。言わばD&Dの世界観ではデファクト・スタンダードだな。
取り敢えず、ウンチクはこの程度にして、まずはゲームを起動してみよう。
ゲームはTRPGらしく、キャラメイキングから始まる。F1キーを叩いて新しいキャラクターを作成してみよう。
プール・オブ・レイディアンスで選べる種族は6種族。
各種族にはそれぞれ特徴があるんだけど、「強いキャラクタを育てたい」のなら人間一択、ってのがポイント。
と言うのもAD&D第1版には「レベルキャップ」と言われるレベルが頭打ちになる制限があって、人間以外の種族にはレベルキャップと言う縛りがあるのだ。
もちろんこのゲーム自体にレベル上限があるんだけど、続編にキャラを転送する場合、このレベルキャップにより異種族はそれ以上の成長が見込めないのだ。
AD&D第1版では「人間優位」。それが原則になる。
ただし、じゃあ、異種族の利点と言うのは何なのか、って話になるんだけど、異種族は「マルチクラス」と言う兼任職業が可能で、人間はそれが出来ない、と言う辺りが違う(続編以降は人間は「デュアル・クラス」と言う方式で職業を兼任出来るが、このゲームだけは出来ない)。
Wizardryでお馴染みの種族が多いが、各種族の特徴は以下の通りとなる。
- ドワーフ: Wiz等でお馴染みの、背が低い、頑強な種族。そして、この種族は魔法が一切使えない。戦士の上限はレベル9。ただし、盗賊になった場合はいくらでもレベルが上げられる。また、魔法耐性が大きい。そして暗視が効く。
- エルフ: Wizでお馴染みだが、Wizと違って、「線が細いから弱い」ってワケでもなく、戦士もこなせる。戦士としての上限はレベル7、魔法使いとしてはレベル11、ただし、盗賊になった場合はいくらでもレベルが上げられる。なお、信仰の問題で人間が信じる神は信じない。従って僧侶魔法は一切使えない。
- ノーム: Wiz等でお馴染みで、ドワーフの縁戚な種族である。ドワーフ同様魔法は一切使えない。戦士の上限はレベル6で頭打ち。盗賊だったらいくらでもレベルを上げられる。
- ハーフ・エルフ: 人間とエルフのハーフ。魔法使いとしても戦士としても上限はレベル8である。ただし、エルフと違い僧侶魔法は使う事が可能なので僧侶になれる。
- ハーフリング: 著作権の関係で名称は変更されてるが、いわゆるホビット族。身長は人間の半分くらいである。ドワーフ同様魔法は一切使えないが、魔法抵抗は高い。戦士としての上限はレベル6だが、盗賊としてはいくらでもレベルを上げられる。
- 人間: フォーゴトン・レルムでは主要な種族。どの職業でもレベル上限はない。
Wizardryをやったことがある人なら驚くかもしれない。
実はWizだと「種族の特徴」ってのは初期条件の差、だけであって、「特色」と言えるような性質は持ってなかった。AD&Dを元に作ったプログラム、と言われるけど、実はこの辺の「設定」に於いては相当手抜きなのだ。と言うより、「何とかプログラムをフロッピー一枚に納める」為に相当端折った、って言った方が正しい。
そしてクラス(職業)。プール・オブ・レイディアンスでは選べるクラスは4種類しかない(続編だと2つ増える)。
- 僧侶: 防具は戦士並に装備可能。ただし宗教的制限により刃が付いた武器(剣等)や弓矢は扱えない。その代わり、敵を叩き潰す武器(メイス等)は装備可能である。僧侶はレベル9までHPはレベルアップ毎に1〜8HP+耐久度ボーナス分増える。レベル10以降は2HPづつ増える。アンデッドに対してターン・アンデッド(Wizで言うディスペル)を唱える事が出来る。
- 戦士: 武器も防具もあらゆるモノが装備可能。レベル9までHPはレベルアップ毎に1〜10HP+耐久度ボーナス分増える。レベル10以降は3HPづつ増える。
- 魔法使い: 魔法使いは最強クラスだが、初期は凄く弱い。そして初期は記憶可能なレベル1魔法が4種類しかない。レベルが1上がる度に覚えられる魔法が1つづつ増えていく。なお、冒険中に見つけた魔法のスクロールを記録する事が可能。魔法使いは防具は全く装備不可能で、武器はダガーや杖の類しか装備出来ない。なお、レベル11までHPはレベルアップ毎に1〜4HP + 耐久度ボーナス分増える。レベル12以降は1HPづつ増える。
- 盗賊: 人間以外の異種族が唯一無制限にレベルアップ出来る職業。エルフやハーフリング(ホビット)向けの職業であり、敏捷度が重要になる職業である。防具はレザーベースの防具しか身に着けられないし、武器も制限がある。レベル10までHPはレベルアップ毎に1〜6HP+耐久度ボーナス分増える。それ以降は2HPづつ増える。
Wizをプレイした事がある人なら「え?上級職業って無いの?しょぼっ!」って思うかもしれない。そう。無い。と言うより必要がないのだ。
つまり、先にも説明した通り、異種族は「マルチクラシング」が可能である。侍みたいなキャラが欲しければ戦士+魔法使いのマルチクラスにすれば良いし、ビショップが欲しければ僧侶+魔法使いのマルチクラスにすれば良い。
より正確に言うと、恐らくWizの場合、この「マルチクラシング」も実装が面倒だったから上級職業、と言うカタチを作り出したんじゃないか(もっと正確に言うとPlatoのOublietteがそういう実装を選んで、Wizがそれをクローニングした、って事だろうが)。
また、盗賊はバックスタブと言う能力があり、敵の背後から、成功すれば超強力な一撃を食らわす事が出来る。これもタクティカルコンバットならでは、であり、Wizardryも5で「隠れる」->「奇襲」が可能になったが、あんなショボい攻撃よりも断然強力な攻撃である。
そして盗賊+戦士のマルチクラスなら、それこそWizの忍者な活躍が可能なのだ。
キャラメイクの際はいわゆるステータス値は心配しないで良い。何故ならEye of the Beholderと同様、あとで全ステータスを最大値にする事が可能だからだ。だからリロールするなら、初期資金だけに着目すれば良いだろう。
故にこのゲームも、ファミコン版も出てるが、実はファミコン版よりPC版の方が簡単なのだ。
キャラメイクではポートレートが作れるがこれが酷い(苦笑)。
元々、SSIと言う会社は、ウォーシミュレーションゲームが専門だったせいか、美術的なセンスはイマイチだった。そして、さすがにこのゲームのポートレートが「酷すぎた」せいか(笑)、さすがにアメリカ人にも酷評され、続編からは姿を消している。
うん、こういうポートレートのセンスは日本人的にも許せないよなぁ(笑)。ポニーキャニオンも日本ローカライズする際に「絵を差し替えよう」って思わなかったのだろうか(笑)。だからゲームの面白さに反して売上がイマイチだったんだろう。
その後、TRPGで言うトコのミニチュア(フィギュア)、将棋で言うトコの駒をデザインするわけだが、これもまた酷い。ピンと来るパーツも色もないのだ(笑)。
色も8色しか選べないし、随分とショボい。ぶっちゃけ、「どのキャラがどのキャラだったのか」見分けさえ付けられればいいので、そんなにここで拘ってもしょーがない。っつーか拘るだけのパーツも色もない。だからこの辺は適当に作って流そう。
さて、キャラメイク自体は一応、何人でも作れるが、1パーティに参加出来る人数は6人まで、だ(ファミコン版は5人まで、なんでこれがまたキツい原因)。
しかし、ぶっちゃけ、慣れれば4人でも攻略可能なのがこのゲームである。
取り敢えずキャラ作成が終わったら、F6キーを叩いて、パーティにキャラを参加させよう。
そうしたらF3キーを叩いて、パーティメンバーのステータスを全部最大値にする。HPもこの時点での最大値にしてしまって構わない。なお、数値調整はテンキー(2、4、6、8)を使って行う。
パーティメンバーのステータスを全員最大値にしたら、ここで一旦F8を叩いてゲームを保存する。そしてその後、F9を叩いて、いよいよ冒険の始まり、である。
ゲームが始まり船着き場に着くと、ニヤけた若造がパーティメンバーをフランの街の重要施設を案内してくれる。
さて、背景的には、ここ、フランの街は謎のモンスターの出現により壊滅させられて、現在は一行政区画しかマトモに機能していない。
遠方からフランを訪ねてきたパーティメンバーは、フラン市役所が立てたフラン全市奪還作戦の一員で、フラン市役所から出されるクエストをこなしながらフランの各地区を解放していく、と言うのが役目になり、最終的にはフランを襲った敵の「ボス」を倒さなければならない。
ちなみに、全クエストを制覇する必要はない。それどころか、レベル的に問題が無ければ、ボスを先に倒してその後残ったクエストを処理しても構わないのだ。
非常に自由度が高いゲームである。
まぁ、しかし、グラフィックは酷いね。パースの取り方、とか3年も前の、しかもApple IIでのバーズテイルの方が綺麗なんじゃないか、って思うぐらいだ。
(Apple II版 バーズテイル)
元々プール・オブ・レイディアンスはCommodore 64用だったからだ、ってのは言い訳にならない。何故ならCommodore 64のグラフィックスはApple IIより高性能だったのだ。
要するに、この辺は、全部作成者のSSIのせいであって、繰り返すがグラフィックのレベルがSSIはそんなに高くないのだ。当時のアメリカのメーカーで考えても恐らく最低辺の能力だろう。
ゲームが面白いからこそ勿体無い。ポニーキャニオンは移植時に「この辺なんとかしよう」とか思わなかったのだろうか。不思議である。
さて、いよいよ冒険が始まるわけだが、その前に装備を整えないとならない。
店を探さないとならないが生憎このゲームは3Dである・・・心配ない。実は2Dモードもあるのだ。F1キーで切り替えが可能である。
スラム街に突入する前にまずはこの区画内を散策して武器屋と宿屋を探そう。
武器屋はここにある。
キャラを選択した状態でF1キーを叩くと商品リストが現れる。
ページを切り替えるにはテンキーの3と9を用いる。
なお、基本的にはここで全商品を扱っている。これより「よい」武器や防具を手に入れたい場合、冒険中に拾うしかない。
もう一つ注意事項を。革製防具しか身につけれらない盗賊や、防具を一切身に付けられない魔法使いを除くと、戦士も僧侶も良い防具を身につける事が出来る。ただし、いくら金があってもプレート・メイルは避ける事だ。
このゲームでは実は「重量」と言う概念があって、重いと戦闘時にキャラが移動できる距離が縮小してしまう。この重さとの戦いと言うのがGold Boxシリーズのゲームを攻略する際の一つの鍵となる。そしてプレート・メイルは防御力はあるんだがダントツに重いのである。
従って、ここで買える最強の鎧はバンディット・メイルであり、それを買うのが正解である。
一方、武器は比較的何を買っても良い。
今のサンプルメンバーの初期装備は取り敢えず次のようになっている。
- ドワーフの戦士: バトル・アックス+バンディッド・メイル
- 人間の戦士: ツーハンデッド・ソード+バンディッド・メイル
- 人間の僧侶: フレイル+バンディッド・メイル
- 人間の盗賊: ブロード・ソード+レザー・アーマー
- エルフの戦士/魔法使い: バスタード・ソード+バンディッド・メイル
- 人間の魔法使い: ダーツ×20
取り敢えず盾も弓も矢も要らない。初期装備だとこれで充分だろう。
さて、次は宿屋に寄って宿泊する。冒険に出る前に取り敢えず僧侶と魔法使いに魔法を覚えてもらわないとならないから、だ。
宿屋はここにある。
実はこのゲーム、宿屋に泊まっても体力は回復しない。
じゃあ、何の為に宿屋があるのか、と言うと、この一角で野宿しようとしたら衛兵から注意されるのだ。
そして、回復には魔法が必要で、なおかつ「落ち着いて」休める場所がこの宿屋しかないんだな。
もうちょっとゲームが進めば野宿オッケー、になって余計な出費は無くなる。
取り敢えず、Eye of the Beholderでも解説したが、AD&Dではその後の冒険に必要な魔法を「覚えて」「休憩しないと」使えないのだ。このルーティンを忘れると、いざ戦闘、となった時に「魔法が使えない!」っちゅう事になってしまう。
なお、この段階だと魔法使いは高々一回しか魔法を唱えられない。必要な魔法は「スリープ」である。
通常のCRPGだとスリープってのは貧弱な補助魔法であるが、このゲームでは違う。殆ど「悪魔の魔法」と言って良い。こいつにかかると敵を一撃で屠る事が出来るのだ。逆に言うと、もし敵にスリープをかけられたらそれは死を覚悟しなければならない、と言う意味だ。
僧侶魔法は治癒魔法のキュア・ライト・ウーンズ×2、魔法がかけられた状態を知るディテクト・マジック、があれば良いだろう。どうせ一回戦闘したら街に帰らざるを得ないので、これで良い。
なお、ディテクト・マジックの有用性だが、これは戦闘後に生じる。と言うのも、基本的に戦闘に勝った場合、敵の装備品が全部パーティの戦利品となる。豪快だろ(笑)?ただ、毎回それを全部持って帰って店に売るのは大変なのだよ。
ところがディテクト・マジックがあれば、敵の装備品の中の「魔法がかけられた」極上の品物を発見出来る。それ以外はぶっちゃけ「ゴミ」と言って良い。まぁ、小銭稼ぎには事欠かないが、一方、さっきも書いた「重量制限」があるので、戦利品を全部持ち帰るのは手間なのだ。ゲームが進めば進む程そうなっていく。
また、戦利品の中には金があるが、このゲーム、銅貨、銀貨、金貨、プラチナ貨があって、重さで言うとどんなに金を稼いでもシャレにならん。預けられる銀行のようなモノもないし(宝石には換金可能だが)、基本、やっぱりプラチナ貨以外はゴミなのだ(ただし、宝石は例外)。とにかく重量を避けろ、ってのが戦闘に効いてくるのだ。
さて、魔法を「記憶する」を選んだらF4を叩いて宿屋で休息する。
休息時間で表示されてるのは魔法を覚えるまでの時間である。もちろん日時分単位で調整しても良い。表示されてる時間以上だったら何でも良い、のだ。
取り敢えずF4を叩いて休もう。
魔法を覚えたら市役所の受け付けへ行ってみる。市役所の受け付けはここにある。
受け付けのねーちゃんがまた酷い。控えめに言ってもブスだろう。全くアメ公の美術センスと来たら(笑)。っつーか、SSIのせいだな(苦笑)。
ここでは現在市役所で提示してるクエストを閲覧出来る。また、経験値や報酬もここで貰える。要するにいわゆる「冒険者ギルド」代わりがこのフラン市役所になる。
クエストは「受託」もクソも無いんで、教えてもらえるだけだが、言い換えると、「次に何をしようか」と言うのはここに来てクエストを見れば決める事が出来るわけだ。そしてそのクエストはレベルに合ったものが表示される。
この時点で提示されるクエストは3つ。まぁ、難易度順に表示される、と言って良い。
と言うわけで、いよいよスラムに突入しよう。
スラムへの入り口はゲームの最初の地点(ニヤけた若造による案内が終わった場所)である。ここだ。
スラムを探索する前に、スラムに一歩入ったら休息を選ぼう。適当に・・・個人的には1日休息を取る。そうすると、敵とランダムエンカウントするだろう。
いよいよ戦闘開始、である。
何度も書くが、GoldBoxシリーズはAD&D推奨のタクティカルコンバットである。一般的にはメンド臭い、って思われる方式だし、正直このゲームはUIがあまり洗練されていない。慣れるまでちょっと時間がかかるだろう。
しかも問題は「移動に伴う」キャンセル、行動可能な範囲の表示、魔法の影響範囲表示等、今のRPGで当たり前の機能がない。
よって、最初は慎重に行動した方が良いだろう。
各キャラはF1キーを叩くと移動可能である。そして移動に於いてはテンキーを使った方が良い。このゲーム、斜め移動が可能なのだ。
そして敵が隣接した際、直接攻撃では斜め(1、3、7、9)移動を含む「移動」が「攻撃」を意味する。最初は戸惑うかもしれないが、そのうち慣れるだろう。
また、魔法では「射程距離」と言うのがある。あまり遠いと敵に魔法を食らわせられない。それと、スリープのような「範囲魔法」だと味方を巻き込まないように気を付けるように。このゲーム、味方にも攻撃可能なのだ。
取り敢えず魔法が使えるキャラを移動させてスリープで敵を昏睡させる。敵を昏睡させたら最後、敵は一撃で屠る事が可能だ。
スリープはターゲットを真ん中にして9マス分が効果範囲。戦闘マップがクオータービューっぽいのに範囲が単なる2Dになってる辺りがこのゲームの意地悪なトコロ(笑)。よって大体範囲が敵を全部カバー出来ないのだ。
あと、気をつけるのが「敵の傍をすり抜けてはならない」と言う事。
敵の傍をすり抜ける時、こっちに隙が出来て敵が攻撃してくるのだ。大体これで大きなダメージを受ける。
逆に、敵が自分の隣のマスを通り抜けようとすると、コッチが敵に攻撃する事が出来る。
この辺のAD&Dのルールは良く覚えておいた方が良いと思う。かつ、これがあるからこそ戦闘が割にエキサイティングなのだ。
ちなみに、敵を殲滅させてもコンバット状態は終わらないだろう。敵を殲滅させた後はF7->F1とキーを叩きまくって、やっと最後に戦いを終了させるか否か訊かれる。要するにターン制でパーティの最後のメンバーまで行かないと戦闘が終了しないのだよ。
今から考えるとおかしなプログラムである(笑)。
戦闘終了後、はいよいよお待ちかねの戦利品漁り、である。
まずは(戦利品の中にアイテムがあるのなら)ディテクト・マジックを唱えよう。そうすれば魔法で強化されたアイテムは一発で分かる。こういう戦利品を使うなり、売るなりして金を稼ぐのだ。
金は基本的にはさっきも書いたけど、プラチナ貨(ppと表示される)以外は重くなるだけ、なんで要らない。このゲームではプラチナ貨以外は基本ゴミなのである。
一回戦闘を終えたら行政区画に戻って宿屋で休憩しよう。そして同じ行動を15回くらい繰り返す。
と言うのもこのゲーム、フラン市街中でのランダムエンカウントは、殆どのエリアで上限値が決まっているのだ。スラムは約15回、ってのが目安で、これが終わると二度とランダムエンカウントは生じない(他のエリアだと回数はまた違う)。そこまで持ち込めれば宿屋に泊まらなくても良くなるのだ。
基本的に、このゲーム、1箇所解放する->隣接するセクションへ進む->解放した場所に戻って野宿->隣接地へ進む->以下同文、と言うのが「作業」になる。つまり、解放するセクションが増えれば増える程、野宿がやりやすくなって攻略しやすくなっていく、のだ。
そしてそれをやってるうちにこのゲームの戦闘のUIにも慣れてくるだろう。この段階は本格的に探索を始める前の練習、言わばチュートリアルなのだ。
スラムで休憩を取ってもランダムエンカウントが起きなくなったらいよいよ行動開始である。スラムをくまなく探索しよう。野宿 -> 探索 -> 野宿 -> 探索 -> ...の繰り返しだ。
あとは固定敵ばっか、ってのが基本で、このテの敵はそれなりに「魔法が付いた道具」を持ってるだろう。言わばこれら、が美味しいのだ。
そして中には「お遣いクエスト」もある。こなして経験値とお金を手に入れよう。
いずれにせよ、お遣いをしたり、宝箱等を見つけた方が敵を倒すより貰える経験値が圧倒的に良いのだ。そしてキャラクタが必要な経験値を得たら一旦行政区画に戻って訓練場でレベル上げしても良い。
マルチクラスのキャラでも無ければ2,500以上経験値があればレベル1つ上げる事は可能だろう。盗賊なら2レベル上げられる。
訓練場は行政区画のここにある。
訓練場、って呼び方はWizardryでお馴染みだろう。Wizの訓練場はキャラメイクの場所だったが、このゲームでは様々なユーティリティを扱う場所となっている。レベルアップもその一つだ。
訓練場の内部では他に、試合したり、メンバーを「雇う」事が出来る。
まぁ、パーティをフルメンバー作ったら雇ったりする事はほぼないんだけど、別に遊び方を限定する必要はないんで、「雇いたい」って人は一人だけキャラを作ってあとはここでリクルートすれば良い。
なお、レベルアップする「部屋」はクラス(職業)別になっている(ファミコン版じゃさすがにこれはメンド臭い、ってんで省略されている)。
あと、この訓練場を使う事で、貴重アイテムの「増殖」と言う裏ワザを行う事が出来る。
例えば、キャラが次のようなアイテムを持っていた、としよう。
ここのブレーサー・オブ・ディフェンス、ってのが武器店で売っていない、貴重品である。ブレーサーってのは耳慣れない言葉だが、篭手の一種である。アーチェリー等で使うアームガードだな。ガントレットよりは軽装である。
(ブレーサー)
ACってのはWizでお馴染みだが、アーマークラス、要するに防御力だよな。このブレーサーはキャラに装備すればACが下がるワケだが(AD&DではACが下がれば下がる程防御力が良くなる)、生憎このブレーサーは入手数が少ない。
と言うわけで増殖ワザを使う。
アイテム増殖ワザは以下の順序で行う
- 訓練場へ行く
- パーティから適当なキャラ(貴重品は持ってないキャラ)を離脱(F7)させる
- ゲームをセーブ(F8)する
- ダミーキャラを作る(F1)
- 増殖させたいアイテムをダミーキャラに渡す
- ダミーキャラをパーティから離脱(F7)させる
- 残ったパーティキャラを全員消去(F2)する
- 保存してたゲームをロードする
- そうすると、パーティが貴重品を持ってて、なおかつダミーキャラも貴重品を持ってる状態になる
これを続けると、好きなだけ貴重アイテムを増殖出来るのだ。
実はこれはバグではなく仕様である。つまり、現時点でのパーティの状態の「保存」と、Wizで言うROSTER(パーティメンバー候補/予備軍の保存枠)の「保存」のタイミングが違うから起こり得てる事なのだ。
言い換えると、ROSTERでの「保存」と言うのは、ゲーム進行に全く関係なく、キャラがROSTERに追加された時点で行われる。
だからこういう「ROSTERの保存タイミング」と「ゲーム進行の保存タイミング」をワザと食い違らせて、貴重アイテムの存在数を「2倍」にする裏ワザが可能なわけだ。
貴重アイテムを増殖させたら各キャラに装備させよう。そしてまたスラムに戻って探索を始めるのだ。
このエリアのボス(言わば中ボス)はマップの左下の辺りにいる。上手くレベルが上がればパーティはレベル2〜3辺りになってると思うが、この中ボスはなかなか手ごわい。
他のゲームでの印象は知らんが、オーガはともかくとして、トロールはアンデッドより質が悪いと言って良い。こいつらは倒した場所の上に行ってそのマスを専有してないと生き返ってくるのだ。
正直言って、レベル2〜3辺りだとトロールは強敵である。ところが、「勝てない」となったら「ボスを後回しにして良い」ってのがこのゲームの良いトコロ。別に中ボスを倒さなければ次のエリアに進めない、と言うような制限もない。どうせこのエリアのランダムエンカウントの敵は倒してるのだ。このトロール&オーガのコンビを今は倒さなくても、このエリアで野宿は可能なので、次のエリアを制覇しに行ってよいのだ。
なんつーEasyなゲームなのだろう。
余談だけど、僧侶がスティンキング・クラウドを覚えた後の方がこいつらを攻略しやすいのは確か。スティンキング・クラウドも、スリープと並ぶ程の「極悪」呪文である。
とまぁ、こういうカンジで遊んで行くゲームである。
絵柄は悪い、とっつきづらい、UIはイマイチ、と3難なのだが、AD&Dと言うTRPGのゲーム性自体がやっぱり素晴らしいのか、最初のスラムをクリアする辺りになってくると「慣れて来て」俄然面白くなってくるゲームである。
超オススメ。
とは言ってもPC-9801版の入手は結構難しいと思われる・・・・・・。ぶっちゃけ、そんなに売れてないしな。
しかも音楽が良くない。このゲーム音楽を作ったのは戸田誠司って人で天才ミュージシャンではある。・・・一時期、YOUと一緒にバンドやってた人だよな。FAIRCHILDである。・・・ってかYOUはこのバンドで有名になったのか。
このFAIRCHILDの仕掛け人戸田誠司、って人は他にもアニメ「Gu-Gu ガンモ」でも音楽をやっていた。
この人天才なんだけど、ゲーム音楽ってのはイマイチ・・・っつーかプール・オブ・レイディアンスだとまだ「慣れてない」んだよな。
むしろ本領を発揮してくるのは続編のCurse of the Azure Bondsから、である。この辺からやっと「ゲーム音楽の作り方」が分かってきたらしい、ってカンジ。
このプール・オブ・レイディアンスってプログラム、音楽もそうだし、ゲームシステム自体も「習作」ってカンジがするのだが(と言うか、感触的に言うと、極めて「コンピュータ・サイエンス的に見るとお手本」的である)、同時に単に面白いのだ。ちなみに、「習作」だったGoldBoxエンジンも、続編以降、徐々に改良されては行く。
レトロRPG最高峰、って言って良いだろう。
入手しやすさから言うと、やっぱりGOGで英語版を入手するのがオススメ。
どうせ、PC-9801の音楽は「この時点では」イマイチなので、英語版で良いだろう。
しかも実はこのゲーム、コピープロテクションの関係で、重要なテキストは全部「The Adventure's Journal」と言うブックレットに記載されている。要するにゲーム本体にさして重要なテキストは入ってないのだ。
つまり訳して読むのが「ブックレットに入ってる」以上、印刷してどのようにも扱える。ゲームモニタに齧りついて日本語訳に挑戦せんでもエエ、ってのは結構ラクだと思うんだけどな。
あと、PC-9801版だとフロッピーのスワッピングが酷くなる、ってのもイマイチな原因である。この時期(1988年)、アメリカのPCだと「ハードディスクにインストールして遊ぶ」のは標準的だったんだけど、日本版(1989年)だとまだハードディスクは高嶺の花だったのだよ。よってハードディスク前提でのMS-DOS版(IBM互換機)の方が今だとプレイヤビリティが上なんだよな。
と言うわけで、プレイしてみたい人は是非ともGOGでDOS版で。どーせ大した英語じゃねぇのだ。
じゃなけりゃ、ProjectEggにでも「ポニーキャニオンに交渉を!」って意見を言うべきなんじゃないか、って思う。
あるいは、ファミコン版を試して欲しい。実はファミコン版の方が難しいと思うんだけど、でもレトロゲーム史上最高のRPGって意見は変わらんと思う。
(ファミコン版は、スーファミが出た後で「強気の値段で」売られたモンなんで、イマイチ市場に受け入れられなかった、と言う背景がある。その値段は一万円超えしてたらしい。)
余談だけど、このプール・オブ・レイディアンスと言うゲーム。Gold Boxエンジン自体はBorlandのTurbo Pascalで書かれているらしい。
要するにこのゲームが、「何が何でもC」となる前の殆ど最後のPascal系で書かれたゲームの一つだろう。
RPGの歴史に於いて、Pascalで書かれたWizardryがTurbo Pascalで書かれたGold Boxで終焉を迎える。同時に、クラシックなRPGもこれで絶頂期を迎えて後はダメになっていく、と言う言語とゲームの関係を無理矢理結びつけておく。とオチを付けておこう。
全く根拠はねぇけどな(笑)。