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Retro-gaming and so on

RE: AD&Dゲー

星田さんの記事に対するコメント。

 記事にもあった大戦略だけど、あれも元々個人が作ったものが元になってたんじゃなかったでしたっけ?

そうそう。
システムソフトに持ち込んで販売にこぎつけたのが元々じゃなかったかしらん。
今じゃ考えられないよねぇ(笑)。今だと個人で「作る」ってのは難しい時代になってるから。







 当時の商用ゲームがBASICで作られていたという話は励みになりますね(ガイナックスの電脳学園もBASICで作られていてSTOPキーを押すとリストが見れたと岡田斗司夫が言ってたな)。BASICで出来てRacketで出来ない事は無いだろと(画面表示関連以外)。

うん。
80年代の前半辺りまでは、BASICで書かれたゲームが商用で流通してたケースが多かったんじゃないかしらん。
一つの理由として、当時の8bitパソコンだとROMに今で言うBIOS代わりにBASIC積んでたマシンが殆どだったから「簡単に起動出来る」って言えばBASICに頼るのが一番効率的だった。
OSなんかも無かったし(笑)。
もう一つは、何度も書くけど、当時全然C言語はポピュラーではなかったのよね。
むしろ、「BASICより高機能な高級言語で」って人達はPASCAL選んでたケースが多かったんじゃないの?「速度が必要だ」って人はアセンブリに行ってたろうし。
どっちにせよ、80年代後半から90年代初頭にかけて、8bit環境から16bitが普及して中心になるまで、PASCALの方が選択されるケースが多かったと思う。
元々C言語自体が16bit環境で開発された事もあって、黎明期のPCにはそんなに入ってきてなかったんだよな。

ただし、画像関係で言うと、Racketがどーの、っつーより今のPCの画像出力が複雑なんだよね。解像度もメチャクチャ良くなってて。
往年のPCの場合、画像回路も単純で、解像度も低く、しかもシングルタスクだったからBASIC「でも」コントロールしやすかった、って事もあるんじゃないかしらん。ゲーム動かしてる間はPCはゲームだけにリソース割いときゃ良かったわけだし。
今だと、OSでマルチタスクコントロールしてるから、ゲームを起動した時にリソース全部をそっちに割り振るわけにはイカんじゃない。
結果、「ディスプレイに直接指定して描画する」ってわけにはいかなくって、色々複雑化してる、って言った方がいいと思う。

Apple IIでの例。
Apple IIだとGRコマンドでグラフィック描画モードに入れて、COLORコマンドで色彩を選択、PLOTでディスプレイの座標上に「色」を直接置け、結果BASICで直接描画が可能だ。
ただし、解像度が低いので、1ピクセルがやたらデカい(笑)。
実際問題、Apple IIのBASICで「描画する」と言うのはなかなか厄介だろう。
また、当時はROMにBASICが積んでた以上、そのBASICは「ハードウェアの構成部品の一つ」であって、直接マシンとやり取りして画像をコントロールしていたりした(つまり「標準」な機能ではない)。
なお、こういうのを当時、POKE命令等と呼んだりしたらしい。

 シミュレーションと言えば


 なんかこういう感じで日本の会社で出してる微妙にLSIゲームっぽいの無かったっけかなぁ・・?検索しても探せなかったんだけど。対面で海戦は同じテーマで、もっと盤面が凝ってた気がするんだけど・・

検索してみたけど、これかしらん?分からんけど。

ただ、日本製じゃなくって、ハズブロってアメリカの玩具メーカーのだけど・・・・・・。

 
ザーッと見たカンジ、多分だけど、日本の野村トーイが恐らくライセンシーになって国内で生産してたんかな?分からんけど(後に、野村トーイはハズブロに買収されて消失する)。



違ってたらゴメン。

 後はAD&Dシリーズね!あれ面白かったのか・・気になる!

そう、とっつきづらいんだけど、実は面白いの(笑)。

日本だと、やっぱポニーキャニオンの商品戦略があまり良くなかった、って事もあるんじゃないかなぁ。
SSIのAD&Dの第一弾、プール・オブ・レイディアンスはファミコン末期にファミコンに移植されたんだけど、確かカートリッジが強気の1万円超え、ってのもあったし、買ってプレイしたユーザーは、ファミコンかSFCで続編が出るのを期待してたんだけど(ファミコン版は最後に、続きがあたかもあるようにパスワードを出していた)、結果続編は梨の礫だったのね。







そしてファミコンだとヒルズファーとか(笑)、ちとアレなゲームの方を先に紹介しちゃった事もあって、なんか印象が良くなくなっちゃったのね(※1)。

んでだ。
元々、AD&Dのビデオゲームへのフランチャイズ、ってのはマテルのインテレビジョン用カートリッジから始まっていくつかあったんだけど、全然「ロールプレイング・ゲーム」ってカンジじゃなかったのね。

マテル・インテレビジョン。アタリVCSの対抗馬で、16bitのCPUを積んだ(当時では)高性能機だった。
日本でもファミコン前夜、バンダイが輸入・販売していた事がある。

マテル・インテレビジョン用AD&D

で、AD&Dってのは結局、Wizardryを始めとして言わばCRPG分野では「コピー品」が出回ってた状況で、それはそれなりにブームだった、と。
で、販売元のTSRも何とかCRPG市場に食い込みたい、って野望を持ってて、10社以上のライセンシーになるのを望んでた会社からどれを選ぼうか、ってカンジだったみたい。
で、アメリカでもSSIがライセンシーに選ばれた、ってのは結構ビックリしたらしい。ニュアンス伝わるか知らんけど、人ロックのアニメ映画化権を日本アニメーションが獲得した、的なショックだったみたい(笑)。分からんか(笑・※2)。

何故にSSIが?ってのも当時不思議に思われてたみたいだけど、やっぱ結局、一つ目はコンピュータ・ウォーゲーム製作・販売の実績があるから。Wizardryタイプの戦闘をTSRは嫌ってたらしい(※3)。そして元々D&D自身が中世がテーマのウォーゲームの「改良版」として製作されていた(※4)。
んで、特にTSRが注目したのが、SSIが開発・販売したウィザーズ・クラウン(日本未発売)だった、と言う噂。このゲームは当時のCRPG界隈だと

「ウォーゲームとCRPGの合体」

って捉えられていたんだけど、事実はむしろ本物のTRPGに近く、結局

「こういう実装が可能ならAD&Dをキチンとコンピュータ上で再現出来るはずだ。」

とTSRが思った、って事だな。市場はWizタイプのCRPGが多かったんで、キチンとしたタクティカルコンバットを実装してたゲームはほぼ皆無だったんだ。


ウィザーズ・クラウン(ATARI ST版)

タクティカルコンバットって嫌われるんだけど、SSIのAD&Dのシリーズやってみればマジで楽しいからハマると思う。
っつーか「レベルを上げないと勝てない」RPGが多い中、AD&Dのタクティカルコンバットって「運と戦略次第では格上を倒せる」ってのが楽しいんだよな(笑)。フツーのRPGだと「諦める」トコが「粘れる」。
そしてこっちの攻撃が当たらない事もままあるんだけど、それは敵さんも同じなんだよね(笑)。ホント「サイコロ」って面白い。良く出来てるわ(笑)。

んで、ポニーキャニオンの中途半端な移植のせいで、全貌が良く分からんくなってんだけど、取り敢えずSSIのAD&Dの第一作目が「プール・オブ・レイディアンス」。これはCRPGの古典、って意味で言うと「今でもプレイアブル」だとすればまさしく今でも古典でアメリカでも愛好されてるらしい。
これはWizardry I〜IIIの「古典」とはちと意味が違うんだよな。日本と違って、残念ながらWizardryは「歴史」であって、「今でもプレイアブル」だとは向こうでは捉えられてないみたい。
んで、プール・オブ・レイディアンスから始まった「システム」をGold Boxと言う。これは当時のパッケージが金色だった事に由来していて、また、初代「プール・オブ・レイディアンス」からの共通のゲームエンジンをこれにちなんでGoldBoxエンジン、と呼びます。

SSIのAD&Dシリーズのパッケージ。箱が金色だったんで、初期のSSIのAD&DのCRPGシリーズはGold Boxと呼ばれた。

んで、Gold Box採用のAD&Dのゲームは大まかには次のようなラインナップになっている。

+ Forgotten Realms(キャンペーン)
-+ Poolシリーズ
--+ プール・オブ・レイディアンス
--+ カース・オブ・アジュア・ボンド
--+ シークレット・オブ・シルバーブレイド
--+ プールズ・オブ・ダークネス
-+ Savage Frontierシリーズ
--+ Gateway to the Savage Frontier(日本未発売)
--+ Treasures of the Savage Frontier(日本未発売)
+ Dragonlance(キャンペーン)
-+ チャンピオンズ・オブ・クリン
-+ デス・ナイト・オブ・クリン
-+ The Dark Queen of Krynn(日本未発売)

同じシリーズだったらキャラの転送が可能、って事だね。
例えば「プール・オブ・レイディアンス」で作ったキャラは「プールズ・オブ・ダークネス」まで使いまわして成長させ続けられる(※6)し、Gateway to the Savage Frontierで作ったキャラはTreasures of the Savage Frontierに持ち込んで成長させられるし、チャンピオンズ・オブ・クリンで作ったキャラは以下同文。
ただし、シリーズをまたぐ事は出来ない、ようになっている。
この辺もWiz1〜3の「キャラ転送」機能を知ってるのなら不思議じゃないと思う。原則、TRPGはシナリオを渡り歩いて強くなるわけだから。

なお、AD&DのGoldboxのゲームがこれだけ、ってだけの話であって、他にも色々出ています(※7)。


 調べるとタイムリーなことにSteamにて昨年からまとめ版が販売されてる模様。プールオブレイディアンスから8作品も入って・・

あ、そう。
とうとうSteamに来たんだ。
今まではGOGにしか無かったんだよなぁ。

お値段1080円!?これは買うしか・・

買っちゃえ買っちゃえ(笑)。
絶対オモロイから(笑)。
多分ウルティマよりオモロイ。
いやマジで(笑)。
しかも暫く遊んでられる(笑)。

※1: ファミコンのヒルズファーの評価は極めて悪い。
もちろん元が良くってファミコン版の移植が悪い、ってわけでもなく、PC版でもそんなゲームだ。
ただし、実はこれには理由がある。
元々、ヒルズファーと言うゲームは、本編のプール・オブ・レイディアンスやその続編のカース・オブ・アジュア・ボンドで作ったキャラクタを持ってきて「鍛える」為のおまけディスク的な存在だったんだ。
言っちゃえばロードス島戦記に対するロードス島戦記福神漬みてぇなモンで(笑)、例えるならWizardryで作ったキャラクタを「特別に鍛え上げたい」目的で使う、一種ユーティリティ代わりのゲームなわけだ。
従って、そんな「おまけ」をいきなり最初に持ってくる、と言ったフジサンケイグループのセンスのなさがまずは問題だったわけだ。

※2: 超人ロックはご存知聖悠紀原作のSFマンガ。しかも、原作者はアニメ嫌いらしく、「超人ロック」のアニメ化の話を幾度となく蹴っていた。
ところが、その「超人ロック」のアニメ映画化権を日本アニメーションが獲得した、ってニュースに皆ひっくり返る事となる。
と言うのも、日本アニメーションと言えば「カルピス名作劇場」と言う子供向けの、言っちゃえば「お硬い」アニメしか作らない印象だったんだ(今だと「ちびまる子ちゃん」だが・笑)。
「教養高い」「文学の匂いがする」お硬いアニメ会社がSFなんかやれるのか・・・?と、当時不安に思った「超人ロックファン」は山ほどいただろう。
ちなみに、劇場公開された超人ロックは、日本アニメーションの底力と言うか、非常に丁寧に作られていて当時(1980年代前半)のアニメ映画で言うと質は1〜2位を争うクオリティだったと記憶してる。

※3: 元々D&DやAD&Dで言う「戦闘」はマップとフィギュア(コマ)を用いたタクティカルコンバットが原則で、PLATO文化から始まりWizardry、そしてドラクエが拡散した「戦闘」形式は簡易化されすぎている。


※4: 再初期のD&Dは、同じデザイナが作ったウォーゲーム「チェインメイル」の派生だった。

※5: 以前言ったけど、星田さんがやってた"Neverwinter Nights"と言うタイトルの元になったNeverwinterと言う街はSavage Frontier地方にある(と言う設定)。

※6: ただし、「カース・オブ・アジュア・ボンド」から「シークレット・オブ・シルバーブレイド」の間のキャラ転送は、なんかバグがあるっぽく上手く行かなかった。

※7: Eye of the Beholderとか。これは別のエンジン(敢えて言うとEOBエンジン?)で作ったForgotten Realmsキャンペーンの別のゲームだ。
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