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Retro-gaming and so on

RE: プログラミング学習日記 2024/02/13〜

龍虎氏の記事(2024/02/16)に対するコメント。
今回は一つだけ。
非常に重要な数学上の概念に関しての「誤解」に対する話だ。


 適当に指数を変えたりして遊ぶ。ふーん・・偶数だと円弧で奇数だと馬のシルエットみたいになんのか。指数ってのは次元の数ってことなのかな?もしかして平面で表現してるから基本的な形は変わらんけど8次元人とかだったら8次元のグラフは全く別物として認識できるんやろか。

いやいやいやいや。指数と次元は関係ないです。
指数は指数、次元は次元で、このグラフは単に二次元のグラフだ。

これもな、別に龍虎氏が「数学が苦手だから」勘違いしたわけじゃない。
そもそも、多くの人が「次元とは何を意味してるのか」知らない。
知らないけど、漠然と「何か空間を記述する凄くややこしいモノ」と捉えてる。
ハッキリ言うとそういう「漠然さ」が広まった原因は猫型ロボットのアイツのせいなんだよ(笑)。
しかし、数学的定義は猫型ロボットのそれとは全然違うんだ。

数学的定義では、次元とは「基底ベクトルの要素数」の事を言う。
またここで「基底ベクトル」なんつー不可思議な表現を出したが、そもそも「ベクトル」と言うのは「数の組」を表現し、「基底」ってのは、「単位」と考えていい。人間にも、数学的にも「単位」って言われると基本1が好まれるんで1としようか・・・。ホントは「長さが1」とか言いたいけど、そうすると「ベクトルに於ける長さとは何ぞや?」って話になるんでここの本論からズレちまう。
よってそのテの話は省く。
いずれにせよ、繰り返す。
次元とは「基底ベクトルの要素数」の事を言う。
何のことはない、例えばLispだと、

> (length '(1 1 1 1))
4

このケースだと「4次元」を表してるし、Pythonでは

>>> len([1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1])
8

このケースは8次元だ。
次元って「これだけ」の事なの。単純に捉えるとLispやPythonだと「今与えられたリストの長さ」を次元って呼んでもいい、んだよな。

さて、そうすると、だ。
  • 一次元、ってのは「基底ベクトルの要素数が一個しかない」って意味だ。 => 例: 基底ベクトルはxの向きを表す、って事にする
  • 二次元、ってのは「基底ベクトルの要素数が二個しかない」って意味だ。 => 例: 基底ベクトルはxとyの向きを表す、って事にする
  • 三次元、ってのは「基底ベクトルの要素数が三個しかない」って意味だ。 => 例: 基底ベクトルはxとyとzの向きを表す、って事にする
  • 四次元、ってのは「基底ベクトルの要素数が四個しかない」って意味だ。 => 例:基底ベクトルはxとyとzとwの向きを表す、って事にする
以下同文、だ。
そうすると、数学では「任意の次元」は好きなように定義出来る、って意味になる。「基底ベクトルの要素数がn個あればそれはn次元」だ。
そう、次元ってそれ以上でもそれ以下の意味でもないんだ。

あれ、でも4次元は描画出来ないんじゃ・・・って考えるかもしんない。「4次元は想像つかん以上それは難しいモノの筈だ」と。
いや、もう一度言うけど、数学的な「次元」の意味ってのは上で説明した以上の意味ってのは無いんだよ(笑)、基本的には。
ここではまたもや、「数学では定義はしても意味を表そうとはしない」と言う「大原則」を思い出そう。
そう、実は「描画出来る/出来ない」って範疇は数学の問題じゃないんだ。描画が出来れば嬉しい、っつーのは人間にとっての話であって(我々は視覚が極端に発達した生物なんで、「視れば」一発で理解する事が多い)、数学にとってはそんなこたぁまるで関係ねぇわけ。
言い換えると「次元」と言うコンセプトを「実際の空間に適用する」ってのは人間の都合であって、n次元空間が「実在する」かどうか、ってのも「数学的議論ではない」。
現在も理論物理の方では「n次元空間がコンパクトに畳まれて〜」とか言ってたりすっけど、それは「数学の話」ではなくって「応用数学の話」なんだな。「意味を付加する」のはいっつも数学の「外側」の連中だ。

いずれにせよ、「次元の話」っつーかその「コンセプト」を把握するのは数学的な定義そのままを捉えた方がいいと思う。上で説明した通り、大した事言ってるわけじゃないでしょ(笑)?
猫型ロボットの呪い(笑)で「やたら想像するにも複雑な概念」とか思い込んでも、こればっかは損するだけ、だと思ってる。
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