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Retro-gaming and so on

ゴースト/ニューヨークの幻

名作。特に解説は要らないだろう。

今回これを取り上げるのは評論目的ではない。「英語のリスニング教材として優秀だ」と言うので取り上げる。

以前、アメリカで英語を教えてるアメリカ人の先生が「どの映画がリスニング教材として適切だと思う?」とネット上のとある場所で質問を投げていた時にも「ゴーストが多分一番良い教材じゃないか?」と答えた事がある。
理由はハッキリしている。主要登場人物が3人しかいないから、だ。

ゴースト、で主人公の幽霊を演じるパトリック・スウェイジ。2009年に膵臓がんで亡くなる。享年57歳。

余談だが、最初にプログラミング言語Schemeの作成者の1人であるガイ・スティールJr.の顔を見た時、

「あれ、どっかで見た顔だな・・・そうだ、ゴーストの主役やった人じゃん!」

とか思った俺はバカなのか(笑)。

オリジナルのプログラミング言語Schemeの作成者であるガイ・スティール・Jr.
顔の系列としてはパトリック・スウェイジ系の顔であるこたぁ間違いない(断言)。


ヒロインを演じるデミ・ムーア。この頃は可愛かった。首がやたら太いけど(爆
なお、ブルース・ウィリスの嫁だったのも今は昔の話。

ウーピー・ゴールドバーグ。名優。彼女がいなければ映画「ゴースト」は成立せんかった、と言って過言ではない。あらゆる意味でこの映画のキーマンだ。

もちろん、登場人物が3人だけ、ってこたぁないが、それでも主役の幽霊、その彼女、それとウーピー・ゴールドバーグの3人しか基本出てこない。主役が死んだ原因の悪人でさえ大して出てこないのだ。
映画のリスニングで、主役と準主役(敵役含む)の数が多ければ多い程、人間関係の把握が難しくなる。つまり「そこで成り立ってる会話」を理解する為の難易度が跳ね上がるんだ。
反面、ゴーストは中心登場人物が3人に絞られる。特に幽霊と霊能力者のウーピー間でしか主に会話をしないので、俄然把握がラクになる、つまりリスニングの難易度が非常に低い、ってのがこの映画の特徴なんだ。
余談だけど、映画のリスニングをする際には、そのストーリーの大まかなトコを把握しておけば難易度は格段に下がる。言い換えると初見でいきなり映画を観ると結構苦しかったりするだろう。他の映画で挑戦する際には日本語で観た事があるか、あるいはWikipediaなんかで主なストーリーを下調べしておく事をオススメする(※1)。

さて、映画でリスニングを練習する際にオススメする機材を紹介しておこう。

ヘッドフォンはあった方が良いだろう。実際耳元で「何を喋ってるか」把握するようにした方がリスニングはラクだ。
「リッピング」に付いては違法性云々、って話が確かにある。しかし「英語教材として」考えるとやっておいた方が良い。
と言うのも「再生速度」の問題があって、ディスクで早回し再生や遅回し再生をするのが困難だ、ってのがその理由だ。コンピュータ上で扱う事が出来るファイルフォーマット(WMVとかmp4とかMKVとか)に比べると利便性が著しく落ちるのだ。
最初にフツーに再生した際に「喋る速度がちと速いよな」って場合、動画ファイルだと再生速度を任意に落とす事が可能だ。逆に慣れてくれば再生速度を上げてリスニングの練習をする事が出来る。いずれにせよ、そのテの事が「ディスク状態」だとやりづらいんだよな。
ここではリッピングに対してのHow toは書かない。そのテの事はネットを漁ればいくらでも出てくるだろう。いずれにせよ、英語のリスニングを練習したい、って場合、リッピングはしといた方が良いと思う。
そして英語字幕だ。レンタルDVDやBDを借りてきた時にそれらに含まれてて取り出せればいいんだが・・・。
いずれにせよ、「ただ集中して聴け」ってのは全然アドバイスになんない。一番いいのは英語字幕を読みながら音声を聴くこと。そして「追い読み」だ。俳優陣が喋ってる英語に合わせて字幕を声に出して読んでみる。それがリスニングを一番上達させる方法となる。


万一、DVDやBDをリッピング出来ても字幕が取り出せなかったとしよう。しかし心配には当たらない。ネット上では英語の字幕ファイルはタダで流通してて簡単に入手可能なモノが多い。「映画タイトル English srt」か「映画タイトル English subtitles」で検索してみれば良い。簡単に見つかる事になるだろう。
なお、srtファイルと言うのは字幕ファイルの事だが、原則的にこれは単なるテキストファイルだ(※2)。ここにはそのセリフが喋られた「時間」とそのセリフの「内容」が記述されている、非常にシンプルなモノだ。そして単なるテキストファイルなので、スクリプトを読もうと思えばあとで読むことも可能となる。これも英語学習教材としては非常に有用だろう。




となると、殆ど「標準」となってるsrtファイルを動画再生と同時に表示してくれる動画プレイヤーが必要になる、と言う事だ。
僕が愛用していてオススメなのはVLCメディアプレイヤーだ。Linux生まれのソフトだが当然Windows版もある。そして僕は、Windowsを使ってた時でさえ、Windows備え付けのWindows Media Playerを使った事は殆どない。対応するコーデック(※3)量が比較にならないのだ。VLCの場合、素のままで再生出来る動画の「圧縮形式」の数が段違いだと言う事だ。
また、字幕ファイル(srt)を読み込んで動画と同時再生出来る機能もあるし、また、先にも書いた「再生速度の変更」も可能だ。




例えば0.75倍の再生速度、と言うのは二時間の映画が二時間四十分の映画になる、って事になるが(笑)、まぁ許容範囲だろう。一日で一本観なくても良いし。
いずれにせよ、再生速度を「自分に合った」モノにすれば、映画の音は拾いやすくなる。
なお、これが現在のデジタル時代の利点で、かつてのアナログ時代だと再生速度変更はピッチ変更を意味したので、音が高くなったり低くなったりして使い物にならなかった。
反面、デジタルでの再生速度変更はそういう音程ロスが生じないので、ガンガン使うべきだと思う。

いずれにせよ、Windows Media Playerよりはるかに強力なツールなんで(※4)、英語のリスニング目的以外でも使い勝手が良いと思う。是非ともこの機会にインストールしてみる事をオススメする。

あと、ゴースト/ニューヨークの幻が英語リスニング教材として優秀なのは、スラング含有率も比較的低めだから、だ。スラングは一見カッコイイが、これの含有率が高めだと何を仰ってるんだかサッパリ分からなくなる。
例えば、僕個人が大好きなダイ・ハードシリーズ。しかし主人公、ジョン・マクレーンが喋る英語はブロークンもブロークン。黒人英語に近い喋り方をするのがマクレーンの魅力なんだが、リスニング対象として見ると全く適さない、と言う事は明らかだろう。








上の例でもケツとウンコとファックだらけでもはや「何が言いたいのか」サッパリ分からんだろう(笑)。
こういうスラングが、まぁ、ゴースト/ニューヨークの幻にはまず出てこない。
結果、英語リスニング初心者には特に、良い英語教材になってると思う。
繰り返すが、単純で分かりやすいストーリー/コンセプト。主要登場人物の数の少なさ。比較的綺麗で易しい英語、で初級英語リスニング向きの映画であるゴースト/ニューヨークの幻。
そういう意味でもオススメの映画だ。

※1: と言う事はネタバレを許容しろ、と言う事だ。人によっては「映画を観る楽しみが無くなる」と言うだろうが、あくまで「映画を楽しむのが目的」ではなく「英語のリスニングを上達させる」のが目的だ。
なお、最近では広く知られた事だが、我々が日本語で日本の映画なり何なりを観たり、あるいは日本語で会話する時、「耳が全部の日本語を捉えてるわけではない」。かなりの部分を脳が「予測しつつ補ってる」と言うのが分かってる。
つまり、我々が日本語で会話するのに苦労しなかったり、あるいはテレビや映画を観て「分かる」のは、耳で日本語の音を全部処理してるのではなく、音を拾いつつ展開を予測して脳が情報処理をして・・・と言う結果なのだ。
一方、英語のリスニングが難しいのは、その「脳での予測と情報処理」と「音を拾う」と言うリンクが上手く行ってないから、だと言う事が出来る。「あー言えばこー返る」と言うパターンを脳がまだ把握してないのだ。
日本語でそれが出来るのは幼い頃に聞かされた寝物語からはじまって「ストーリーとして」色んな典型的な会話パターンを我々が学んできてるから、だ。従って、英語の音に慣れていない以上、映画の場合「あらすじ」を把握しておいて、「俺ならこう言う会話をするかも」と言う「予測」をある程度しておいた方が、リスニングの負担が少なくなる、と言う事だ。
結果、ゴースト/ニューヨークの幻の「主要登場人物が3人」にこだわるのも、複数の人間が一気に出てくるような話だと会話パターンが多様に広がりすぎて、「俺ならこう言う」で考える予想パターンが多すぎるから向いていない、と言う事を意味してる。
また、日本語で観た映画で登場人物が「どんな会話をしていたか」覚えてる映画の方がリスニングの訓練には向いている、と言うのも同様の理由だ。アタマの中のアンチョコで「どいつがどういうセリフを言う」って分かってた方が耳が音を拾って情報処理をやりやすいのだ。

※2: srtがイマイチ日本で知られてないのは、結局このテの「日本語字幕」は「英語字幕」と比べると全く流通してないからだ、ということに他ならない。
言い換えると英語話者の英語字幕作成のボランティア数に比べるとそういう事を(法律的な問題が関わってるにせよ)行う日本人ボランティアが圧倒的にいない、と言う事だ。
逆に、日本のアニメが諸外国に知られてるのは、日本国内の人間が何かした、と言うより、パイレイシーを含めた「字幕作り」に熱気を上げてるボランティアが、「良いか悪いか」はさておいて、海外にはたくさん存在する、と言う事である。
なお、米国映画の字幕文化は、どっちかと言うと、「外国の映画に付ける」為ではなく、聴覚障害者の為のサポートとして発達してきた背景がある。

※3: 動画圧縮の解凍用のプラグイン。色んな形式があってwmv用にはwmv用のコーデック、mp4用にはmp4用のコーデック、と「暗号解読」の形式に従って別個用意しておかないとならない。

※4: とは言ってもWindows Media Playerは所詮「おまけ」なんで、オマケとフリーとは言え「それ目的の正規製品」を同じまな板に上げて論評するのは間違っているだろう。
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