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Retro-gaming and so on

サンサーラナーガ

今回はレビューじゃない。
この記事に触発されて、ちと思った事を書こう、って思っただけだ。
大体、このゲームをやった事はない。
が、名前だけは知っている。
なんせこの作品、言っちゃえばあの押井守監督作なんだ。
有名と言えばあまりにも有名な伝説的なアニメ監督の作品だ。
でも、ある意味、だからこそ手を出さなかった作品だとも言える。


まぁ、レビュー自体は髭人氏のレビューを読んでもらうとして。
かなり批判的なレビューになってる、と思う。
でも髭人氏は、予想するに、かなり的確なレビューをしてるんじゃないか、と思ってる。
と言うのも、押井守氏、なんせ「映画は難解でなくてはならない」と言う思想を持っているようで(※1)、そんな人が作ったゲームが「楽しいゲーム」なワケがない、と思ってるからだ。
だから髭人氏の言う通りなんだろう。恐らく単に「難しいだけの」ゲームになってんじゃないか。

誤解のないように言っておく。
押井守って人には「信念」っつーか「理論」っつーのはあるんだろう。
そして現在やってるリメイク版のうる星やつらの・・・何つーんだろ、「可もなく不可もなく」と言った作風を見てると、確かに80年代の最初の「うる星やつら」のテレビシリーズは、押井守氏じゃないと出来なかった、とは言えると思う。
はっきり言って、うる星やつら人気の立役者だった。
原作マンガだけだとあそこまで人気は絶対出なかったと思うし。
それは間違いない。
そして傑作にして問題作、「うる星やつら2ビューティフルドリーマー」と言う傑作アニメ映画をモノにしてる(※2)。
素晴らしい。
しかし同時に、個人的意見だけど、ハッキリ言っちゃって、押井守の最高傑作は「うる星やつら2ビューティフルドリーマー」だけであって、このあとに作られた押井守監督作品、ってのはエンターテイメントとしてはガタガタになっていったと思ってる。
いや、パトレイバー1とか2とか、あるいは攻殻機動隊とか観たよ?リアルとサイバー的な要素を組み合わせ、かつリアリティを追求した美麗なアニメ映画だった。うん。
でもただそれだけ。
ホントにあれらを映画館まで足を運んで観て「うわ、これすげぇ楽しい!」って言うと思うか?
僕は思わんな。「ふんふん、なるほど」とは思うかもしれないが、じゃあそれが「観て楽しい」作品なのか、と言えば違うと思う(※3)。
要は「頭脳作戦的な話」だとは思うけど、「手に汗握って夢中になって観る作品」なのか、っつーと違うだろ、とか思ってるわけだ(※4)。
そう、言っちゃえば押井守ってのは、悪いけど才能的には「うる星やつら2ビューティフルドリーマー」で燃え尽きちゃった人、って印象なんだよ(笑)。
良く言っても「デビルマンを描きあげたあとの永井豪」なんだ(笑)。
まぁ、うる星やつら以降干された何だ、って色々苦労したみたいなんで、同情はするんだけど、でもパトレイバー以降、「スカッとする」「単純に面白い作品」は作れてないと思う。

いや、だって現象観てご覧よ。
僕はあまり詳しくねぇんだけど、パトレイバー1とか2とか攻殻機動隊とか、観客動員数とかどうだったんだろ、とか思ってて。
誤解を畏れずに言うなら、映画として作られたのなら、まずは映画館にどれだけ観客を集められたのか、だと思うんだよな。シビアな話をすると。
ビデオやDVD/BDがどれだけ売り上げたのか、ってのはあくまで二次的な話なんだわ。
で、この辺の作品って、例えばジム・キャメロンがスゴイって言ってた、とかそういう話で「後に評価が高まった」っつーアレだろ?ジム・キャメロンが絶賛した?だからスゴイだろ?とか。
まぁ、言っちゃえばそういうのって権威主義とかそういう話じゃない。偉い映画監督が褒めたんだからスゴイはずだ、とか。そーゆーヤツ。
いや、映像学んでる学生が勉強するには良い題材なのかもしれないよ?でもパンピーが観て「素晴らしい作品だ!」とか絶賛するようなブツかっつーとやっぱ違うと思うんだわ。
少なくとも、個人的には、同じ二時間とか過ごすのなら単純にもっと面白いブツが観たい。それだけ。
で、押井守氏はそういう作品は撮れない人なんだ。

そういう人が作ったゲーム・・・しかもゲームな以上畑違いなワケだ。
映画さえも怪しいのにゲームとか作ったらやっぱダメだろ、って気がしてて、やってもいないけど髭人さんのレビューは多分圧倒的に正しい、と「わたしのゴーストがささやく」んだよ(笑)。
いや、マジで。

うん、こんな事書いてたら怒られるかもしれないけど(笑)。
でも、髭人さんが書いてる事は「押井守ならあり得るよな」とは思ってます(笑)。
まぁ、それでも音楽は結構イイんじゃないか、とは思ってはいるんだけどね(※5)。

※1: 正確に言うと「映画には難解な部分が一つは無ければならない」だった気がするが、彼の監督作品は、正直言うと単に難解なだけ、だ。

※2: ただし、この映画公開時は賛否両論で、ハッキリ言うと、SFファンを除くと不評だ、と言って良かったと思う。興行収入も惨敗だったように記憶してるし、最初のVHS化を除き、長い間ソフト化されずに「幻の作品」となってたように思う。
その「入手しづらさ」と合わさって、後年、むしろアニメファンよりも映画ファンに評価を受けて評価が上がっていった、と言うのが正しい現象だったんじゃないか。

※3: 僕はビデオで観たからまだ助かったんだ。

※4: パトレイバー1はコンピュータシステムの基盤としてのOSが「悪意を持って作られてたら」と言う話。2は平たく言うと「戦争とは」と言う話。攻殻機動隊は「インターネットとサイバー」と言う話で、全て着眼点はいい、と言われてるし僕もそう思う。
でも、言っちゃえば「それだけ」なんだ(笑)。着眼点が良くてもエンターテイメントを観に来る客に納得できるストーリーを提供出来てたか、と言うと「違うんじゃね?」としか思えない。

※5: 「サンサーラナーガ」の音楽は押井守映画で常連だった川井憲次氏。
ぶっちゃけ、音楽家としては天才の部類だと思う。
この人、一番最初に知ったのは、多分それこそデビルマンのOVAの劇伴だったと思うんだけど、最初はどんくさい、とかクッソダサい音楽作る人だったんだよ(笑)。悪いけど(笑)。
ところが、押井監督作品映画の出来はともかくとして、この人の作る音楽はどんどん良くなっていった。ヒッジョーに不思議な頭角の表し方をした人だと思う(笑)。映画はつまらんのに音楽だけが異様にイイ、とか(笑)。フツーありえねぇだろ、と。
ピンと来ない人に説明すっと、例えば藤原紀香がやってた月桂冠のCM音楽やってた人がこの人だ。

月桂冠 つき「しらす」 藤原紀香

多分「あー、攻殻機動隊のノリだ!」とか思う人もいるだろう。
その通り、だ。
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