ゴルフとは不思議なスポーツだと思う。
幼い頃から、テレビで放送されてたスポーツだ、って記憶がある。
しかしながら「誰も周りで実際にプレイしてるヤツがいない」。
つまり、スキージャンプと同様、「テレビの中にしか存在しない」スポーツだったんだ。
1980年代辺りになると、「接待ゴルフ」と言うネタが良く出てきた。
会社で接待に使う・・・何故なら高いからだ。つまり、歓待、と言う意味がある。「これだけ金をかけて貴方方をもてなしているんですよ」と。
要するに、この時代だとゴルフは個人で気軽に初められるようなスポーツじゃなかった、と言う事だ。会社の接待費で「付き合いで」行うスポーツだったのだ。
ゴルフが出来る、ってのは部長クラス以上で「給料が高い」ヤツしかそうそう出来なかったのである。
「会員権」なるものを購入するのに1,000万円以上も払う、なんつーのは一般庶民が出来るわけねぇのだ。
もっともこれらは人気ゴルフ場だが、一方「スポーツをはじめる」のに100万以上払う、なんつーのはどっちかっつーと敷居が高い部類だろう。
そんなわけで、やっぱり「ゴルフ」ってのは80年代半ば辺りまではテレビの中や漫画の「ネタ」程度でしかなかったと思う。
ところが、80年代後期、バブル到来である。そして大橋巨泉を始めとする芸能人の「ゴルフゴルフゴルフ」と言うテレビでの連呼。ある意味、この時初めてゴルフが市民権を得たのではないか。
いずれにせよ、この時期の「好景気」でゴルフはそれ以前よかは身近になった。今の爺さん婆さんでもこの時代にゴルフを始めた、と言う人がそこそこいるんじゃないか・・・・・・まぁ、今は不景気継続中なんで、往年の勢いはないが、いずれにせよ、80年代後半から90年代初頭にかけて、バブルにかまけた「ゴルフブーム」っつーのがあった、と言うお話である。
さて、そんなバブルでゴルフな時代。
T&Eソフト、と言うハイドライドを出した老舗メーカーからNEW 3Dゴルフシミュレーションと言うシリーズが出る。実際の有名ゴルフコースのデータを使ってコンピュータ上に3Dでゴルフ場を再現しよう、と。
このシリーズ、元々はNEC PC-9801用のシリーズだったのだが、満を持してスーファミに移植された。T&Eソフトはファミコンのサードパーティではなかったと思うが、SFCではサードパーティとして参加する。そしてこのNEW 3DゴルフシミュレーションのSFC版はその登場から非常に評価が高かったのだ。
まぁ、当時のゴルフブームもあったんで、全くゴルフしたこたぁねぇが、「教養の為に」買ってプレイすっかな、と買ったのがNEW 3Dゴルフシミュレーションの第3作目、「ペブルビーチの波濤」である。ちなみにペブルビーチがどこにあるかは全く知らんがな(笑)。
PC-9801からスタートしてるが結構多くの異なったプラットフォームに移植された。
しかしこの時期、画面の綺麗さから言うとスーファミ版が一番上だった。PC-9801は16色、メガドラは64色、スーファミが256色、と同時発色数を比較するとやっぱスーファミの圧勝ではある。
ただし、スーファミのCPUは遅い。スーファミのCPUは最大で4MHzに届かなかったし、メガドラの7MHz強に比べると性能が良くなかった。
よってある意味重いゲームだ。どうしてもSFCの「計算能力」だとそのまま3D計算をするには向いてないんだ。
ちなみに、この二年後くらいにはSONY PlayStationがデビューするので、「ソフトウェアで頑張って3Dを計算する」必要がなくなってしまった。
そういう意味ではこの3Dゴルフシミュレーションのシリーズは「2Dマシンで頑張って3Dする」ある意味最後っ屁のようなソフトだったんじゃなかろうか。
なお、ホンマリアルなんで、18ホール全部回るのは時間がかかるしヘトヘトになる。
結果、ホンマにゴルフ好きじゃないとクリア出来ないゲームのような気がする。