福岡市東区香椎浜にある語学スクール
クロスカルチャーコミュニケーションセンター『シーフォー』です。
前回に引き続き、Christine先生の記事をご紹介します。
ブリュッセルの教育
ベルギー出身のクリスティーヌです。以前は、私の国の紹介をさせて頂きました。今日は、ブリュッセルの小・中・高校について書きたいと思います。
まず、義務教育は6歳~15歳までですが、現在中卒の人はとても少なく、皆が高校を卒業します。日本と同じ様に、小学校6年、中学校3年、高校3年、合わせて12年のサイクルです。
授業料は必要なく、教科書やノート、文具等は親が負担します。大学の授業料も日本と比べて割安です。
しかし日本との一番大きな違いは、普通は受験がないことです!小学校から口述試験と筆記試験、2種類のテストが少なくとも毎年2回あり、総合点で合格しない場合、留年します。その為、どの学校でも(大学でも)入るのは簡単で、卒業するのが難しいのです。
また、留年のシステムがある為、同じ学年に違う年齢の子供がいたりします。1,2歳違うクラスメートがいるのがとても普通です。日本では、年齢をいう代わりに、学年を教えたりしますが、ベルギーでは“小3”と言われても、学歴次第、子供が8歳か、10歳か、定かではありません。
そして、ブリュッセルでは一般的に学校が大きく2つに分かれています。フランス語で授業をする学校(フランス語系の学校)と、フラマン語(オランダ語)で授業する学校(フラマン語系の学校)です。
フランス語系の学校では、大体小3から高3までフラマン語を週3~5時間勉強します。レッスンはその言葉で、書く練習と会話を、両方行います。(フラマン語系の学校ではその逆です。)
これは高校卒業までにブリュッセルの子供が皆、フランス語とフラマン語のバイリンガルになる事が目的です。さらに遅くとも中学校から英語がスタートします。その上、外国出身の親を持つ子供が多いため、家で親の母国語を話す子供が沢山います。その結果、18歳で3,4ヶ国語を話せるのがごく普通です。
それぞれの学校で教えられる授業やプログラムには柔軟性があり、科目や時間数が異なります。ブリュッセルの多様な文化の環境と言語事情に合わせて、各学校がプログラムを組みます。
それから、ブリュッセルは文化や宗教が混じり合った地域なので、小学校から宗教または道徳のレッスンがあります。どの宗教のクラスに子供を通わせるかは親が決めて、無宗教の場合、道徳を選びます。宗教・道徳の授業では、宗教の教えの大筋、社会生活と認容の意味を学び、小学生でも討論に参加したりします。
最後に、一般的に中学1年から文系と理系でクラスが分かれます。文系では古典ギリシャ語やラテン語を習う事ができます。
これらはヨーロッパならではの教育制度と言えるでしょう。
私は、この多重文化の街で生まれた事を誇りに思います。
(以上、福岡EU協会会報誌『Twelve Stars vol.68』掲載)