ガブリエル・ガルシア=マルケス(著)/鼓直(訳)「百年の孤独」(新潮社 2006年)
昨年(2024年)文庫化されて話題になりましたね。
原書は1967年にスペイン語で出版。日本語全訳版は1972年。で、改訳版が1999年。この2006年発行のものは1999年改訳版と同じものです。
何なんでしょうね。
おもしろいかって言われると手放しでおもしろいともいいにくい。つまらないわけではもちろんないけ . . . 本文を読む
梨木香歩「春になったら苺を摘みに」(新潮文庫 平成十八年)
解説の清水真砂子が「本書は『ウェスト夫人』および彼女をめぐる人々と著者・梨木香歩の交友記である。」と書いています。ウェスト夫人というのは英国で著者が世話になった下宿の女主人。著者が通っていた語学学校での担当教官でもあった人。
ウェスト夫人はクウェーカー教徒。その人と接していたせいもあるのでしょうが、もともと梨木香歩は大学で神学を専攻して . . . 本文を読む
筒井康隆「敵」(新潮社 1998年)
長らく積ん読状態でしたが映画が公開されるので観に行く前に読んでおこうと手に取りました。ですが、読んでる途中で入院。読むのは中断。一時帰宅で取って来ました。映画は1月17日から公開しています。あたくしが退院したときには上映終了していそう。
渡辺儀助、75歳。大学教授の職を辞し10年。愛妻にも先立たれ、余生を勘定しつつ、ひとり悠々自適の生活を営んでいる。料理に . . . 本文を読む
https://gendai.media/articles/-/145895?page=1&imp=0
今日、アップされてたのでアドレス貼っておきます。
まだ2本しか書かれてないけど、このあと何本か記事は書かれるんでしょう。
しかし笑えますねえ。痛快、痛快。池田晶子節炸裂。
あたくしがしんどい時期でもあったので池田晶子の本は上梓されるのを待ち構えるようにして読んでました。この痛快さでし . . . 本文を読む
外泊許可をもらって帰宅しました。
本を数冊補充。そのうちの1冊。
海音寺潮五郎「武将列伝(四)」(文春文庫 1975年)
以前紹介した米澤穂信「黒牢城」は黒田官兵衛が探偵役でした。で、黒田官兵衛をもう少々知ろうというわけで読んでみました。海音寺潮五郎は書きます。
彼はおそろしく慧敏ーーその慧敏さはとぎすました剃刀のようであったに似ず、終生愛情が豊かで、残酷な点が露ばかりもなかった人で、当時の . . . 本文を読む
骨折、即入院だったのでなんの準備も出来ませんでした。独り者で家族もいないので頼みごとも出来ない。頼めるなら暇つぶしの本を持って来てもらえるんですけどね。
というわけで、入院時に所持していたのは文庫本2冊。
古今亭志ん生「なめくじ艦隊 志ん生半生記」(ちくま文庫 1991年)
橋本治「桃尻語訳 枕草子 上」(河出文庫 1998年)
持ち歩いているくせに「枕草子」はちっとも読み終わらない。読み始め . . . 本文を読む
見舞いの差入れ、もう一冊はこれ。
宮島未奈「成瀬は天下を取りにいく」(新潮社 2023年)
すごいね。帯に90万部突破とあります。手元にあるのは2024年10月20日発行の22刷。
売れるだけのことはある。おもしろかった。
成瀬は友達に言わせればほら吹き。確かに成瀬はあれこれ宣言するけれどその多くを実現できていない。ありていにいえばほら吹きですわな。成瀬自身はたくさん種をまいて、ひとつでも花 . . . 本文を読む
お見舞いに本を2冊差入れてくれました。そのうちの1冊。
米澤穂信「黒牢城」(KADOKAWA 2021年)
あたくしはなんちゃら賞とかベストセラーには疎いので知りませんでしたが売れてる本なんですね。初版が2021年6月2日で手元にあるのが2022年1月30日発行の6版。帯には直木賞と山田風太郎賞のW受賞とあります。さらには史上初4大ミステリランキング完全制覇! の惹句も踊ります。
各種の賞を取 . . . 本文を読む
洲之内徹「気まぐれ美術館」(新潮社 昭和53年)
「芸術新潮」に連載されていたエッセイです。連載は昭和49年1月号から始まっていて、この本はその中の初めのほうの33回分であることが、あとがきに書いてあります。
これから書くのは洲之内徹のエッセイがどうこうってことじゃないんですよね。取り上げられている森田英二について。というか、森田英二に対する洲之内徹の考察に登場する言葉について。
森田英二は桜 . . . 本文を読む
林望「トッカータ 光と影の物語 日本画篇」(文藝春秋 2001年)
古今東西の名画のなかより任意に絵を選んで、その絵にインスピレーションを得た物語を書くという企画のもとに編まれた小説集。
「日本画篇」の冒頭は与謝蕪村「暗夜漁舟図」に材をとった「無用の人」って話。隠居した幕臣角本白鹿を通して町医者漆原禎幹を描く。
ま、語り手が白鹿ってだけで白鹿から禎幹がどう見えているって話でもなく、禎幹のこれま . . . 本文を読む