瓢簞舟の「ちょっと頭に浮かぶ」

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#141

2013-08-28 09:41:35 | 考える日々
万物の根源というものを考えたとき、どうもそれは一つのものに帰着するような気がする。もちろん確証はない。なんとなく、そう思うというだけ。こういう考え方をしてしまうのは私の癖(へき)かもしれない。ようするに思考が単純なのだ。さまざまなものがあるけれど元をたどれば行き着くところは一つ。話がわかりやすくっていい。

根源が一つということは、そこにすべてが在るということである。物質も精神も。こういう書き方をすると唯物論者からも唯識論者からも反論されそうだが、とりあえず聞き流しておいてください。今回はそういう話ではないのだ。ただただ私の妄想に付き合ってもらうだけ。ま、毎回私の妄想を書いているに過ぎないような気もしなくもないけど。
で、物質も精神も内包している根源という存在は生命という存在に近いような感じもある。生命だって物質であり精神だ。だが両者には決定的に違うところがある。生命は死ぬが根源は死なない。こういう書き方をすると、それは違うとまた言われそうだね。根源とは無である。そんなふうに考える人にしてみれば「根源は無」を生命に置き換えて表現すれば「根源は死」であると言うかもしれない。だけど、ここでもやはり繰り返します。聞き流してください。私だって実はこの辺はあいまいなのだ。仮にそういうこととして話を進める。

物質も精神も内包したまま根源は在りつづける。根源だから正確にいえば物質や精神以前の何かである。その状態がどんな状態なのか、うまく想像できない。想像できないので想像できるレベルに下ろした場合、精神の根源という側面をもつ以上、精神以前の何かであっても精神活動のようなものはあるだろうト。そんな手前勝手な想像をしてみる。すると、とてつもない孤独感に襲われる。死ぬことも許されず、ただ在りつづける。根源は唯一なのだからほかになにも存在しない。己のみがいつまでもつづくのだ。

案外、私は独りでも平気な性質(たち)だ。無人島でも大丈夫な気がする。サバイバル能力はまったくないので、そういう意味の大丈夫ではなく、独りでも寂しさに押しつぶされることはないという意味での大丈夫である。ま、実際やってみると存外早い段階でわんわん泣き出すかもしれないが。
無人島にいるのは私独り(どうでもいいことだが、私がいることですでに無人島とはいえない。孤島というべきである。)とはいえ大陸にはたくさんの人間がいるのだ。空には飛行機を、海には船を見かけることもあるかもしれない。孤独感も軽減する。
では私が人類最後の一人だとする。いくら独りでも平気な性質とはいえ、この設定は少々キツくなってきた。それでも人類はいないかもしれないがほかの生命はいるのだ。木々が生い茂り鳥が鳴いていれば気もまぎれる。
じゃあ原始地球で独り。この設定はどうか。さすがにキツいね。でも私はまだ泣かないぞ。地球観光をして十分楽しめる。なかなかに往生際がわるいな。だったら宇宙空間に放り出してやる。ここらあたりで降参か。もう泣くしかなさそうだ。あれ? いつの間に孤独の我慢くらべになっていたんだ。

ま、それはさておき、この設定でも実はまだまだ孤独とはいえない。宇宙には星が輝いている。私以外の存在を確認できるのだ。私は独りじゃない。
ここで根源という存在をもう一度考える。世界には根源のほかなにも存在しないのだ。というより、世界がすなわち根源なのだ。根源の抱える孤独感は筆舌に尽くしがたい。その孤独感は哀しみか、それとも怒りか。ともかく激しい感情が蠢(うごめ)くに
違いない。そして大爆発。

なんだそのオチは。それがビッグバンだというの? いや、まあ、書いている私も恥ずかしくなるようなバカバカしさで、子供っぽいなあ、とは思うけどね。ま、ビッグバンのくだりはともかく、根源の抱える孤独感については結構本気で考える。とはいえ、私の想像は人間の精神活動の範囲を出るものではない。そんなもので精神以前の何かである根源の精神活動を推し量るのは間違っている。間違っているとは思うけれど、根源について考えていると、ついついこんな感慨も持ってしまうのである。人間は人間の枠を超えて思ったり考えたりすることはできないのだからしようがない。だけど我々も根源の産物だ。つながっているのだから、当たらずとも遠からずといった感じではないのか。
でもねえ、相転移と考えれば根源と我々は別物といっていい。結局、根源は我々の考えの及ぶところではないと考えるのが妥当かな。根源の孤独なんていうのは私のセンチメンタリズムでしかないということだ。見方を変えれば、根源にいくら手を伸ばしても届かない私のほうが孤絶した存在なのかもしれない。
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