東京科学博物館で開催中の「ワイン展ーぶどうから生まれた奇跡ー」に行ってきました。
ワインの作りかたはもちろん、ブドウの品種や育て方の違いについて、ワインの歴史やグラスの違い、ラベルの見方までワインについての基本的な知識を幅広く学ぶことができる展示でした。
撮影は一部を除いてOKでした。
まずは、ぶどうについての基礎知識から。
”食べる”ぶどうと”ワイン用”のぶどうは種類が違うんですね。
(押し花状の標本が理科室みたいな雰囲気ですね)
(見たことがない大きなぶどう!)
続いて「Zone1:ワイナリーに行ってみよう」。
ワインを作るプロセスをワイナリーのような空間の中で紹介しています。
日本酒やビールと違ってでんぷんを糖に分解するプロセスがなく、果汁をそのまま発酵させているので、プロセスはとてもシンプルに見えます。プロセスはシンプルなのに味も見た目もバリエーションが豊富なのがなんだか面白いです。
(熟成によって色が変化していく様子。白ワインは大きく色が変化するのが面白いです。)
昔ワイン作りに使われていた木製の機械の展示や、自分でぶどうを踏む感覚を体験したり、発酵槽をかき混ぜる模擬体験をしたり…という体験型展示もありました。
(ぶどうの模型を足で踏みます。靴のままでもむにゅむにゅとした感覚が…)
(発酵中の様子の模擬体験。槽をかき混ぜる棒を槽に沈めて行くと、初めは重くある地点でふっと軽くなる…というのが体験できます。なかなかの力仕事!)
最後にビンづめ作業の様子も。ボトルもワインによって様々だし、コルクだけでも素材や作り方の違うものが色々あるんですね。
続いて「Zone2:ワインの歴史」。
(こちらは撮影NGなので写真はありません。)
紀元前につくられたワイン用の酒器(平山郁夫シルクロード美術館所蔵の器がたくさん!)や、日本で初めて醸造されたワイン(!)などが展示されています。
最後に「Zone3 :ワインをもっと楽しむ」。
ワインのラベルの見方や、グラス・デカンタの違いについても展示されていました。
特に面白かったのは、こちらの香りの展示。
「アロマホイール」という香りの系統とそれを表す言葉を環状に示した図です。様々な言葉で香りを表現するんですね。
(54種類の香りを学ぶためのサンプル。こうやって学ぶんですね。)
実際に香りを体験できるコーナーもありました。2つの香りをミックスしたものを当てるクイズもありましたが…なかなか難しい…!
フィンランド沖のバルト海の海底から見つかった、世界最古級・約170年前のシャンパーニュなんてものも展示されています。沈んでいた様子の写真を見ると…なんだかちょっと怖いです…
最後は、アートラベル。
ムートン・ロスチャイルドというワインは、1945年以降、エチケットに有名アーティストのデザインを採用しているそうです。
ピカソにシャガール、カンディンスキー、フランシス・ベーコンや、六本木で大規模回顧展を開催中のニキ・ド・サンファルのラベルも。限られた小さなキャンバスに描かれた作品の展覧会みたいですね。
ワインにあまり詳しくない私は、思わず「ジャケ買い」しちゃうこともしばしば…好きなアーティストの作品が描かれていたら思わず手にとってしまいそうです。
あまり、「科学博物館」らしい展示は少なかったのがちょっと残念ですが、ワインについて幅広く知ることができる展示でワインの世界に足を踏み入れてみるのはいかがでしょうか?
なお、会期中は館内のレストランで赤・白のワイン飲み比べメニューなんていうものもあります。
(私はワイン付きの前売り券を購入してしまいました。)
窓際の席では、科学博物館の展示を眺めながらワインがいただけて楽しいです。
(1階の展示室が見渡せる特等席!!)
ランチタイムは50分待ちでびっくりしてしまいましたが、かなり時間が正確だったので、その間常設展を見るのも楽しいですね。
7月にリニューアルしたばかりの地球館は眼で楽しめる展示も多くて1日楽しめますね。
ワインの知識と味を楽しみつつ、週末を一日科学博物館ですごしてみるのはいかがでしょう?
■ワイン展 -ぶどうから生まれた奇跡-@国立科学博物館(上野)
会期:2015年10月31日(土)~2016年2月21日(日)
開館時間:午前9時~午後5時(金曜日は午後8時まで)
特別開館延長:10月31日(土)~11月2日(月)は午前9時~午後8時まで。
休館:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)、12月28日(月)~1月1日(金)※ただし、11月2日(月)と1月4日(月)は開館。
世界中で古くから愛されてきたワイン。美しい色と香りで私たちを魅了するワインは一体どのような過程を経て出来上がっているのでしょうか。本展では、そのひとしずくに隠されたストーリーを、多彩な資料と映像で科学的かつ歴史的に解き明かします。
※罫線のイラストは、“フリー素材 * ヒバナ”様からお借りしました。ありがとうございます。※
http://hibana.rgr.jp/
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