予想していた以上に面白い展覧会でした!
というのもこの展示、美術館でなくて博物館(しかもはじめて名前を聞く博物館)、入場料も200円と大変手頃だったのであまり大きな展示ではないのかなぁ…なんて思っていたのです。
確かに作品数は多くはありませんでしたが、山口晃さんの作品の中でも「馬」が登場する作品に注目して1990年代から現在までの作品を並べ、なおかつこちらの博物館所蔵の馬の登場する屏風(桃山〜江戸時代のもの)や馬頭観音像、さらには馬の骨までを併せて展示する、というのはとてもユニークで面白い企画でした。
桃山〜江戸時代の古い屏風も山口晃さんの作品のように、非常に精緻な描写のものもあれば、とてもゆるいのに味のあるものまで様々なのが面白かったです。それにしても、山口晃さんの空間の捉え方は本当に面白かったです。ひとつの平面に様々な角度・距離から捉えた像が集まっているのに、なんだかあまり違和感なく見られてしまって… 山口さんの空間の捉え方を、こちらも現在とは違った感覚で空間を捉えている古い屏風絵などと比較して見られるのも面白いなぁと思いました。
会場内には「曲がり家」という、古い家を移築した部屋もありました。
ここは常設展なのかな?と思いながら入ってみたのですが…置かれているものもキャプションもなんだか変!
なんだこれは?!と笑っていたら、これも山口晃さんによるインスタレーション作品だったんですね。ユーモアたっぷりです。
ちなみに、今回の展覧会では「約12年ぶりとなる「厩圖(うまやず)」の新作を披露!」ということだったのですが… 4月末発売という図録には果たして間に合うのでしょうか?!
別の展示室では「坂の上の雲」をテーマにした挿絵風の作品も多数見ることができ、こちらも魅力的でした。
その他、「馬の博物館」の常設展として、馬の進化の過程や家畜としての歴史を紹介する展示もあり、こちらも楽しく見ることができました。(こちらのゾーンは撮影も可能です。)
戦前、競馬場として使われていたというこちらの博物館、花がたくさんの広大な広場もあり今の季節のお散歩にもちょうど良い場所でした。5月29日(日)までなので、気候のよいこの季節、散策と併せて楽しめそうです。
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■DATA■
会期:3月26日(土)~5月29日(日)
時間:午前10時~午後4時30分
休館日:月曜日(但し祝日・振替休日は開館)
山口は、大和絵などの古典的な絵画手法を取り入れ、油絵具を用いた新鮮な表現で、美術界を魅了しています。
今回は、馬の作品に加えて、絵画の題材となっている古典の合戦図屏風、厩図屏風、武者図、そして刀剣、鎧・兜、日本在来馬の標本、オートバイなどを展示します。待望された新作「厩圖(うまやず)」の披露もあり、山口の精緻で魅惑的な作品と馬の博物館所蔵作品(一部借用品含む)とのコラボレーションを是非ご覧いただきたいと思います。
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