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『昭和30年代鉄道原風景:東日本私鉄編』

2021年02月17日 | 折々の読書


昭和30年代に一人のアメリカ人愛好家によって撮影された日本の鉄道写真集のうちの1冊です。コダクロームに克明に残された当時の車両や鉄道の風景は、今では掛け替えのない記録と言えるでしょう。60年以上も前の人々の姿や沿線風景も貴重です。

1枚1枚見ていくと、これが日本の風景かと思えるほどです。何か異国の鉄道風景を見るような錯覚に陥ることがあります。ネットもエアコンもなかった時代、子供たちの瞳までが澄んでいるように見えます。私たちが置いてきてしまったものを感じてしまいます。

おっと、つい感傷的になってしまいました(笑)。実際は、人々はやはり忙しく、ゴミは捨て放題だったし、乗車のマナーもよいとは言えなかったでしょう。なのに、どうしてこんなに懐かしいのでしょう。当時、私は幼稚園から小学校低学年の頃で、僅かな例外を除いてこの本に登場する車両は見たことがないのですが。

鉄道が元気で、多種、多様な車両が活躍した時代に外国人が率直に撮影したカラー写真は何を語りかけているのでしょうか。あれから、都市化、均質化が進行しました。時代の流れでしょうが、この写真集に写された青い空、白い雲が恋しくなります。

表紙の写真のうち上は、昭和32年5月に撮影された草軽電鉄北軽井沢駅の風景。(前回の『失われた鉄道を求めて』の表紙をご参照)

J. Wally Higgins著『発掘カラー写真;昭和30年代鉄道原風景;東日本私鉄編』 JTBパブリッシング、2005年1月刊.


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