かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

ニコチンゲーム

2020年09月26日 | Angels' message
先日、小学校で喫煙防止教室を行った。

毎年依頼してくださるYH小学校で、養護の先生はまだお若いけれど、とても熱心な方で、本授業を維持、継続してくださっている。

1学年140名くらいの比較的大きな学校で、今春は分散登校や自宅学習を余儀なくされた。

校長先生も他校から異動してきたばかりだったそうで「孤独でしたね」と。

6月から本格的に学校が再開されたが、先生方のご苦労はおそらく想像以上のものに違いない。


ぼーっと生きている大人たちにとっては、1年なんてあっという間。
「今年はできなかったけど、来年やればいいさ」なんて言えること、ざらにある。

けれど考えてみれば、子どもは大人の何十倍も何百倍もの速さで日々成長している。
子どもたちにとっては、今は今でしかないのだ。
コロナで失った日常というダメージは、大人のそれとは全く意味が違う。

学校の先生方はそれが身に染みてよーくわかっているから、子どもたちのために本当に奮闘してくださっている。


修学旅行は場所を変更、日数も減らして行う予定だそうだ。
手続きやらなんやら、さぞ大変だったろうと思う。

運動会は保護者の参加を断って来月開催予定。
色々な考えの親御さんがいるから、対応に苦慮されたに違いない。


毎年恒例となった4年生の喫煙防止教室も、直前まで開催するかどうか検討をじゅうぶん重ねた上で決定したとのこと。
本当にありがたい。

4クラスを2クラスづつの2回に分け、窓を全開にした体育館内にじゅうぶん距離を保って座り、全員マスク着用。
折しも台風の影響でびゅーびゅー風が吹いていて、体育館に入ってくるなり「天然のクーラーだ!」と言った子がいた(笑)

私が大声を出さなくてすむようにピンマイクも用意されていた。

8ヶ月ぶり、しかも2授業連続、内容もリニューアルしていたので少々緊張したし、その他のネガティブ事情も重なって、当日朝はお腹が痛くなったりしたけれど、終わってみれば、やっぱり元気になった。


4年生といえば、一番元気な学年。
でも、子どもたちなりにこういう状況をみな理解し、落ち着いて行動しているのがわかって心強く思ったし、家庭や学校での教育が行き届いているのを感じた。

聞けば、クラスをまたいでの集合や、校外講師を招いての授業は今年初めてのことなのだという。


「やればできるってわかりましたね!」

「子どもたちも私たちも、楽しかったですね!」

「さっそく学校便りに載せましょう!」

校長先生や養護の先生はそういって喜んでくださっていたが、だからこそ、クラスター発生などとなってはまずい。

授業を終え、教室へ戻る子どもたちには、「すぐに石鹸で手を洗うのよー」とよびけかけ、私も校長室に戻ってすぐに部屋の洗面台で手洗いとうがいをさせてもらった。


授業では質問時間が多くとれるようにしたので、子どもたちとの対話が充実した。

面白かった質問。

「ゲームにもニコチンが入っていますか?」


もちろん、ゲーム依存はニコチンのせいではないけれど(笑)、子どもの脳は大人に比べて依存を引き起こしやすいことを説明。

「ワタシはゲームは好きじゃないからやらないけど、やったとしても、いつでもやめられるよ」と言ったときのみんなの驚いた様子には、正直驚いた。


対面での相互交流のある授業は、それだけでとても価値があり、子どもたちの血や肉となる。



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