かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

気になったのは

2011年12月08日 | 今日こんなことが
毎週水曜日の夕方のカンファレンス。
患者さんの診断や治療方針、経過などを報告しあう会。

それが一通り終わると、順番で誰か1人が学会誌などに載っている英語論文を紹介する抄読会というのをやっている。

今週は放射線科のE先生。

「今回は、ダメな論文を持ってきました!なぜダメなのかを、これから説明します」

鼻息荒く、こう切り出した。

普段は、どちらかというと、なよなよ・おほほほっていう男性らしからぬ雰囲気をかもし出している先生なのに、なんだかキリリとしている。

要点はこう。

放射性セシウムの発がん性を声高に国会で説明していた高名な教授先生が、その根拠として引用している論文(チェルノブイリ原発事故と尿路上皮系ガンとの関係についてかかれたもの)が、とても疫学的調査とはいいがたい内容である。同じ論旨で書かれた教授先生の著書は、書店で山積みにされており云々


たしかに、福島原発事故による放射能汚染による発がんを心配するよりも、受動喫煙による発がんリスクのほうを心配したほうがいいことを、知らない人は多い。


自然界に存在して、私たちが体内に取り込んでいる様々な放射性元素の量を知ったら、粉ミルクからセシウムが検出されたといって騒いでいるお母さんたちは、いったい次はどんな行動に出るのだろうか。


専門家というのは、どの分野であれ、正しい知識を一般の人たちにわかりやすく啓蒙・教育できなければいけないし、もちろん、正確な情報提供をすることはいわずもがな、である。
私たちも科学者の端くれとして、そのことを充分心に留めておく必要がある。



そんな、いつになく盛り上がった抄読会ではあったが、ワタシが気になったのは、実は違うところ。

論文には、著者の連絡先として、最近はメルアドが書き添えてあるのだけれど、例の引用論文では、@マークの前が教授先生の苗字からつけられたと思われる「○○chan」となっていた。

まっ、外人にはわからないかもしれないけど、専門的科学論文の著者の連絡先メルアドとしては、ちょっと恥ずかしくないかね(笑)
















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