墜落ヘリ同種機に放射性物質 06年米軍HP明記 2013年8月7日 沖縄タイムズ
事故機はHH60ペイブホーク。米空軍ライトパターソン基地(オハイオ州)のホームページにあった「航空機放射性物質データベース」には、同種のH60ブラックホークの主回転翼に、ストロンチウム90が使われていると記載されていた。飛行中の回転翼のひび割れを調べるセンサー用で、量は不明。
嘉手納基地報道部は6日時点で事故機にストロンチウム90が使われていたかは明らかにしていない。
本紙は06年、ホームページを基に米軍に取材し、劣化ウランなど多くの放射性物質が米軍機に使われていたことを報じた。
ストロンチウム90は半減期が約29年。体内に入ると骨に蓄積、放射線を出し続けて骨のがんや白血病などの原因になるとされる。
沖国大の事故では、墜落したCH53Dに使われていたストロンチウム90の一部約1850万ベクレルが燃えたが、米軍は「放射能汚染はない」と主張した。
当時、事故を調査した京都大原子炉実験所の小出裕章助教は
「沖国大事故のように機体が激しく燃えていれば、環境中にまき散らされている。現場写真を見る限り、周辺の森林に付着している可能性が高いのではないか」と指摘。
「ストロンチウム90は水溶性であり、万が一水を介して人体に入れば一生消えない。ダムの水は定期的に調査すべきだ」と話した。
一方、原子力規制委員会のホームページで公開している沖縄本島3カ所の空間線量測定結果では、米軍ヘリ墜落後の5日午後5時から6日午後7時までの数値に、日ごろに比べて目立った変化はない。
名護市の北部福祉保健所では0・026~0・027マイクロシーベルト、うるま市の原子力艦放射能調査施設では0・020~0・021マイクロシーベルト、那覇市の県庁では0・045~0・046マイクロシーベルトだった。
ヘリ墜落事故:米軍、ダム調査を制限
ヘリ墜落地点と水採取地点
【宜野座】HH60救難ヘリの墜落事故から一夜明けた6日午前、宜野座村役場の職員5人が村民の飲料水を取る大川ダムの水質調査に入った。放射性物質で汚染される可能性もあるだけに、墜落現場の地形やダムとの距離など詳しく調べる予定だったが、米兵が理由も告げず拒否。職員の推測では墜落現場とダムの北端は20メートルほどしか離れておらず、今後、汚染物質の流入が判明すれば、長期の取水制限も懸念される。(山城響)全文