お昼が来ると
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父はまた食事の心配をする
だけど絶食になり
とても残念がっていた
そしてまた
キャンセルの手続きを終えたた女性が
病室にやってきた
午後3時くらいに
看護師さんから
印鑑を持ってくるように
促され
ワタシは自宅に取りに帰り
戻ってくるまで
ほんの30分位の間
女性が父に1人で付き添った
ワタシが戻ったときには
また容体が急変しているようで
個室から父の叫び声がする
個室の外にいる女性も
なんだかため息をついているようだった
医師からも
CCUに移動することになるかも
とは言われていたが
移動する前に
鼻から胃までチューブを入れて
栄養を送る処置をしているという
かなり痛いようで
「イタイー!イタイー!助けてくれ、助けてくれ」
父は大きな声で叫びながら
ワタシを呼んだ
看護師さんには
父は自分で食事が食べられるから
やらなくてもいいと
ワタシも頼んだけど
年齢のことを考えて
誤飲性肺炎になりかねないと
説得され
しかもワタシが居ない時
女性からは承諾を得たと言い
そのまま処置は続けられた
看護師さんに
辛いだろうから
部屋から離れていたほうがいいと言われ
ワタシはなんてことか
辛すぎて
耳を塞いでしまった
目からは涙が
鼻から鼻水が
溢れ回して
顔中ぐちょぐちょになっても
塞いだ耳から手を離せなかった
そして
女性には
ワタシが付き添うことを伝えて
一旦自宅に帰ってもらったのだ
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怖くて
兄にはその事を
メールで伝えられなかった
兄が来てくれるまで
待とう
とにかく待とう
そして
父からもう離れないでいようと
処置が済み
CCUに移動した
父の側にぴたり
寄り添った
つづく