
30分おきぐらいに

看護師が痰を取りにやってくる
のどちんこでも引きちぎられているのかと
思わんばかりの痛がりに痙攣
それが正しいのかは
ワタシにはわからないが
辛そうに見ているワタシに
看護師さんから
部屋から離れているように言われたが
父と手を握り合ったまま離れなかった
一度、同じ看護師さんが
痰を吸引しているとき
やはり父は痙攣をし
別のベテラン看護師さんのような人が
吸引の手を止めさせ
カーテンの外で
指示だか指導だかしているのを見たときは
怖くなった
同じように
この日
尿管から管で尿をためる袋に血尿が少したまっていたので
医師を呼んでもらい
腎臓なのか、膀胱なのか
尿道なのか
問題が起きているのでは、と
色々尋ねると
女性研修医は
別の当直医師を呼び
相談をしながら
少し様子を見ようということになり
結局原因はわからなかった
肺炎では
よくあることなのか
専門的なことはわからないし
ワタシが納得がいかないからといって
記事にしても仕方がない
父も生き還りはしないのだから。。。
そして
午後8時をすぎ
「お兄ちゃんが、そろそろ帰るよ」
そういうと
父は笑顔で頷いた

父には
「下まで、お兄ちゃんを迎えに行ってくるね」
父は消えそうな声で
「ビールを、買って、一緒にっ、、、帰る」
ワタシは
「後で一緒にビールを買いに行こうね」
そう言っているときに
また看護師さんに
静かにするように
注意を受けてしまった
お互い手をギュッギュッと
握り合って合図を送り合い
看護師さんには
「兄を連れてくるまで、父をよろしくお願いします」
そう言って
兄を迎えに行き
戻ったときには
父は手の力もなく
呼んでも返事はなく
看護師さんに
「父が動かないんですけど、さっきまで指も動いてたのに、手がブランってなってて」
慌てて言うワタシに
看護師さんは
「眠ってらっしゃるだけですよ」
そう言ったのだ
でも
そのまま意識は戻らず
朝には医師から
人工的に呼吸ををしていても
いずれか止まる
その説明どおり
9月3日4時56分
父は息をひきとった
悪魔のような女性のもとを去り
慈愛に満ちた優しい母のもとに
旅立って行ってしまった
看護師さんに
「はじめに来ておられた娘さんは?」
そう聞かれたので
「娘はワタシですが」
ワタシは5日間で
見た目がすっかり変わってしまっていたのだ
兄もワタシを見て
本当に心配をした
あの女性はといえば
夜は
睡眠薬を飲んで
ぐっすり眠り
日中は長く病室にいないのだ
父につきっきりだった為
ワタシは女性が何をしていたのか
気づけなかったが
通夜
葬儀が済み
色々なことが
発覚することになる
つづき
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