てんやわんや アメリカ 犬育て

飼育放棄された「ゴールデンレトリバーのチャーリー」&
保護犬だった「雑種ユキ」との犬バカ日誌でございます♪

犬と貧困 そしてサポート

2014-03-22 | アメリカ 犬 & 動物事情

以下は3月13日付けのYahooニュースからです。
(長文ですので苦手な方はパスして下さい)

原文のタイトルは
Dachshund Left at Shelter with Heartbreaking Note
Will Reunite with Owners


「悲嘆なメモと一緒にシェルターに置いていかれたダックスフント、
飼い主と再会できることに」と言った内容の記事です。


アメリカ、ロサンジェルス近郊の動物保護シェルター
「Baldwin Park Animal Shelter」の外に
老夫婦がメモ書きと一緒に13歳半のダックスフントを繋ぎ立ち去りました。
メモには以下の内容が書かれていました。

----------------------------------------------------------------------
私たちの犬は13歳半です。昨日から血便、嘔吐しており
病気の症状があります。皮膚病も数年間患っています。
私たち飼い主は共に老齢で病気です。そしてお金がありません。
動物病院へ支払う診察代も、ましてや安楽死させてやるお金もありません。
この子(ダックスフント)は私たちと離れて暮らしたことが無く
一緒でないと生きていくことができません。
どうか安楽死※させてやって下さい。
----------------------------------------------------------------------

※アメリカでの考えですが、
飼い犬や飼い猫のQOLが著しく低いと判断された場合、
注射(薬物)による安楽死を選択するのは飼い主の
責任の一つと捉えられています。
無駄に苦痛を長期化させず楽にさせると言う考えからだと思われます。

この飼い主夫婦は断腸の思いでこのダックスフントを
シェルターに置いていったのでしょう。
メモからは自分達は病気でしかも貧困と言う問題を抱え
犬も病気を患っていて自分達がいないと生きていけない…
八方塞がりで辛い状況からの悲しい選択だった事が伺えます。


しかしこのダックスフントを保護したシェルターの職員は
安楽死させることなく「Leave No Paws Behind, Inc」と言う動物保護団体に
連絡を取ったのでした。
「Leave No Paws Behind, Inc」は年老いた老犬や傷ついた犬を中心に、
フォスターケア(里親が見つかるまでの一時預かり)や里親探しの活動をしています。
このダックスフントも即保護され「ハーレイ」と名付けられました。

獣医に診せたところ、このダックスフントは治療できるばかりでなく
あと数年は生きれそうだと言う診断結果が出ました。

保護団体はこのメモの文面からすると、
飼い主の老夫婦はこのダックスフントの面倒をきちんと見ていて
とても可愛がっていたのだろうと判断し、
老夫婦に連絡を取る事にしました。

老夫婦は名乗り出て状況を説明。
それによると二人共病気を患っていて、自分達の病気の治療費も払えず、
車のタイヤを買うこともできない(アメリカでは車が足です)と言うことでした。

実は老夫婦はこのダックスフント(本当の名前はオットー・ウルフガング・マキシマス)を
獣医に診せており、その時に「とても高額な検査をしなければいけない」
と言われたそうです。
しかし治療費や検査料は高額で支払えない、
安楽死をしてやるにも費用が高すぎて払えないと分かった時
二人はとても感情的になり、もうシェルターに置いてくる事しか方法はないと思った
(シェルターで安楽死してもらう)そうです。

老夫婦の生活はとても苦しく、その日暮しならぬ週単位の生活で
自分達の病気も病院で診てもらうお金がないため
治療も行えない状態にあるとのことでした。

オットーを保護した「Leave No Paws Behind, Inc」の
創設者であるToby Wisneskiさんによると
「保護される98%の動物は自分達(保護団体)の管理下に置かれていますが、
1~2%は飼い主がとても愛しているにも関わらず
飼育を放棄しなければいけない状況にある動物たちです」と語っています。

Wisneskiさんはオットーをこの保護団体で一時預かり扱いとしてケアし、
老夫婦を親と見なしてオットーに週一回会いに来れるようにし、
老夫婦がオットーと暮らせる生活が整い次第(飼育権利を)返す事にしました。
今後オットーにかかるご飯代や治療費は団体側が工面するとも。

老夫婦はカリフォルニア州外に住んでいます。
オットーをカリフォルニアのシェルターに置いていった時は
遠征のような旅だったのでしょう。車のタイヤを購入することができれば
彼らは月末にオットーを迎えに来るとのことです。

「ペット保険ゾーン」と言うサイトによれば
現在動物病院でかかる平均診察代は
猫で$190(約1万9千円)、犬で$360(約3万6千円)で、
1998年から2006年までの間に実に64%も高騰しました。

しかも安楽死させるのも安価ではありません。
獣医料や火葬代など入れると$150~$800(約1万5千円~8万円)と
サービスによって価格は変わりますが高額です。

「National Council on Pet Population Study and Policy (NCPPSP)」
によるとシェルターに持ち込まれる13%の犬は
「経済的に維持が無理になった」や「(病気などの)個人的な問題」
「犬自身の病気」を理由に捨てられています。
そして毎年150万頭~350万頭の動物達が飼い主によってシェルターに
持ち込まれて(捨てられて)います。

Wisneskiさんは「多くのローカルシェルターやレスキュー団体が
経済的な援助なども支援しているので、捨てる前に
そのような事も調べるべき」とも言っています。
また「Leave No Paws Behind」ではQOLが著しく低いペットの安楽死について、
経済的な理由でできない飼い主達のために基金を設立しているそうです。

個人的にはシェルターや動物保護施設と言うのは本来こうい飼い主のために
あるべきなんだと思います。

人間も生きていれば何があるか分かりませんし
ペットを飼うにもお金はかかります。
経済的困窮や病気などが理由で飼育できなくなった場合、
即殺処分ではなくサポートする動物保護団体が存在する社会作りは
必要だと思います。

しかし飼ったはいいけど飽きたとか、引越しするからとか
離婚するからとか、思っていたのと違うとか、
成犬(猫)になったからなどのふざけた理由で
ペットを捨てる人たちには何かのペナルティーを与えた後、
今後一切ペットを飼えない状況に法律でどうにかしてほしい
と過激に思ってしまいます。

最後にアメリカの医療費問題はまだまだ深刻です。
皆保険制度ができましたが、加入している保険の種類によって
自己負担額に大きな開きもあり、日本の保険制度ような感覚や
平等には程遠いです。と、この話しはまた次回…


以上かなり長文ですが、
このダックスフントと老夫婦が今後幸せに暮らせるように
との願いを込めて取り上げてみました。


おわり

※上記写真は「Leave No Paws Behind, Inc」のフェイスブックからです。


「オットーと老夫婦に幸あれ」と思った方も「文長いわっ!」と思った方も
ポチっとよろしく♪
にほんブログ村 犬ブログ 犬 海外生活へ
にほんブログ村