てんやわんや アメリカ 犬育て

飼育放棄された「ゴールデンレトリバーのチャーリー」&
保護犬だった「雑種ユキ」との犬バカ日誌でございます♪

アメリカ ペットショップと繋がるパピーミル(動画)

2014-04-25 | アメリカ 犬 & 動物事情

いきなりですが「パピーミル」とは?

このブログでも何度かこの件について記述していますが、
パピーミルとは劣悪な環境の中、営利目的に子犬を大量生産させる
「子犬生産工場」のことです。

パピーミルで消耗品のように扱われる犬(繁殖犬)たちは
健康面、精神面、衛生面の全てにおいて考慮されず
狭いケージに一生閉じ込められ、愛情などは受けず、
時には水や食事さえも不十分で、ただただ子犬を産まされ続ける
まさに地獄のような環境下に置かれています。

純血犬同士を交配する際には
犬種特有の遺伝疾患には十分な注意が必要なのですが、
パピーミル業者は子犬をペットショップに卸して
儲けが出ればそれでいいので、遺伝疾患などには
全く無頓着で責任も持っていません。

そしてその様な場所で生産された子犬に
「血統書」を付けて高値で販売するのが
「ペットショップ」や「インターネット販売」をする業者です。

ペットショップやネットで子犬が販売されるまでには
間にブローカーが入るのが一般的ですが、
パピーミルがブローカーを兼ねている場合も多くあります。

ペットショップやネット販売でペットを購入すると言うことは、
ブローカーやパピーミルにもお金が流れ、
結局それらの業者を儲けさせる形となります。

しかし残念な事にパピーミル業自体はどの州でも違法でないため、
現在アメリカには約1万ものパピーミルが存在するとされています。

各州法でライセンスや監査などを強いる州もありますが、
通っている動物法が少ない、規制がゆるい、
さらには全く野放しの州もあります。

パピーミルが存在する場所ですが、
共通して言えるのは人目に着かない所です。

都会や住宅街などの場所ではパピーミル業は無理なので
そのほとんどは田舎で、隣の家が見えないような敷地面積の広い
一般家庭で行われていることが多いです。

その実状は目を覆いたくなるような悲惨な場合が多く、
虐待に近いネグレクト、人道に反する動物の扱いなど
業者の神経を疑わずにはいれない管理状況です。

しかし通報や告発によってその劣悪な状況が明るみに出た場合、
地元警察や当局が調査し、特に規模が大きい場合には
全米動物福祉団体の「The Humane Society of the United States」や、
米国動物虐待防止協会の「ASPCA」などが
連携して大型レスキューに向かいます。

今まで数々の大型レスキューを行って来た2団体ですが
現状改善には法の力によってペットショップを無くし、
ネット販売を禁じ、子犬を卸す場所を無くすことしか
パピーミルの完全撲滅は難しいかもしれません。

そしてドッグショーなどで有名なAKC(アメリカンケンネルクラブ)ですが、
登録しているブリーダーの中にパピーミル業者が存在していた
ことが
発覚しています。

この件に関して上記の「全米動物福祉団体」が「AKC」に質問したところ
AKC幹部は「登録ブリーダーの全ては把握していないので分からない」と
答えています。チャンピオン犬がどうとか言っているわりには
登録ブリーダーに関して管理がずさんで驚きました。

しかもAKCに上納されるこのブリーダー登録料は、
日本円にして毎年約25億円にも上っています。
個々のブリーダーの質や管理よりも
登録料を上納さえすればいいんですね…AKCさん。

と、今回はあまり多く書く気はなかったのですが、
また長くなりそうな気配なので…(すでに長い)

百聞は一見にしかずと言うことで、
以下は2014年2月27日にアーカンソー州のパピーミルから
The Humane Society of the United States」が
180匹以上の犬とその他の動物を
大型レスキューした時の模様です。

英語ですが一見して状況は把握できると思うので、ぜひ↓




かみ合わせが悪く、口が閉めれない状態で
ご飯もろくに食べられなかったであろうテリア系の犬や、
背骨の変形した犬、毛が伸びすぎて二重の塊りになってしまった犬など、
繁殖犬たちの管理状態は最悪です。

パピーミルの典型である積み重なった狭いケージに
入れられている犬は少なかったものの、
劣悪な環境のパピーミルであることに違いはありません。

しかしレスキュー団体が入ったことにより
このパピーミルにいた繁殖犬や動物たちは悲惨な状況から解放されます。
レスキュー後は獣医の診断を受け、
里親探しのアダプションに出される準備がなされます。

今まで辛かった分、このパピーミルにいた全ての犬たちが
今後は幸せになってほしいと願うばかりです。

と言うことで今回は少し重い内容ですが
やはりアメリカで犬たちが置かれている真の現状を
見て見ぬフリはしたくないので書き留めました。

そして最後に…「日本ではどうですか?」


おわり


パピーミルに反対の立場の方、ポチっとよろしく!
にほんブログ村 犬ブログ 犬 海外生活へにほんブログ村


7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ペットショップ反対! (ちょし)
2014-04-28 22:55:17
pollyさん

やっぱり「純血で流行の犬種」を求める人が多いのも
問題ですよね。
流行の犬種が出た後、その犬種が保健所や
シェルターに増えると言うのもなんだかなぁ…です。

ほんと高額な値段が付いていることにもムカつきます。
ペットショップと裏のつながりが儲けてるだけなのに…

あと日本の場合、たまに悪徳ブリーダー崩壊とかで
レスキューに向かって悲惨な状況が明るみに出ていますが
崩壊せずとも業者が非人道的な営業をしていると
明らかにわかっている場合、
動物法などで営業を差し止める権限は
誰か持っているのでしょうか? 気になります。

>外で飼われているわんこ

これも昔ながらの感覚が残っているのでしょうね。
犬は外でつないで番犬とか…
寒さ暑さや雨がしのげないのは虐待なので通報したいです。

ペットはみんな大切に扱われるべきですよね。
放棄、虐待、ネグレクト、全部許せないです。
返信する
Unknown (polly)
2014-04-28 15:48:41
最近、日本では年配の方が小さ目のわんこを連れているのをよく見かけます。きっと、ペットショップで飼ったんだろうなぁ~って。モールにあるペットショップに群がる人...確かにかわいいんけどね...そして驚くべき金額です。
お金を出さなくてもかわいいわんこ達との生活は実現できる...と、耳打ちしたくなります。
ペットショップがなくなればいい...って本当に思います。
アメリカでもそうだと思いますが、ペット格差もすごいなぁ~って思います。すごく大切にされるわんこと、そうでないわんこの差が凄すぎます...
寒い中、暑い中、雨のなか、外で飼われているわんこを見ると涙が出る思いです。
毎日、ネットでいろいろと読み、職場でシクシク泣いている怠けた職員な私です...
返信する
Unknown (ちょし)
2014-04-28 14:03:28
pollyさん

またまた泣かせてしまってすみません

こんな現状が一日も早く改善されてほしいです。
そのためには「ペットショップでペットを購入しない!」
ですよね。
返信する
Unknown (polly)
2014-04-28 10:08:57
職場にてまた泣いてしまいました...
返信する
いやぁ~ん(笑 (ちょし)
2014-04-28 00:21:38
モヘアさん

いえいえ大丈夫ですよ~
気になさらないで下さい

動画、本当にかわいそうですもんね…
レスキューされたから良かったものの
あの状態でずっと暮らしていたと思うと胸が締め付けられます。

やっぱりオーストリア、さすがですね
ドイツの「ティアハイム」的な施設もあるんでしょうか?

ペット事情、ヨーロッパと比べるとアメリカはまだまだ
遅れをとっています。

ペットショップが存在するので
このようなパピーミルが蔓延るのですが、
店舗密度としては日本と比べると低いと思います。

人々の意識も「ペットはシェルターからアダプトする」
と言う人もかなり多いのですが、
動物福祉のレベルが州や街によって格差があります。

個人的に思うのは動物に対しての「人種間での差」もかなり大きいと感じています。
そこの所はまた次回にでも書きますね。

私も断耳、断尾には大反対です。ケンネルクラブを筆頭に
見た目重視で虐待まがいのスタンダードは
この時代、必要ないと思います。
行き過ぎた犬の品種改良は
人間のエゴにしか思えないこの頃です。

ブリーダーはパピーの幸せを一番に考える、
ほんとこれに尽きますよね。
犬種の存続に真摯に向き合っているブリーダーは
そんなに儲けも出ないと聞きました。

と、長くなってしまいましたが、
重い内容にコメントありがとうございました。

モヘアさんブログ、また伺いますね~♪
返信する
いやぁ~ん。はじめましてじゃないです。 (モヘア)
2014-04-27 16:59:10
ごめんなさい。
私、動画のショックで気が動転してしまって・・はじめましてじゃないのに、はじめましてって書いちゃいましたぁ~~
ああ・・どうしましょう。。
オロオロ・・・
返信する
Unknown (モヘア)
2014-04-27 16:52:11
はじめまして。オーストリアのウィーンに住んでいます。

動画を見せていただいて、涙が止まりません。
辛いです。。。

オーストリアは、アメリカや日本と比べて格段に動物愛護先進国です。
ペットショップで仔犬や仔猫をゲージに閉じ込めて販売することは法律で禁止されています。
オーストリアには殺処理場がありません。
殺処理は禁止されています。
売れ残ったパピーちゃんを・・とか、捨てられた動物を・・とか、そんなことはオーストリアでは考えられません。
ドーベルマンなどに見られる断耳や断尾も禁止されています。
動物の権利・保護の法律が、動物側に立って決められています。

先週、私もこの地で仔犬を譲りうけてきました。
ブリーダーさんは最初私たち夫婦に警戒しました。
彼らはお金さえ出せばだれにでもパピーを譲るという考え方はしていません。
パピーが本当に幸せに暮らせるかどうか審査します。

なんだか長くコメントしちゃってすみません。
書いても書いても書き足りないような・・そんな気持ちで・・・とりとめなく書いちゃいました。
返信する

コメントを投稿