雨が一日中降り続く6月のある日、
一匹の毛の長い男が暇を持て余していた。
ストレッチ代わりに伸ばした足と手はベッドからはみ出て、
上から見るとムササビ飛行中のような状態になっていた。
その柔らかい体を伸ばしたまま一つあくびをすると、
頬の上部まで裂けた口が一層大きく見えた。
いつもなら太陽に透けると金色に輝く体毛も
トイレに行った先で雨に打たれたからか
いささか茶色っぽく見える。
それでも少し湿った毛はいつも以上にカールがかかり
後姿は一昔前のアルフィー高見沢の金髪時代
のようにも見えなくもない。
耳の後ろ毛は男の意に反して
乙女以上ににフワフワカールしている。
細い目を一層細くして男は言った。
「リラックスタイムは終わりだ」
そんな男のリラックスタイムの一部始終をドアの隙間から
そっと覗いていた女がいた。
女は一瞬「はっ!」となり
ドアの後ろに隠れて息をひそめた。
まさか気付かれていまいと。
男は振り向くでもなく
しかしあごが肩先に触れる前に言った。
「俺の後ろに立つな、命が惜しければ…」
ひっ!見破られている。
目が細いわりにはかなり広範囲で見えるものだ、
と感心している場合ではなかった。
一瞬にしてその殺気にも似た空気を放った男。
「も、もしや、ゴル13?!」
話す事と言えば老後の話しが日課の女は
今消されてなるものか、と言う思いが頭をよぎる。
命が惜しい。
女はいそいそとその場を立ち去った。
足音を立てないように気使いながら。
窓に当たる雨の音が一層激しくなり
遠くで雷が鳴っている。
あれから何分経ったのだろう。
ロッキングチェアーにもたれかかった女は
少しウトウトとしかけていた。
と、その時だった。
「ゴロゴロゴロッ、ビリッ、ビリビリッ、リッ」
雷の音とにわかに相違する音がドアの向こうから
聞こえてきたのだった。
「もしや!!や、やられた!!」
誰がやられたのか?
女が急いでドアを開けると、そこには仕留められた獲物
切り裂かれたアンドリュージャクソンが
その後、女とゴル13の立場が逆転したのは言うまでもない。
しかし反省の色を少しも見せなかったゴル13。
ハードボイルドを貫くのも時にはつらい…
注): このストーリーは事実に基づいたフィクションです。
尚、ゴルゴ13さんとは何の関係もありません。 あしからず。
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ちょしさん、ええわーこれ
この小説、連載でいきましょう!!
しかしゴルゴ13、獲物にお札を選んだらあかんわ
ベンジャミン・フランクリンでなくてよかったね
連載OKっすかデスク!(笑
毎月13日はゴル13の日に決定(でも予定は未定)
ほんまお札はいかんでしょ。
「20ドル殺」になってしもたがな…
「100ドル殺」やったらゴル13を銀行に連れて行って
犯人はコイツですって言います(笑
と言うかこっちって銀行で新札に取り替えて
くれるサービスあるんやろか?