昨日土曜日、郵便物の中に「ASPCA」カレンダー2014年度版が入っていました。
オーダーしたわけではないけれど、いつも忘れた頃に雑誌とか
レターセットとかステッカーとかいろいろ届きます。
しかしもう2014年が迫ってきてるのですね。早い、早すぎる…
ASPCAとは「The American Society for the Prevention of Cruelty to Animals」
の略で「アメリカ動物虐待防止協会」です。
世界で一番古くからあるイギリス動物虐待防止協会の「RSPCA」をモデルに
1866年にアメリカで設立されました。
創設者のHenry Berghは子供の虐待防止協会の創設にも関わった人です。
本部はニューヨーク市にあり、テレビの番組「アニマルプラネット」で放送されていた
「アニマル警察」は結構有名ではないでしょうか。
動物虐待の通報を受け調査、虐待されている動物の保護、犯人逮捕、裁判という流れで
口のきけない動物に代わって動物の権利を守るのが主な活動内容です。
その他にも犬猫の里親探しや災害が起こった時などは
HSUS(The Humane Society of the United States)と連携して大規模な動物レスキューをしたり、
ペットショップと繋がるパピーミル(子犬生産工場)からの大型レスキューなども行っています。
ASPCAは非営利団体なので運営資金は支援者からの寄付金で成り立っています。
アメリカは寄付大国なので寄付で運営されている団体は星の数ほどもあります。
そのせいか、なんでも「寄付して」と言う風潮に正直ウンザリになっている人も多く、
特にASPCAなどの大きな団体は寄付金の収益も巨額になるので
その事自体を快く思っていなかったり、
CEOの給料が高額すぎると言って批判的になる人も多くいます。
そんな中、ASPCAが社会的にも金額的にも痛手を負ったとされる訴訟問題があります。
Ringling Bros and Barnum & Bailey Circusというサーカス団が使用している象の管理を巡り、
動物虐待に当たるとしてASPCAが提訴していた裁判が12年にも渡り長期化してしまいました。
結局2012年に提訴取り下げと言う形で和解する事になり、
日本円にして約9億円にもなる和解金をASPCAがサーカス団側に
支払わなければいけませんでした。
(裁判中、元サーカス従業員の証言者に高額な賄賂を渡すなど諸問題含めての和解)
それらの高額な和解金や賄賂は寄付金から支払われているなど、
本来動物福祉に使われるべき寄付金がサーカス団や元従業員に渡ってしまって
支援者達はやはりいい気分はしません。
そしてその時期(2012年暮れ)に寄付を募るコマーシャルを
テレビ等で頻繁に流していた事。裁判は和解と言う形でしたが、
結局巨額の和解金を支払わなければいけないし負けたも同然です。
支援者からの寄付金で資金補充しようとしている事が明るみに出てしまい
世間からさらに反感を買う羽目になってしまいました。
しかも結局「虐待されているであろうサーカスの象の立場」は何も変わっていません。
他の動物福祉団体はまだこのサーカス団を訴える姿勢ですが…
ASPCAがこの訴訟で失ったものは大きかったと思います。
しかしだからと言ってASPCAを責め立てるのも何か違う気がします。
上記のように失敗した時の痛手も大きいですが、
この規模があるからこそ扱う案件も大きく、動かせる部分も大きいのであって、
個人が動かせる範囲ではない事をやっているわけですから。
責められるべきは象を虐待をしている疑いがあるサーカスでは、と強く思います。
今時、調教された猛獣を使ったサーカスを見に行って楽しめる人がいる事に驚きですが…
ASPCAは約150年に渡り動物福祉の向上を目指し
動物の権利のために草の根から運動してきた団体です。
そして今日も動物の立場改善に尽力し続けています。
個人的にはこの裁判、ASPCAに勝ってほしかったですが
まぁ世の中理不尽な事が多いわけで…
ASPCAにはこれからもがんばっていってほしいと思っています。
と言う事でカレンダーが届いたので、チトこんな事を書いてみました。長いわっ!
おわり
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