今香港にいるのですが、ここ2、3日香港芸能界は房祖名(ジェイシー・チェン)の大麻吸引の話題で持ちきりです。8月20日の新聞には、1面にでかでかと「房祖名、8年間にわたって大麻を吸引と供述」などという見出しが躍り、北京の豪華マンションで中国警察に逮捕された時の様子が報じられていました。この時も100gを超す麻薬を所持していたとのことです。ジェイシーのマンションではたびたび大麻パーティーが行われていたようで、同時に捕まった台湾の若手俳優柯震東(クー・チェンドン)は、ジェイシーのマンションで2年前に初めて吸った、と供述しているとか。中国語の記事はこちらとかをどうぞ。
少し前に浦川とめさんのブログで、張耀揚(ロイ・チョン)がやはり北京滞在中に麻薬吸引で逮捕された、という記事を見て「!」と思っていたのですが、今度はジャッキー・チェンの息子という大物だったので、よけいに大きく報道されているようです。とはいえ、8年間続いているということは、立派に麻薬中毒患者。ジャッキーも監督責任を感じていると発言していますが、まだまだ逮捕者が出るかもというのが大方の予想のようで、香港ならびに台湾&中国の芸能界は当分大麻事件で激震が続きそうです。
そんな香港、昨日からいいお天気になり、気温がまた上がり始めました。会った友人の話だと、先週は暑くて36度の日もあったそうです。香港名物のソフトクリーム売りも大人気。でも、1個9HKドル(約120円)にもなっていてびっくり。バス代始め、じりじりと値上がりしている香港です。ソフトを買っているのは、インドかパキスタンから来たとおぼしき3人組のお兄さんたち。どれにするかでしばらく迷っていてほほえましかったです。
こちらは、その夜出会った救急車。こんなかわいい救急車なら乗ってみたい? 昼間のアイスクリーム車を思い出して、歩きながらついパチリしてしまいました。
さて、そんな香港で今のところ3本見ました。
『等一個人珈琲(誰かを待つカフェ)』 予告編
2014年/台湾/英語題名:Cafe・Waiting・Love
原作・脚本:九把刀(ギデンズ・コー)
監督:江金霖
主演:頼雅妍(メーガン・ライ)、宋芸樺、布魯斯(ブルース)、藍心湄、張立昂、周慧敏(ヴィヴィアン・チョウ)
『あの頃、君を追いかけた』(2011)の九把刀監督が原作・脚本と聞けば大納得の青春映画。ちょっと浮世離れしたところがあるのも、彼ならでは。主人公を演じる新人の2人、宋芸樺と布魯斯がチャーミングで、演技もがんばっていて引き込まれます。それにメーガン・ライの変身も魅力的。ボーイッシュな格好がこんなに似合うなんて、と目が離せませんでした。布魯斯のビキニ姿(戸外での撮影の時、恥ずかしくて大変だったらしい)とか、防腐剤かけまくりの白菜とか、突然髪の中から現れるソーセージとか、ブッ飛んだ存在がいくつも出てきますが、最近の台湾映画はこういう物使いが多いので、だんだん慣れてきました。ヒットしそうですね。
『看見台湾(台湾を見る)』 予告編
2013年/台湾/ドキュメンタリー/英語題名:Beyond Beauty - TAIWAN FROM ABOVE
プロデューサー:侯孝賢(ホウ・シャオシェン)
監督:齊柏林(チー・ポーリン)
ナレーション:呉念眞(ウー・ネンチェン)
台湾をくまなく空撮した映像で、その美しさには圧倒されます。特に前半は海と山が中心で、美しさに息を呑むこともしばしば。後半、その美しい台湾が各地で汚染されている情景も写されていきます。その頃になると呉念眞のナレーションが多くなりますが、前半はほとんどナレーションはなく、『セデック・バレ』に主演した林慶台(リン・チンタイ)の歌などが流れ、映像をひたすら見せていきます。そのあたりで、台湾の各地に馴染みがないとちょっと退屈してしまうかも。監督はカメラマンで、公務員として20年間空中撮影に従事していたとか。台湾では、ドキュメンタリー映画としては異例のヒットとなりました。
『弁護人』 予告編
2013年/韓国
監督:ヤン・ウソク
主演:ソン・ガンホ、キム・ヨンエ、オ・ダルス、イム・シワン
もう皆さんご存じでしょうが、故盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の若き日を描いた作品です。1978年の釜山から始まって、当初不動産登記や税務といった弁護士がやらない領域から始め、ついには国家安全法に背いたとして起訴された被告人を弁護する、人権弁護士へと成長していく姿を描きます。高卒だったこと、貧しい家の出身であることなどで他の弁護士に白い目で見られながらも、正義を貫こうとする主人公の姿を、いつもにも増してガンちゃんが熱く演じています。
脚本も非常にうまく、全斗煥(チョン・ドファン)の軍事政権時代に「アカ(共産主義者)」だとでっち上げられた青年たち、彼らを捕らえて拷問にかけた刑事たち、裁判をゆがめようとする検事や裁判官などをリアルに描いて、後半の裁判シーンは手に汗を握る面白さ。ことに、警察の責任者役のカク・トウォン(上)の憎たらしさは、もう絶品と言っていい演技です。ガンちゃんの弁舌や論理も冴えまくり、韓国で大ヒットしたのもうなずける出来でした。日本でもきっと公開されると思うので、楽しみにしてお待ち下さいね。
香港では、インド映画は残念ながら上映作品なし。そうそう、今日は油麻地の天后廟に行って、『バルフィ!人生に唄えば』のヒット祈願をしてきました。天后様だと、少々担当案件が違うような気も(笑)するものの、お心が広いので何とかして下さるでしょう。平日の初日、お客様の出足がちょっと心配ですが、明日から週末なので、今後に期待しましょう。