毎回好評をいただいているインド映画連続講座、第Ⅳ期<3>は「衣」に続く「食」です。
スペース・アーナンディ/インド映画連続講座第Ⅳ期
「映画で知る! インド人の生活」
<第3回>食文化を知る!~映画に見る食の役割と作法
スペース・アーナンディでは、毎年1つのテーマで行う「インド映画連続講座」を開催中ですが、第Ⅳ期は「映画で知る! インド人の生活」と題して、現在のインドの生活がよくわかるパートを映画から拾う試みをしています。映画はフィクションですが、多くが現実をもとに作られており、インド人のライフスタイルや考え方が映画に色濃く反映されています。実際には入り込むのが難しい場所でも、映画なら見せてくれるシーンも多く、インド人の生活の一端を知るには、映画は最適のツールです。
今回取り上げるのは、日本でも人気のある「食文化」。インド映画の中で食文化が重視されるようになったのはごく最近で、やっと21世紀に入ってから、『砂糖は控え目』(2007)、『ウスタード・ホテル』(2012)、『めぐり逢わせのお弁当』(2013)等の、食文化が大きな役割を果たす作品が生まれるようになりました。今回はまず、インドの食文化の基本的情報を整理して認識していただき、それから映画の中での使われ方を見ていきたいと思います。とはいえ、地方地方によっても、各宗教によっても、また極端に言えばそれぞれの家庭によっても違うのが食文化。取り上げることができるのはほんの一端だけですが、多様なインド食文化への入り口となれば幸いです。当日は、お菓子の試食用おみやげも予定しています。
なお、メインの講座と抱き合わせで開催してきた「映画で学ぶヒンディー語塾」では、今回はヒンディー語で書かれたレシピ本から例を取って、「食文化ヒンディー語」を見てみましょう。ヒンディー語が初めての方でも大丈夫、カタカナ書きが付いているので、その通り読めば意味が通じてしまいます。30分間の濃密なヒンディー語学習体験をどうぞ。
日時:2020年 4月18日(土) 15:00~17:30 (お好きな回をお選び下さい)
5月16日(土) 15:00~17:30
場所:スペース・アーナンディ(東急田園都市線高津駅<渋谷から各停18分>下車1分)
定員:20名
講座料:¥2,500(含む資料&テキスト代)
講師:松岡 環(まつおか たまき)
ご予約は、スペース・アーナンディのHP「受講申し込み」からどうぞ。ご予約下さった方には、ご予約確認と共に、スペース・アーナンディの地図をメール送付致します。床におザブトンをひいて座っていただく形になりますので、楽な服装でお越し下さい(申し訳ないのですが、スペースの関係上イス席はご用意できません。悪しからずご了承下さい)。皆様とお目にかかれるのを楽しみにしております。(松岡 環)
[講師紹介]1949年兵庫県生まれ。大阪外大(現大阪大)でヒンディー語を学び、1976年からインド映画の紹介と研究を開始。1980年代にインド映画祭を何度か開催したほか、様々なインド映画の上映に協力している。『ムトゥ踊るマハラジャ』『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』『きっと、うまくいく』『パッドマン 5億人の女性を救った男』など、インド映画の字幕も多数担当。著書に、「アジア・映画の都/香港~インド・ムービーロード」「インド映画完全ガイド」等。
食文化が映画の中で描かれるようになったのは、やはり21世紀になってからでしょう。とはいえ、それ以前にも印象的な「食」の場面はたくさん登場しています。サタジット・レイ監督作『大地のうた』(1955)の中で、家が貧しいオプー少年とその姉ドゥルガは、野に生えている植物の実を食べていましたし、天秤棒をかついだお菓子屋さんが村にやって来ると、ものほしそうにその後を付いてまわっていました。また、『サラーム・ボンベイ!』(1988)では、主人公の少年クリシュナが配達するガラスコップのチャイが人々の喉を潤していました。最近では、『スタンリーのお弁当箱』(2012)や『めぐり逢わせのお弁当』(2013)の何段にも重なったお弁当も印象に残っていますね。そういった様々なシーンを捉えながら、映画に見るインドの食文化を解説していきます。日持ちのするお菓子もおみやげにして試食していただく予定ですので、お楽しみに。お早めにお申し込み下さい。