ニューデリー最後の映画は、ヴァイオレンス・シーンもあるサスペンス映画『Badlapur(復讐の町)』。ホテルから徒歩でも行けなくもないEast of Kailash(イースト・オブ・カイラーシュ)地区にある、Mシネマに行ってみました。まず1駅ですがメトロに乗って、下の写真のKailash Colcny(カイラーシュ・コロニー)駅へ。高架鉄ちゃんとしては、一瞬でもメトロに乗れて嬉しい! 運賃は、Rs.8(16円)でした。
そこから10分ほど歩くと、コミュニティ・センターというマーケットのような所に突き当たるのですが、その一角にある映画館がMシネマ。この写真からもわかるように、昔Sapna(サプナー/夢)と言っていた映画館で、独立した建物の映画館の中をすっかり改装し、シネコン仕様にしたものです。
2階席の廊下には、映画愛溢れるこんな壁面が。2階席は300ルピー(600円)もしますが、それに見合う豪華客席でした。しかし、カップホルダーの底に青白い照明が埋め込まれており、その青白い光が映画の邪魔になることおびただしいのはどうにかしてくれませんかねー。水のペットボトルを置いたら、まるで青いランプのようになるし。こうなると、豪華客席も考えものですね。
ここで見たのが、ヴァルン・ダワンとナワーズッディーン・シッディーキー主演のサスペンス映画『Badlapur(復讐の町)』。大手企業の広告マンだったラーグーことラーガウ(ヴァルン・ダワン)が、銀行強盗に巻き込まれて殺された妻子の復讐を15年かかって遂げようとする、という物語です。2人組の銀行強盗のうち、相棒(ヴィナイ・パータク)を逃して自らは捕まり、「自分はドライバーだったので何も知りません」と言い逃れようとするのがリヤーク(ナワーズッディーン・シッディーキー)で、彼は20年の実刑判決を受けて刑務所に収監されます。彼の馴染みの娼婦(フマー・クレイシー)や、15年目にリヤークが末期がんになった時、彼を釈放させようとアレンジする女性(ディヴィヤー・ダッター)もからんで、決着がどう付くのか最後まで観客を引っ張っていきます。
バドラープルというのは実在の町だそうで、妻子の死後ラーグーが自分を持て余し、流れ着く町として出てきます。仕事も変えて復讐のためだけに生きるラーグーを、『スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え!No.1!!』のお坊ちゃん主人公を演じたヴァルン・ダワンが、まったく違う暗く沈んだ表情で熱演しています。その他の出演者もみな芸達者な人ばかりで、ナワちゃんことナワーズッディーン・シッディーキーはまたもや卑小な男の役。卑怯な男なのですが、最後にあっと言わせてくれます。そして、『血の抗争』(2012)でもナワちゃんとコンビを組んだフマー・クレイシーが、実に印象深い演技を見せてくれてうならされます。ヴィナイ・パータクも、その妻を演じるラーディカー・アプテーもこれまたうまくて、全然退屈しないで見られました。
監督は、『エージェント・ヴィノット』(2012)のシュリーラーム・ラーガヴァン。化けましたねー。
Badlapur Official Trailer | Varun Dhawan, Nawazuddin Siddiqui, Huma Qureshi, Yami Gautam
終了後は、ムールチャンド駅まで戻って昼ご飯。中に詰め物をしたパラーター2枚に、ちょっとしたダール豆煮や野菜カレーを付けて、さらにソルティー・ラッシー付き(クミンがすごく効いていた)でRs.100(200円)。結構ボリュームがあって、お味もおいしかったです。そして、追加で頼んだスイート・ラッシーがこれまた美味! 素焼きの壺に入ってRs.40(80円)、もう1杯飲みたいぐらいでした。
で、現在はチェンナイにいます。昨日デリーから飛んだのですが、チェックインが超モタモタするは(列に加わってから終わるまで1時間!)、飛行機は遅れるはで、「ジェット・エアウェイズなんかもうイヤだ!」と言いたい気分。でも、機内でくれる水のミニ・ペットボトルがほしくて、ジェット・エアウェイズに毎年乗っている私です。今回は初めて、事前チェックイン・メールが届いたので、座席だけでなくご飯の指定もしてみました。下が、「ローファット・ベジタリアン」の食事です。キャベツのカレー味炒めをチャパティーで巻いたものと、豆のお焼きみたいな取り合わせでした。お味はよかったです。
さて、チェンナイでの初映画は、ヒンディー語の『Baby(ベイビー)』。大スターとしてはアクシャイ・クマールのみ出演で、あとは名脇役が脇を固めるこれまたサスペンス映画です。
Exclusive: 'BABY' Official Trailer | Akshay Kumar | T-Series
正確にはサスペンス・アクションと言った方がいいでしょうか。政府の情報機関のエージェントであるアクシャイ・クマールが、ダニー・デンツォンパの指揮の下、暗躍するイスラーム教徒過激派を粉砕する、というのがストーリーです。アクシャイ・クマールの他にアヌパム・ケールが演じるIT専門家など3人の仲間がいて、それぞれに見せ場が用意されています。後半、サウジアラビアから脱出するシーンがあるのですが、そのシーンのサスペンス度はもうハンパないすごさ。手に汗握りました。このチーフ+4人のエージェントもの『ベイビー』、もしかしたらシリーズ化されるかも。
監督は、2013年にインド版『タチャ いかさま師』とでも言うべき『Special 26』を監督したニーラジ・パーンデー。この『スペシャル26』もひねりがきいた上手な映画だったんですが、今回はアクションの見せ場も盛り込みながら、仕掛けに満ちたサスペンスを見せていきます。いやー、ニーラジ・パーンデー監督、実力のほどをまたまた証明して見せてくれました。今回は中東各地にロケするなど、製作費も格段にアップしたようですが、そこで大味にならずに作れる実力はすごいですねー。
この2作品とも、製作費の3倍を稼ぐというヒットになっていて、どうやらサスペンス映画旋風がボリウッドには吹き荒れているようです。きっかけになったのが2012年の『女神は二度微笑む』のヒットでは、と思うのですが、当分の間サスペンス映画の製作が続きそうです。
物価がどんどん上がって、
100RSでおつりがくる店が少なくなっている今日この頃、
私も気に入っている貴重な店です。
グルメブログで知られるサントーシーさんのお墨付き、となれば、皆さんニューデリーにお出かけの節はぜひいらしてみて下さいね。
店員さんも親切で、食べきれないパラーター1枚を包んで帰ろうとしたら、ちゃんとビニールの手提げ袋に入れてくれました。
あー、もう一度あのラッシーが飲みたいです。