元宵節の季節、香港に数日の予定で来ています。香港も結構気温が低く、夜8時で9度です。地下鉄の連結部に乗っていると、吹き抜ける風の冷たさに首をすくめたくなります。
その地下鉄で、夕方に事件がありました。尖沙咀(チムシャーツイ)駅で車両が燃え上がったのです。どうやら乗客が危険品を持ち込んだためらしいのですが、結構大きかった火災のせいで1118人が負傷し、一時は尖沙咀駅に繋がる中環(セントラル)駅なども大混乱。下の写真は、ホテルに戻ってからテレビ画面を撮りました。
香港大学図書館で用事を終えた私は、夕ご飯をキャンティーンで食べて6時半頃香港大学駅から地下鉄に乗りました。中環駅で乗り換えようと降りたらすごい人だったので、しばらく地上で買い物をして時間を潰したのですが、30分後ぐらいにもう一度駅に来たら今度はスムーズに入れたものの、中環から北に行く路線は尖沙咀駅を通過して行く、という放送が繰り返されていました。無人の尖沙咀駅を列車がガーッと通過して行くのは何とも異様な風景で、こんな事故自体が珍しい香港地下鉄は、職員の皆さんもあわてたのではないかと思います。戻ってホテルで見たテレビ報道では、60歳の男性が自分の荷物中の危険物に火を付けたのでは、ということが言われていますが、真相究明はこれからになりそうです。(追記:以前精神病歴のあるこの男性乗客が自分で火を付けて、自身も重傷を負った、とのことです。火事現場のニュース映像では、下半身に火のついた男性を男女の乗客数人が自分の上着などで消し止めて救っており、香港人の沈着冷静な対応に感服しました)
こんなハプニングがあった地下鉄ですが、駅の進歩は素晴らしく、昨夏にはなかった上のような新しい型の自動改札口があちこちにできていました。これまでは、突き出したバーが人の行く手を阻み、それを体でグィッと前方に押し下げて通って行く、という、下のような自動改札だったのです。これはこれで、いかにも香港、という風情があったのですが、日本と同じ自動改札になってしまいました。
着いた早々香港大学図書館まで行ったのは、図書館にある「香港コレクション」で文献調査をするための閲覧カードをもらいに行ったのです。所属長の証明書を添えて日本からアプライしたら、すぐに返事が来て、「利用を歓迎します。このメールとパスポートと大学の身分証を持ってきて下さい」とのことだったので、行ってみたら受付の職員の人がすぐに発行してくれました。滞在期間中に利用できる、バーコード付きの紙の入館証です。今日は1時間ほど、「香港コレクション」の下見をしただけですが、明日からこの膨大な文献を攻略することになります。
香港島北側を走る地下鉄の西の終点が、上環からのびて堅尼地城(ケネディ・タウン)になった時に香港大学駅もできたのですが、今回初めて行ってみると駅からの地下道が大学の下まで直結していて、下の写真奥からはエレベーターで一挙に校内に出ることができます。通路には、香港大学の歴史展示がずっと続いており、楽しみながら歩いて行けます。
今回の文献調査はひょうたんから駒みたいなもので、実は今回は航空会社のマイレージの都合での旅行なのです。今年の1月で2万マイルほどが失効するため、それならタダ券をもらって香港へ、と昨年秋にマイレージ交換で今回の旅行日程をおさえたところ、香港についての原稿依頼が舞い込んできて、そのための文献調査をすることにしたのでした。香港大学では、1993年に3ヶ月ほど、やはり文献調査をしたのですが、その時と比べると香港大学も格段にきれいになっていました。
しゃれたキャンティーンもできていて、夕食はここで、タイ式グリーンカレー、ただしご飯ではなくてビーフン、というのをいただきました。大きなどんぶりにたっぷりのカレーと、ちょっとしたおつまみ風のおかず2品がついて、37香港ドル(約600円)です。どんぶりの方はあまりにも量が多くて、4分の3ぐらいでギブアップ。さあ、また体重増加に悩むことになりそうです...。
戻ったホテルでは、まだお正月の飾り付けがそのままで、黄金を表すみかんの木と、かわいいお獅子が出迎えてくれました。
日本から乗ってきた便は、お正月休みに日本に来ていた中国人や香港人の旅行者で満杯でしたが、まだまだ中華世界はお正月気分が抜けないようです。