蒸し暑くなってきましたね。夏のインド映画どっと出し、すでに公開されている3本はご覧になったことと思います。6月公開の『クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅』、『パドマーワト 女神の誕生』、そして『SANJU/サンジュ』(お陰様で、新宿武蔵野館での上映が1週間延長となりました!)が第一弾、さらにこれに、8月&9月公開の3本が第二弾として続きます。ちょっぴりご紹介した8月2日(金)公開の『あなたの名前を呼べたなら』と、8月9日(金)公開の『シークレット・スーパースター』、そして9月6日(金)公開の『ヒンディー・ミディアム』なんですが、ここのところいろんな仕事であたふたしているため、後者の2本をまずはデータだけでも先にご紹介しておきます。
© AAMIR KHAN PRODUCTIONS PRIVATE LIMITED 2017
『シークレット・スーパースター』 公式サイト
2017年/インド/ヒンディー語/150分/原題:Secret Superstar
監督:アドヴェイト・チャンダン
出演:ザイラー・ワシーム、メヘル・ヴィジュ、アーミル・カーン
配給:フィルムランド、カラーバード
※8月9日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
© AAMIR KHAN PRODUCTIONS PRIVATE LIMITED 2017
この作品、試写の時もう、泣きました! 歌手になりたい中学生女子のがんばりの物語、と言ってしまえばそれまでなんですが、彼女を阻むものは何か、それを彼女がどう克服していくか、周囲の人々は彼女をどう手助けするか...等のプロットが実に上手に作ってあって、物語に引き込まれます。彼女の住まいを、グジャラート州のヴァローダラーという地方都市に設定したのもグッド・アイディア。女子の力を侮るな! というメッセージがビンビンで、これは中国で大ヒットしたのもうなずけます。アーミル・カーンのちょっぴりアホな役どころもグー。親指立てたくなりました。また後日、もう少し詳しくご紹介しますので、お待ち下さい。予告編を付けておきます。
『シークレット・スーパースター』予告編
『ヒンディー・ミディアム』 公式サイト(準備中)
2017年/インド/ヒンディー語/132分/原題:Hindi Medium
監督:サケート・チョードリー
出演:イルファーン・カーン、サバー・カマル
配給:フィルムランド、カラーバード
※9月6日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
英語で授業してくれる学校(イングリッシュ・ミディアム校)に娘をやるか、それともヒンディー語で授業してくれる学校(ヒンディー・ミディアム校)にやるか――インドのお受験は、日本でも「カンニング」報道でその一端が伝えられましたが、ほ~んとに大変。小学校お受験のドタバタをかなり極端に描いて、インドでみんなが拍手喝采した本作は、インドの教育制度の予備知識があるとわかりやすいです。それも含めて、後日また。何せ、あの演技派イルファーン・カーンが「金持ち父さん・貧乏父さん」をやってみせるのですから、これは見逃す手はありません。
というわけで、必見中の必見2本、どうぞお楽しみに!
ですね。
『シークレット・スーパースター』の主人公を演じたZaira Wasimのカタカナ表記に対するご指摘ですね。
おっしゃる通り、インドでのヒンディー語での表記も「ज़ायरा वसीम」なのですが、これは日本公開時によく行う”音引き落とし”という処理がされているものです。
彼女の名前が最初にカタカナ書きされたのは『ダンガル きっと、つよくなる』公開時で、その時から「ザイラー・ワシーム」になっています。
私は、「音引きは落としてもOK、でも勝手に加えちゃダメ」派で、『ダンガル』の時もカタカナ表記をちょっとお手伝いして、「音引きは落としてもOKです」とお伝えした憶えがあります(でも、お母さんの名前は間違えられて「ダヤー」(正)が「ダーヤ」(誤)になってしまっていてヘコみましたが)。
というわけで、今、日本でのカタカナ表記は、一部音引きが落ちているものが多いのです。
ヒンディー語やウルドゥ語を学んだ者にとっては、長母音や「e」「o」音に音引きがついていないと落ち着かないのですが、一般の人にとっては音引きがあまりたくさんついていると読みにくい、言い&書き間違える、というようなことも起きるので、この”音引き落とし”処理は寛大なお心で許していただければ、と思います。