アジア映画巡礼

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S.S.ラージャマウリ監督作『RRR』のティーザー第3弾が話題沸騰!

2020-10-24 | インド映画

『バーフバリ』に続くS.S.ラージャマウリ監督の新作は『RRR』。今回は、20世紀初頭の反英闘争を取り上げ、2人の活動家に焦点を当てたもので、N.T.R.ジュニアとラーム・チャランが主演します。3月末に作品のイメージ・ティーザーと、ラーム・チャラン演じるアッルーリー・シーターラーマ・ラージューをフィーチャーしたキャラクター・ティーザーが世に出たのですが、これとほぼ同時にインドは新型コロナウィルスのために3月24日からロックダウンに突入、撮影もストップしていたのでした。そして、10月5日から撮影が再開されたあと、22日にキャラクター・ティーザー第2弾、N.T.R.ジュニアが演じるコーマーラム・ビーム(テルグ語表記は音が違っているかも)版のキャラクター・ティーザーが発表されたのですが、これが目下、ニュースで取り上げられて評判を呼んでいます。まずは、3本のティーザーを順番に見ていただきましょう。

RRR Motion Poster - Telugu | NTR, Ram Charan, Ajay Devgn, Alia Bhatt, Olivia Morris | SS Rajamouli

 

アッルーリー・シーターラーム・ラージュー(ラーム・チャラン)版

Bheem For Ramaraju - Ramaraju Intro - RRR (Telugu) | NTR, Ram Charan, Ajay Devgn | SS Rajamouli

 

コーマーラム・ビーム(N.T.R.ジュニア)版

Ramaraju For Bheem - Bheem Intro - RRR (Telugu) | NTR, Ram Charan, Ajay Devgn, Alia | SS Rajamouli

 

この主人公2人ですが、英語版Wikiから、ごく簡単にご紹介してみます。詳しくお知りになりたい方は、リンク先のWiki英語版を読んで下さいね。写真はいずれも、それぞれのWikiサイトからです。

アッルーリー・シーターラーム・ラージュー(Alluri Sitarama Raju/Wiki

 ⇒演者:ラーム・チャラン

Alluri Sita Rama Raju statue.jpg ← Magadheera Poster.jpg

アッルーリー・シーターラーム・ラージュー(1897/8?-1924)は本作では「ラーマラージュー」と呼ばれているようなので、この名前で記述していきます。生年と生地がどちらかはっきりしないのですが、1897年か1898年に、旧マドラス管区、現在はアーンドラ・プラデーシュ州の、ヴィシャーカーパトナム地区のパンドーランギ村か、西ゴーダーヴァリー地区のモーガッル村で生まれています。ラーマラージューは父を亡くしたあと伯父の援助を受けて学業を続け、高校時代に母や兄弟姉妹と共に引っ越したヴィシャーカーパトナム地区の村で、先住部族民の人々の暮らしに触れます。その後、大学にも進学したものの、ドロップアウトして各地を放浪している時に、ラーマラージューが持っていた占星術や占い、薬草学などに関する興味と知識が部族民の人々に畏敬の念を抱かせ、部族民の間で救世主的存在となります。そんなことから、1882年にイギリス植民地政府が定めた森林法で、焼畑農法ができなくなるなど森林内での自由な活動を制限された部族民が彼の元に集まり、それはやがて、反イギリス、反植民地主義の闘争へと発展していきます。当初は不服従運動だったのですが、次第に武装闘争へと舵を切り、1922年には各地の警察署を襲う大規模な反乱が起きます。結局反乱は鎮圧され、イギリス軍に捉えられたラーマラージューは、村の木に縛り付けられて銃殺されます。人々は常々ラーマラージューを「Manyam Veerudu(森の英雄)」と呼んでいたとのことですが、それにふさわしい最後でした。

 

コーマーラム・ビーム(Komaram Bheem/Wiki

 ⇒演者:N.T.R.ジュニア

Komaram Bheem.jpg ← Aravinda Sametha Veera Raghava.jpg

コーマーラム・ビーム(1901-1940)は、先住部族民であるゴンド族の出身です。生まれたのは、英領インドのハイダラーバード州、現在はテランガナ州の北部にある村で、当時その地はハイダラーバードのニザムによって治められていました。ビームの父は部族民の権利を主張したため、ビームが15歳の時に森林局によって殺害されます。その後ビームは、「जल/ジャル(水)、जंगल/ジャンガル(森)、ज़मीन/ザミーン(土地)」というスローガンを掲げて、森林に住む人々こそが森林に存在するすべての資源の権利を持っている、と部族民の権利を主張して、ニザム政府やその配下の地主たちとの闘いを続けていきます。ビームはゴンド族の人々の間では神ともみなされており、命日の10月27日には記念祭が行われているそうです。

RRR Poster.jpg

S.S.ラージャマウリ監督の『RRR』は、この2人の英雄をモデルに、反英闘争を闘う1920年頃のインドの人々を描いていくようですが、上のティーザーからもわかるように、ビームはイスラーム教徒として描かれているようで、事実に大胆な脚色がなされているものと思われます。『バーフバリ』と同じく、監督なりの新たな「反英闘争神話」が紡ぎ出されるようですね。出演者はラーム・チャランとN.T.R.ジュニアのほか、アーリアー・バット、そしてカメオ出演者として、アジャイ・デーウガンとシュリヤー・サランの名前が挙がっています。公開は、当初から2021年の予定だったのですが、撮影の遅れもあって、2021年の遅い時期になるのでは、と思われます。ビーム版のティーザーがいよいよ観客の期待をかき立てている、とインドのニュースでも報道されていますが、我々日本のファンもあと1年、楽しみにして待ちましょう。最後にもう一つ、『RRR』の撮影が再開された10月6日にアップされた動画を付けておきます。当分、これらの映像でがまん、がまんですね。

WE RRR BACK - NTR, Ram Charan, Ajay Devgn, Alia Bhatt, Olivia Morris | SS Rajamouli | RRR Making

 


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