前回に引き続き、アジアン・フィルム・アワードの授賞式の様子をお伝えします。受賞一覧は前回記事の最後にありますので、こちらでは発表順に写真を入れながらお伝えしていきます。
ご参考までに、ノミネート作品を全部挙げてあります。受賞作はトップに太字で示していますので、その写真の下の一覧をご覧いただいて、どんな作品が競ったのか参考にして下さいね。
★脚本賞(Best Screenwriter/最佳編劇)
プレゼンター:楊千[女華](ミリアム・ヨン)、徐[山争](シュー・チェン)~『恋の紫煙2』で共演した二人、MCからもそれを踏まえた紹介があって登場しました。
梅峰、于帆、婁[火華]『浮城謎事』(中国)
アーナンド・ガーンディー『テセウスの船』(インド)
喜安浩平、吉田大八『桐島、部活やめるってよ』(日本)
韋家輝、游乃海、陳偉斌、余曦『毒戦』(中国)
ユン・ジョンビン『犯罪との戦争:悪い奴らの全盛時代』(韓国)
★特殊効果賞(Best Visual Effects/最佳視覺效果)
プレゼンター:林家棟(ラム・カートン)、キム・コヨン(?)
ファルボット・ホシティナット『サイの季節』(イラク/トルコ)~東京フィルメックスでも上映された『サイの季節』、これを皮切りに多くの賞を受賞しました。
鄒志盛、陳志豪、潘志恒、林哲民『南方小羊牧場』(台湾)
カク・テヨン、ホアン・ヒョキュン、イム・ジョンフン『人類滅亡報告書』(韓国)
イ・イノ、チェ・ヨンホ『R2B:リターン・トゥ・ベース』(韓国)
尾上克郎、大屋哲男、佐藤敦紀、辻野南『のぼうの城』(日本)
★作曲賞(Best Composer/最佳原創音樂)
プレゼンター:鳳小岳(リディアン・ヴォーン)、■凱[王其](フィオナ・シッ)~若手の美男美女のお二人なので、写真を2枚。
プリータム・チャクラボルティー『バルフィー!(Barfi!)』(インド)~おお、『バルフィー!』が! だったのですが、プリータムはもちろん、今回はインド側のノミネートされた人が誰も来ず、寂しい限り。賞を代わって受け取ったのはUTVの人でした。
チョ・ヨンウク『犯罪との戦争:悪い奴らの全盛時代』(韓国)
Peyman YAZDANIAN、Johann JOHANNSSON『浮城謎事』(中国)
鈴木慶一『アウトレイジ ビヨンド』(日本)
上野耕路『のぼうの城』(日本)
★撮影賞(Best Cinematographer/最佳攝影)
プレゼンター:楊祐寧(トニー・ヤン)、梁詠[王其](ジジ・リョン)~こちらもステキなカップルでした。
トゥラジ・アスラニ『サイの季節』(イラク/トルコ)~アスラニ撮影監督は来ていないため、特殊効果賞を受賞したホシティナットさんがもう一人女性と共に登壇。
チェ・ヨンファン『泥棒たち』(韓国)
ラージーウ・ラヴィ『ワッセープルのギャングども1&2』(インド)
柳島克己『ライク・サムワン・イン・ラブ』(日本・フランス・イラン)
張力、馬誠『王的盛宴』(中国/香港)
★2012年興収トップ賞:『人在orz途之泰orz』~プレゼンターは王晶(バリー・ウォン)と中国映画界のお偉いさん。王晶のデカ顔を久しぶりに拝見しました。もらいに出てきたのは、監督の徐[山争]ともう一人の方。
♪パフォーマンス
ピアノ:黄裕翔(ホアン・ユイシアン)~東京国際映画祭で上映された『光にふれる』に主演した彼です。素晴らしい演奏でした。
歌:林二[さんずいに文](イーマン・ラム)
★みんなが選ぶ人気俳優賞
プレゼンター:ユージン・ドミンゴ~昨年『浄化槽の貴婦人』で人気女優賞を受賞し、アンディ・ラウとのかけあいで場内を沸かせてくれたユージン・ドミンゴが再び登場。ホスト役を務めたMCの高聖遠(アーチー・カオ/韓国系アメリカ人とか)に、「私に何かくれないの?」とキスを強要したり、しかも頬にキスしようとしたタイミングを逃さず顔を振り向けて唇が合うようにしたりと、やりたい放題。でも、フィリピン人観客も多かった客席は大いに沸いていました!
人気男優賞:エディ・ガルシア『ブワカウ』(フィリピン)
人気女優賞:チョ・ミンス『ピエタ』(韓国)
★美術賞(Best Production Designer/最佳美術指導)
プレゼンター:袁泉(ユアン・チュアン)、劉心悠(アニー・リウ)
バフマン・ゴバディ、アリ・ダルヤーイー『サイの季節』(イラク/トルコ)~「また僕です...」とホシティナットさん三度目の登場。「ゴバディ監督もとっても喜んでいると思います。ありがとうございました」
チョ・ファソン『犯罪との戦争:悪い奴らの全盛時代』(韓国)
ワーシク・カーン『ワッセープルのギャングども1&2』(インド)
文念中『聽風者』(中国/香港)
奚仲文、林子僑『大上海』(中国/香港)
★衣裳賞(Best Costume Designer/最佳造型設計)
プレゼンター:甘國亮(カム・コクリョン) ~その昔、鄭裕玲(ドゥドゥ・チェン)とのカップルぶりで知られていた甘國亮(30年前の話です~。ふるっ)、あの頃とあまり変わらないお顔で登場。
文念中『聽風者』(中国/香港)~香港映画の受賞はこれぐらい。どうした、香港映画!
陳学兵、鍾佳[女尼]『王的盛宴』(中国/香港)
戴美玲、陳子雯『大上海』(中国/香港)
カク・ジョンエ『オオカミ少年』(韓国)
大塚満、松永一太、稻村彰彥『のぼうの城』(日本)
★編集賞(Best Editor/最佳剪接)
プレゼンター:秦海[王路](チン・ハイルー)、張晋(マックス・チャン) ~チン・ハイルーも私の好きな女優さんで、『桃さんのしあわせ』でも達者な演技を堪能しました。
日下部元孝『桐島、部活やめるってよ』(日本)~力強く日本語で受賞のご挨拶。喜びが伝わってきました。日本語でもノープロブレム。会場の左右に設けられた大スクリーン下には、同時通訳で英語訳文が出ます。香港の通訳陣もチョー優秀です。
北野武、太田義則『アウトレイジ ビヨンド』(日本)
ヴァレリー・ロワズルー『サイの季節』(イラク/トルコ)
デヴィッド・リチャードソン、梁展綸『毒戦』(中国)
シン・ミンギョン『泥棒たち』(韓国)
★助演女優賞(Best Supporting Actress/最佳女配角)
プレゼンター:胡軍(フー・ジュン)、桂綸[金美](グイ・ルンメイ) ~こちらも美男美女。
ルンメイちゃん「お誕生日、おめでとうございます!」 フー・ジュン「あ、いやいや、どうも」
渡辺真起子『チチを撮りに』(日本)~こちらもとっても嬉しそう。最初英語で、「英語と日本語、どちらでしゃべりましょうか?」と言ってからやおら日本語で、「小さな製作陣で作った映画なので、受賞してすごい嬉しいです! 監督もそこにいます~」
チョン・ジヒョン『泥棒たち』(韓国)
キム・ヘス『泥棒たち』(韓国)
李烈『甜・秘密』(台湾)
秦嵐『王的盛宴』(中国/香港)
★助演男優賞(Best Supporting Actor/最佳男配角)
プレゼンター:ドニー・ダマラ、趙涛(チャオ・タオ)~昨年は『ラブリー・マン』で受賞したインドネシアの男優ドニー・ダマラ、今年もゴキゲンでした。
ナワーズッディーン・シッディーキー『捜索(Talaash)』(インド)~残念ながら私の「カーン警視」は姿を見せず。彼に会いたい一心で(笑)、取材に来たようなものなのに残念無念! しかし、代わりに受け取る人も登場しないっていうのは、ちょっとひどいですねー。無事、受賞トロフィーが「カーン警視」のお手元に届くことを祈っています。インド勢、来年からはちゃんと来てね。
ハ・ジョンウ『犯罪との戦争:悪い奴らの全盛時代』(韓国)
加瀬亮『ライク・サムワン・イン・ラブ』(日本・フランス・イラン)
杜[さんずいに文]澤(チャップマン・トー)『華麗之後』(中国/香港)
鳳小岳(リディアン・ボーン)『女朋友、男朋友』(台湾)
♪パフォーマンス
歌:梁詠[王其](ジジ・リョン)~この頃から電池があやしくなり、あまりアップが撮れないのでスクリーンの画像です。
★新人俳優賞(Best Newcomer/最佳新演員)
プレゼンター:エディ・ガルシア、呉思遠(ン・シーユエン) ~エディ・ガルシア、もう御年83歳なのにこのお元気さ! まさに、『ブワカウ』のレネおじいさんです。
齊溪『浮城謎事』(中国)
簡[女曼]書『南方小羊牧場』(台湾)
東出昌大『桐島、部活やめるってよ』(日本)
黄裕翔(ホアン・ユィシアン)『光にふれる』(台湾)
キム・ソンギュン『犯罪との戦争:悪い奴らの全盛時代』(韓国)
★アジア・シネマ賞:ミシェル・ヨー
豪華プレゼンターは監督の張婉[女亭](メイベル・チャン)、袁和平(ユエン・ウーピン)、元奎(コーリー・ユン)、そして洪金寶(サモ・ハン・キンポー)。メイベル・チャンが長々とミシェルとの思い出を話し、他の監督たちもそれぞれに思い出を。そしていざトロフィーを渡す段になると、「俺が渡すんだ」「いや、私だよ」とケンカを演じて見せ、ついにはジャンケンを。
香港映画界の昔を思い出させる、和気藹々のシーンでした。「ほ~ら、やっぱり俺が勝った」と渡しているのはサモ・ハンです。
★主演男優賞(Best Actor/最佳男主角)
プレゼンター:葉徳[女閑](ディニー・イップ)、マイケル・トールキン
エディ・ガルシア『ブワカウ』(フィリピン)
張孝全(ジョセフ・チャン)『女朋友、男朋友』(台湾)
チェ・ミンシク『犯罪との戦争:悪い奴らの全盛時代』(韓国)
梁家輝(レオン・カーファイ)『寒戦』(香港)
劉[火華](リウ・イエ)『王的盛宴』(中国/香港)
※すみません! ここでカメラの電池切れ。やっぱり、予備の電池を持ってくるんでした。ノラ・オノールが海外に来るというのは珍しいので、貴重な写真になったのですが。なお、ノラ・オノールに関しては後日談があって、19日の午前2時頃「受賞者インタビューをします」というメールが入り、ノラ・オノールの名前もあったので勇んでグランド・ハイアット・ホテルまで朝出かけたところ、「先ほど彼女からキャンセルしたいというお申し出が」と言われてがっかり。幻のノラ・オノールとなったのでした。フィリピン映画ファンの皆様、ごめんなさい!
★主演女優賞(Best Actress/最佳女主角)
プレゼンター:黄秋生(アンソニー・ウォン)~「俺だけ1人かい」とぼやきつつ、アンソニー登場。ホントですね、美女が隣にいればよかったのに。葉師父、今日はラフな着こなしでした。(写真はレッドカーペットのもの)
ノラ・オノール『汝の子宮(Thy Womb)』(フィリピン)
チョ・ミンス『ピエタ』(韓国)
ゴルシフテ・ファラハニ『辛抱の石(The Patience Stone)』(アフガニスタン)
桂綸[金美](グイ・ルンメイ)『女朋友、男朋友』(台湾)
[赤におおざと]蕾(ハオ・レイ)『浮城謎事』(中国)
★監督賞(Best Director/最佳導演)
プレゼンター:楊凡(ヨン・ファン)、アピチャッポン・ウィーラセタクン
北野武『アウトレイジ ビヨンド』(日本)~もちろんたけし監督は来ず、代理受賞。
アヌラーグ・カシャプ『ワッセープルのギャングども 1&2』(インド)
アッバス・キアロスタミ『ライク・サムワン・イン・ラブ』(日本・フランス・イラン)
キム・ギドク『ピエタ』(韓国)
婁[火華](ロウ・イエ)『浮城謎事』(中国)
★作品賞(Best Film/最佳電影)
プレゼンター:劉徳華(アンディ・ラウ)、張■嘉(シルヴィア・チャン)~これもお写真を撮りたかったのに、残念。ロウ・イエ監督が受け取りに出てきました。(アンディの写真はレッドカーペットのもの)
『浮城謎事』(中国)
『毒戦』(中国)
『ワッセープルのギャングども1&2(Gangs of Wasseypur Part 1 & 2)』(インド)
『アウトレイジ ビヨンド』(日本)
『ピエタ』(韓国)
※結果としては、『浮城謎事』(中国)と 『サイの季節』(イラク/トルコ)、そしてフィリピン映画関係者に受賞が集中、いつもよく受賞する韓国勢は低調、といったところでしょうか。アカデミー賞と同じく投票で選ばれているとのことですが、こんな風になることもあるのですね。お世話下さった事務局の皆様、どうもありがとうございました!
アヌラグ・カシヤップ監督も来てくれたらよろしいのに。
詳しいレポートありがとうございました。来年も楽しみにしてます。
そうなんです、第4回の時はアミターブ・バッチャンが終身貢献賞を受賞して、インド側も盛り上がったんですけどねー。(下に画像が)
http://www.youtube.com/watch?v=M-tWWgoYiq0
余談ですが、ドゥシャント・ワーグ君に「日本人でラダックの『きっと、うまくいく』小学校に詣でた人がいる」と言ったら大ウケしました。「インド人はよく行くみたいだけど、日本人で!? 信じらんない!」とのことでした。
(上)から続いてドキドキしつつレポート拝見しました。読んだだけで、なんだかすごく元気が出て幸せな気持ちになってしまいました。
cinetamaさん、いつもありがとう。それから健気なデジカメさんにもありがとう。
道中いっぱいステキなことがありますように!
胡軍を「美男」と言わず誰を「美男」と? と私などは思いますが、『藍宇』の頃からずっと変わらず素敵ですよね。
カメラは、もうちょっと腕を上げないと、いくらズームが40倍(光学)と言ってもブレブレで使えない写真ばかり、ということになります。せっかくこんな夢のような皆さんのお写真が撮れるというのに、と、健気なデジカメも怒っていることでしょう。修行して出直しますです....。