昨日の続きです。IMW上映作品の中で公開が決まったのは、マラヤーラム語映画『グレート・インディアン・キッチン』。IMWでご覧になった方は、さもありなん、当然でしょ、と思われたことと思います。というわけで期待の１作、プレスリリースをほぼそのまま貼り付けておきますので、まだご覧になっていない方は公開まで楽しみにしてお待ち下さい。
これは本当に映画だろうか、これは現実そのものではないのか？
多くの男女の共感を呼び、映画祭上映でリピーター続出の問題作が、ついに劇場一般公開！
『グレート・インディアン・キッチン』
ありふれた家事労働の描写を通して、インドのミドルクラスを中心に根強く残る家父長制とミソジニー（女性嫌悪）を鋭く描き、大きな議論を呼んだ「The Great Indian Kitchen」（原題）が、邦題『グレート・インディアン・キッチン』として2022年1月21日（金）より、新宿ピカデリー他にて全国順次公開されることが決定いたしました。
2021年1月、1本の映画が、コロナ禍のインドで無名の配信サービスによってひっそりとオンライン封切りされた。その作品「The Great Indian Kitchen」は、インドの南西の端にあるケーララ州の公用語マラヤーラム語で作られ、当初観客として見込まれていたのは、そのマラヤーラム語話者の約3,480万人だった。13.8億のインド総人口の3%以下である。登場人物も舞台となる場所も限られた、ミニマリズム的なこの作品のオンライン封切りに当たっては、宣伝らしい宣伝も行われなかった。しかし公開後間もなくから主に女性の観客の間で大評判となり、ほどなく彼女たちは自主的に宣伝活動を始め、アクセス集中のため弱小配信サイトのサーバが数日間ダウンするほどの事態となった。クチコミからの大ヒットによって、大手であるインド・アマゾンのプライムビデオによる配信も２か月後にスタートし、英語字幕の力によってインドのさらに多くの観客の間にも共感の輪が広がり、そこから上海国際映画祭を始めとする国内外の映画祭への出品にもつながっていった。
日本では、東京・大阪他でSPACEBOXが主催・開催した「インディアンムービーウィーク2021パート１」（6月）と「同 パート２」（9月）での上映で、男女の観客から圧倒的な支持を得た。また、9月に「FRaU」誌オンライン版で本作が紹介された際には、普段インド映画に触れていない読者層にも幅広くリーチし、「どこでどうやったら観られるのか」という声が多く上げられた。マイナー配信サイトから、大手サイトへ、そして世界の映画祭へ、数奇な道筋をたどったウィズコロナ時代の特異なヒット作が、この日本で世界初の劇場一般公開となる。
©Cinema Cooks, ©Mankind Cinemas, ©Symmetry Cinemas
【STORY】
グルメ番組のように始まり、
やがて家族制度の暗部に切り込んでいく“ホームドラマ”
ケーララ州北部のカリカットの町で、高位カーストの男女がお見合い結婚する。夫は由緒ある家柄の出で、伝統的な邸宅に暮らしている。中東育ちでモダンな生活様式に馴染んだ妻は、夫とその両親とが同居する婚家に入るが、台所と寝室で男たちに奉仕するだけの生活に疑問を持ち始める。教育を受けた若い女性が、家父長制とミソジニー（女性嫌悪）に直面して味わうフラストレーションをドキュメンタリー的タッチで描く。
『グレート・インディアン・キッチン』 公式サイト
2021年／インド／ マラヤーラム語／100分／原題：The Great Indian Kitchen
監督：ジヨー・ベービ
出演：ニミシャ・サジャヤン、スラージ・ヴェニャーラムード
配給：SPACEBOX
※2022年1月21日（金）より新宿ピカデリー他全国順次ロードショー！
私もIMWで『グレート・インディアン・キッチン』を見たのですが、途中で胸くそが悪くなりました。男どもをかかとで踏みつけたい！ と思ったほどです。でも、最後の最後に素晴らしいダンスが出てくるので、それで胸のつかえがおりました。あのダンス、きっと劇場用パンフレットには解説が載せてあるのでは、と思います。ヒロインを演じるニミシャ・サジャヤンは、2019年の東京フィルメックスで上映された『水の影』（2019／サナル・クマール・シャシダラン監督）でもヒロインというか犠牲者というか、主人公の女性を熱演していました。夫役のスラージ・ヴェニャーラムードは、何と何と、『ジャパン・ロボット』(2019)で頑固なお父さん役を演じた俳優です。実際の年齢は現在45歳なので、『ジャパン・ロボット』では実年齢に20歳ぐらいプラスした老け役を演じたわけですが、上手な俳優ですねー。今回、『グレート・インディアン・キッチン』を見て、「このバカ夫！」と思われた方は、『ジャパン・ロボット』を見て口直ししましょう（笑）。では、また間際になって画像をきちんといただいたら、あらためてご紹介しますのでお待ち下さい。現地版予告編を付けておきます。
The Great Indian Kitchen Official Teaser | Suraj Venjaramoodu | Nimisha Sajayan | Jeo Baby
＜オマケのお知らせ＞
先日行ったキネカ大森でみつけた、＜インド大映画祭IDE2022＞のチラシを貼り付けておきます。詳しくは劇場アップリンク吉祥寺のサイトへどうぞ。
