前回の『プシュパ 覚醒』(2021)に続き、今回ご紹介するのは<メガスター>ことチランジーヴィの主演作『サイラー ナラシムハー・レッディ 大いなる反逆者』(2019)です。ご存じのように、チランジーヴィはラーム・チャランのお父さんなのですが、本作は、2017年のチランジーヴィ出演作150本目の作品『Khaidi No.150(囚人150号)』に続き、ラーム・チャランがプロデューサーとなって製作した作品です。前作『Khaidi No.150』公開時にはチランジーヴィはまだ国会議員だったのですが、2018年で議員職からは退き、映画スターとしての道に戻った第1作がこの『サイラー ナラシムハー・レッディ 大いなる反逆者』(以下、『ナラシムハー・レッディ』と表示)でした。それだけに、いろんな意味で気合いの入っている作品で、時代劇ということもあって製作費が20億~30億ルピーかかり、プロデューサーのラーム・チャランは大変だったのでは、と思います。作品としては、インド大反乱(「セポイの反乱」とも。1857年の反イギリス闘争)に先立つこと10年前、地方の領主だったナラシムハー・レッディがイギリス軍の非道から領民を守り、周囲の領主たちを組織して闘いを挑む姿が実に雄々しく描かれていて、なかなか見応えがあります。
驚くのは、チランジーヴィが非常に若々しくて、40歳で亡くなった実際のナラシムハー・レッディそのものにしか見えないことで、最初に恋人同士になる踊り子ラクシュミー(タマンナー)とも、のちに昔からの許嫁として結婚することになるシッダンマ(ナヤンターラ)とも、カップルとしては違和感がまったくありません。1955年生まれのチランジーヴィは撮影時還暦を過ぎていたわけで、CGも多用したとは思うものの激しいアクションも楽々とこなしており、ものすごいパワーだなあ、と圧倒されてしまいました。脇も前述の大女優2人の他、アヌシュカ・シェッティは冒頭とラストにジャーンシーの王妃ラクシュミー・バーイーとして出てくるのでからみはないのですが、周囲の領主等の役でスディープ、ジャガパティ・バーブ、ヴィジャイ・セードゥーパティ、ムケーシュ・リシ、ラヴィ・キシャンらが出演していて、その豪華さに目を奪われました。さらには、アミターブ・バッチャンも導師的存在の人物として出演、さすがはチランジーヴィ御大、と思ってしまった次第です。監督はスレーンダル・レッディというあまり記憶にない人なのですが、167分という長尺ものを手堅くまとめていて、見応えがありました。これでラーム・チャランがカメオ出演していてくれたら、150点満点あげられたのに。
(資料画像)
反対に、ラーム・チャラン主演の『マガディーラ 勇者転生<完全版>』(2009)には、チランジーヴィがカメオ出演しています。そのシーンでのセリフの数々も楽しいので、『マガディーラ』と合わせて『ナラシムハー・レッディ』をぜひご覧になって下さいね。もっと詳しく知りたい方は、カーヴェーリ川長治さんのブログとかアルカカットさんのブログに紹介文がありますので、参照してみて下さい。アルカカットさんは辛口、カーヴェーリ川長治さんは甘口の評価です。最後に予告編を付けておきます。
Sye Raa Trailer (Telugu) - Chiranjeevi | Ram Charan | Surender Reddy | Oct 2nd Release
いつもたくさんの情報を得て勉強させていただいています。ありがとうございます。
ですが、少し個人的に思った事をお伝えさせていただきます。
映画紹介の際に、「のちに昔からの許嫁として結婚することになる」という、ちょっとした事ですが、こういうのは観る前に知りたくなかったなと思いました。単純に「共演の」とか「相手役の」でも通じたので…。
以前、モンゴルの映画紹介でも、
「本作では作曲のシーンもあり、のちに恋人になるタナに説明する形で曲を作ってみせるシーンなど…」という紹介があり、「のちに恋人になる」って入れる必要あったか?「タナ」だけで通じたのでは、と思って残念に思いました。
大筋には触れないかもしれないですが、こういう細かいネタバレ(のちに結ばれるとか、それは予め知るともう途中何を観ても、どうせくっつくんやろ?となるので)もっと伏せて教えていただけると未鑑賞の者にも嬉しく思います。
勝手を言いまして申し訳ありません。そう言うならブログを見るなという感じですが、とても勉強になるブログなのでこれからも拝見したいのです。
自分では、全然気がつきませんでした。
私は読むとすぐ忘れるので、たとえネタバレが書かれていても、サスペンス映画の犯人とかではない限りその後楽しく映画を見られるタイプなのですが、皆さんは細かいところまで気になさるんだ~、と今回初めてわかりました。
特に、男女関係の結果のところがNGなんですね、なるほど~。
今後、気をつけるようにしますが、ブログはいつもささっと書いてしまうので、また同じミスを犯すかも知れません。
その時は、広いお心でお許し下さいね。