しーさるの鉄日記

西鉄の観光列車とJR九州新車2題


西鉄は、来春からの運行開始を予定している観光列車の詳細を発表した。車両名は『THE RAIL KITCHIN CHIKUGO』、6050系3両を5億円かけて改造する。中間車は窯を中心とした大型キッチンの他、4人が座れるテーブル席2つが置かれる。大牟田側先頭車は運転室後ろに6人が座れるテーブル席を配置する他、その後ろに2人が座れるテーブル席6つ、入口付近に4人が座れるテーブル席1つを配置する。福岡寄り先頭車は、2人が座れるテーブル席5つ、4人が座れるテーブル席3つを配置する。このことで、座席数は52席となる。
テーブルおよび椅子には大川家具、天井には八女の竹細工、壁面には城島瓦といった沿線地域の伝統工芸品を採用、床はバラストを加工した人造大理石とする。外装はキッチンクロスをイメージした細かい赤いチェックを採用した。

また、JR九州は821系近郊型交流電車と、YC1系蓄電池搭載型ディーゼルエレクトリック車両(ハイブリッド車両)を導入することを発表した。
821系は3両編成のオールロングシート、フリースペースを1編成に2箇所設置し、フルSiCでの主回路システムで電力消費量を低下させる。YC1系は、テーブル付きボックスシートが1箇所ある以外はロングシート、回生電力は蓄電池に充電させ、エンジン発電式モーター駆動で二酸化炭素などの排出量を抑える。
821系、YC1系ともに一人当たりの腰掛座面幅を拡大、ドアはスマートドアとし、出入り口にはホームを照らす照明を設置する。室内照明はダウンライトタイプのLED、ドア上には4か国語対応のマルチサポートビジョンを設置する。
821系は2月に2編成搬入し試運転の最中、YC1系は6月に搬入予定である。

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九州から、西鉄の観光列車とJRの新車の話題。

まず、西鉄は食事をする観光列車『THE RAIL KITCHEN CHIKUGO』、大手私鉄で食事をする観光列車は西武の『52席の至福』に次いでのものになるが、偶然にもこちらも52席だ。西武の方は4両編成だが、多目的車両とキッチン車両があるので、客室は2両のみだ。西鉄は3両編成だが、キッチン車両の方にも座席があるので、客室1両当たりの座席数は22席と西武より4席少ない。そのため、線路に対して垂直方向になったり、L字方向になったりしている座席もある。

車両の外装は細い赤と白、西鉄で赤と白というと今はなき8000形だが、それとはまるっきり違う塗りわけだ。先頭は非貫通改造、ライト廻りの補強板は少しかっこ悪いような。トイレ設備は西鉄初、筑紫車両基地に汚物抜き取り設備を整備しなければならない。それ以前に窯用のガスが必要なわけだが。大川の家具を使ったのは鉄道車両としては初めてか。ななつ星では、備前家具製作所というところを使ったからな。

821系は、817系3000番台に引き続いての近郊型ロングシート車両。817系3000番台の最終編成が投入されて3年経ったので、305系のような液晶案内、スマートドアを設定している他、鉄道車両としては珍しくダウンライトタイプの灯りを採用している。座面幅を広げフリースペースを確保したため、座席数は137名と、817系3000番台の144名より減少している。ドアが赤く塗られるのは815系以来、正面の貫通ドアは塗られなかったから、817系のブラックフェイスは引き継がれている。フルSiCは、大都市を廻るE235系や323系では導入されているが、九州では初導入となる。821系の投入と運用本数削減で、南福岡の415系1500番台を大分に追い出し、100番台と500番台を置き換えるのではないかと。1500番台56両に対し、100番台76両500番台28両あるけど、ここのところの本数削減でどうなるのだろう。415系1500番台の置き換えるとしたら、鹿児島本線、長崎本線直通普通には何が運用されるのだろうか。3セク化に備えて分断する可能性もあるけど。

YC1系はディーゼルカーだが、821系とほぼ同じ車体だ。ボックスシートがあるので、窓割が変わるけど。電車と気動車が似たような車体というのは、JR東海の313系とキハ25系、JR西日本での223系とキハ127系があるけど、JR九州では初めてのこととなる。ボックスシートは1両につき1個だけ。JR東日本のGV-E400に比べるとクロス部分は少ないが、1両当たりの座席数はGV-E400より2人多い。テーブルはボックスシートの間だけでなく、ボックスシート背後のロングシートに面するところにも設置される。ブレーキ時の回生電力を蓄電池に溜め込むので、GV-E400のような電気式でなく、HB-E210のようなハイブリッド式になる。回生電力を溜め込むという意味では819系に近いのだな。

燃料消費量の比較対象がキハ66、キハ67になっているのを見ると、大村線及び長崎本線に導入される可能性が高い。ロングシートのYC1系は、ラッシュ時の長崎口やデータイムの竹松返し普通に投入して、区間快速『シーサイドライナー』はキハ200限定にしてほしいところだ。

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