JR四国の2020春ダイヤ改正、普通列車は、22本の廃止、28本の運転区間短縮という前回改正を上回る大幅な見直しが行なわれた。普通列車削減の背景には利用者減だけでなく、乗務員不足もあるとのことだ。この減便のあとに、コロナ禍での利用者減による経営危機もあったわけだから、JR四国はかなり厳しい状況に置かれている。
普通列車の減便は早朝深夜が中心だが、利用客の少ない県境区間ではデータイムでも減便を行っている。
●予讃線
伊予長浜発6時10分伊予大洲行、伊予大洲発7時33分八幡浜行、八幡浜発5時51分宇和島行、宇和島発22時15分八幡浜行など7本が運転取りやめ、12本が運転区間を短縮変更させている。特に松山以西の減便が大きく、向井原~伊予長浜~新谷間は10往復だったのが9往復に、八幡浜~宇和島間は10往復だったのが8往復に減便している。
データイムでは松山発14時35分の宇和島行き、八幡浜発13時47分の松山行が、八幡浜~伊予長浜~伊予市間での運転を取りやめ、宇和島発14時15分の松山行も八幡浜発に区間短縮されている。このことで、宇和島発を見ると8時51分から15時28分の間の列車は12時16分発だけで3時間以上の運転間隔となる。18時30分発もなくなり、夕方以降も2時間以上の運転間隔となる。伊予長浜発を見ると、15時38分の宇和島行、14時52分の松山行がなくなり、14時過ぎから16時過ぎまで両方向とも発着列車がなくなる。この時間他の列車が削減対象となるというのは、通学需要があまりないということなのだろう。
松山発の下り最終普通列車を見ると、改正前は宇和島20時13分、伊予長浜経由八幡浜21時08分、内子経由伊予大洲23時17分だったのが、今回の改正では八幡浜乗り換え宇和島18時58分、伊予長浜経由伊予大洲21時07分、内子経由八幡浜22時21分となった。八幡浜から先は75分、内子経由伊予大洲は56分繰り上がったが、伊予灘線区間は変わらず、伊予大洲~八幡浜間は逆に73分繰り下がった。遅い時間帯の列車のほうが遠くへ行く珍しい例だが、次回改正ではどうなるのだろうか。松山駅発最終は23時17分の伊予大洲行が26分の伊予市行となり9分繰り下がった。ちなみに伊予鉄道の高浜線の最終は松山市発22時40分、松山駅に立ち寄る路面電車もそれくらいの時間には運行を終えている。
伊予市から東では伊予市2035-2129伊予北条2136-2227伊予市2237-2254松山の3本を取りやめて、松山発で見ると、20時52分の伊予北条行、22時11分の伊予市行を廃止している。このことで伊予北条方面は20時03分から21時17分までのタイムラグが発生する。松山発21時59分の伊予西条行は先行の17分発の今治行と行先を好感して、今治から先の最終を40分ほど繰り上げている。
さらに東では多度津発21時00分の伊予西条行、伊予西条発21時02分の高松行を伊予西条~観音寺間で区間廃止しているが、廃止区間では終電繰り上げとはなっていない。高松口では多度津発5時13分の観音寺行の廃止、高松発4時53分の松山行を多度津発に変更、観音寺発5時19分の高松行を多度津行に変更と早朝の見直しが行われた。朝一番の高松発については、香西、八十場、讃岐府中以外は20分前のマリンライナーがフォローするし、特急料金課金すれば多度津始発に乗れるからな。
●土讃線
5本が運転取りやめ、7本が運転区間を短縮変更させている。運転取りやめになるのは、阿波池田発17時38分琴平行、琴平発19時19分の阿波池田行、多度津発21時51分の琴平行、琴平発20時34分の多度津行、琴平発22時14分の高松行だ。
琴平~阿波池田間は7往復だったのが1往復減で6往復となる。琴平発19時19分の阿波池田行の廃止に伴い、20時18分発の最終普通は19時40分に繰り上げ、箸蔵で特急に追い抜かれ、平日は阿波池田で大歩危行に接続する。多度津での21時台後半琴平方面は、特急すらないので、21時18分から22時10分まで開くことになる。高松方面普通列車も22時06分から23時07分まで開く。
データイムは、阿波池田発11時57分の高知行を大歩危行に短縮変更、高知発10時47分の多度津行を土佐山田~大歩危間で部分廃止させる。前回の2019改正では土佐山田発7時27分の阿波池田行、阿波池田発6時00分の高知行を廃止したので、阿波池田~土佐山田間は2019改正では7往復から6往復に、2020改正では6往復から5往復に減ったことになる。土讃線を早めに駅降りしておいて良かったなと。大歩危発高知方面を見ると、7時48分から先は14時19分までない過疎ダイヤになる。この14時19分の高知行に琴平発からの阿波池田での接続時間が1時間というのは、せめての救いだ。一方、土佐山田発阿波池田方面普通を見ると、6時16分が出ると13時43分まで7時間半も列車がない。6時16分発は新改通過なので新改での上り始発列車は13時53分ということになる。
高知以西では、まず、高知発14時35分の伊野行を窪川行に変更、代わりに15時09分の窪川行は伊野行に変更する。窪川行は時刻を30分以上繰り上げたものの、旭6分、朝倉5分、西佐川11分、吾桑9分停車で、その先は改正前と変わらなくなる。
夜間は、高知発20時34分の須崎行、21時17分の須崎行を廃止して、20時59分の伊野行を新設している。22時11分の須崎行は21時58分に繰り上げたものの、伊野から先は20時03分から2時間近いタイムラグとなる。但し、21時23分に特急がある。23時00分の須崎行は22時41分に繰り上げ、23時10分に伊野行を新設して、伊野までの終電を繰り下げる。
●高徳線
2本が運転取りやめ、3本が運転区間を短縮変更させている。
運転取りやめとなったのは、高松発21時46分の三本松行と、板野発19時14分の徳島行。高松発21時46分の三本松行の運転取りやめに伴い、22時17分の引田行を22時04分に繰り上げる。それでも21時10分発からは54分のタイムラグが発生する。この時刻繰り上げで特急との接続駅が栗林だったのをオレンジタウンに変更する。また、高松着22時08分の『マリンライナー』からの接続がなくなる。板野発19時14分は、前回のブログに書いた鳴門発を繰り上げた列車と重複するため運転取りやめ、特急からすぐに接続するが、20分後にも板野始発の徳島行きがある。
高松発15時45分の徳島行、徳島発8時46分の高松行を引田~板野間で廃止する。その結果、引田~板野間で9往復あったのが8往復に減便となる。引田発下りでは、14時19分から18時25分まで約4時間のタイムラグが発生、板野発上りでは7時25分から10時間54分まで約3時間半のタイムラグが発生する。讃岐相生駅は鳴門市営バスが毎時1本あるからいいけど、阿波大宮駅は高徳線では秘境だからな。
●徳島線
3本が運転取りやめ、3本が運転区間を短縮変更させている。
朝時間帯は、徳島発5時39分の阿波池田行が区間廃止で穴吹発6時49分に変更している。列車番号上は穴吹から先は別列車なので、区間短縮ではなく、徳島~穴吹間での運転取りやめ扱いとなる。上りも穴吹発5時32分の徳島行を阿波川島発5時55分に短縮変更している。
夜間は徳島発22時38分の阿波池田行を穴吹行に短縮変更して、徳島発22時58分に繰り下げる。この列車も穴吹から阿波池田は別列車扱いなので、運転取りやめ扱いだ。このことで阿波池田行の最終は徳島発21時06分と92分も繰り上がる。徳島発23時39分の穴吹行については、阿波川島行に短縮変更させる。
19時台は徳島発27分の阿波池田行と58分の穴吹行の順序を入れ替える。このことでおよそ1時間半の間隔だったのが2時間、1時間と偏る。そのうえ、阿波川島で特急に追い抜かれる。運用上の兼ね合いだと思うけど改悪だと思う。
阿波池田発20時09分の徳島行は、穴吹発20時48分に短縮変更、そのあとの穴吹発21時30分の徳島行は運転を取りやめる。阿波池田発21時49分の徳島行上り最終は、阿波池田発21時01分に繰り上げ、穴吹以東では廃止になった穴吹始発の13分から20分後を走る。
●予土線
3本が運転取りやめ、3本が運転区間を短縮変更させている。
運転取りやめになったのは宇和島発7時48分の近永行、近永発9時39分と14時02分の宇和島行。近永から宇和島方面の午前中の2時間のタイムラグは3時間に拡大する。近永に13時53分に到着した列車は14時02分に折り返していたが、改正で14時02分の列車がなくなったので、江川崎まで回送して16時13分の宇和島行として運転すると思われる。
宇和島発18時35分の窪川行は江川崎行に、宇和島発21時20分の江川崎行は近永行に短縮変更、松丸、江川崎への最終は2時間45分繰り上げ、窪川までの最終は1時間5分繰り上げとなる。また、窪川発15時01分の宇和島行は江川崎発16時13分に短縮変更している。窪川発で見ると、13時21分から16時59分まで3時間38分のタイムラグが発生、その前の9時40分からのタイムラグと同じくらいになる。江川崎~窪川間では、6往復あったのが5往復になった。
●牟岐線
牟岐発7時03分の海部行、海部発7時29分の牟岐行を廃止する。両列車とも阿南方面との接続はないが、阿佐海岸鉄道とは接続していた。同区間は7月から代行バスでの運転となったから、それに先行して削減したのだろう。
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