埼京線の11月末のダイヤ改正、改正概要は以下の通り。
●早朝時間帯の池袋発着3往復を新宿発着に延長変更させる。また、新宿発着2往復を新木場発着に延長変更させる。
●快速を、新たに中浦和、南与野、北与野に停車させる。それに伴い、データイム各駅停車の一部を武蔵浦和~大宮間で部分廃止する。
●データイムの運転間隔の均等化を図り、最大運転間隔を新宿~赤羽間で11分だったのを8分に、赤羽~武蔵浦和間で15分だったのを13分に、武蔵浦和~大宮間で16分だったのを10分に短縮させる。
●平日夕方から終電にかけて、新宿→池袋で7本、池袋→赤羽で6本、赤羽→武蔵浦和で5本増発する。このことで、ダイヤのパターン化を図り、17~21時台は大崎~新宿間で毎時6本、新宿~赤羽間では20分あたり通勤快速1本、各駅停車3本のダイヤにする。
●最終川越行を5分繰り下げる。
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埼京線の改正は、相鉄との直通本数が思ったより少なかったので行先変更ぐらいだと思っていたが、データイムや夕方を中心に見直しが行なわれることになった。
早朝は池袋発着3往復を新宿発着に延長変更、このことで新宿行の初電を28分、新宿発の初電を25分繰り上げる。川越発初電は延長の対象になるが、大宮発初電、指扇発初電は延長の対象にならないので、新宿へは池袋で乗り換えなければならない。朝一番上りは新宿着6時17分から5時50分に、新宿発5時55分発の成田エクスプレスだけでなく、バスタを6時に出るリムジンバスや6時05分に出る中央道高速バスへの乗り継ぎが可能になる。実はスカイライナーの方が安く早く着くけど、乗換があるからな。
新宿着6時42分の通勤快速と6時55分の各駅停車は新宿止だったのを新木場行に変更、同時間帯を走るりんかい線内運転の列車は吸収される形となり、新宿~大崎間は純増となる。現行ダイヤだと、新宿発6時40分の平塚行の後は7時16分まで大崎方面列車がないのだが、改正後は42分の新木場行、55分の新木場行、58分の海老名行が運転されることになる。新宿発6時42分の各駅停車と7時04分の通勤快速は新木場発に延長変更、新木場から埼京線方面への直通列車を1時間近く繰り上げる。現行ダイヤでは、大崎から新宿・池袋方面6時台は46分の高崎行だけだが、それに29分、52分のりんかい線からの列車、31分の相鉄線からの列車が加わることになる。
朝ラッシュ時間帯については、先日のブログに書いた通り、武蔵浦和始発を中心に相鉄方面への乗り入れさせることになった。このことで、渋谷、恵比寿方面への直通列車を増発させる。でも、武蔵浦和行で遅延が発生すれば、相鉄に影響の出ないように、新宿止まりに変更するだろう。
データイムは、快速を武蔵浦和以北各駅停車化、及び各駅停車の半数を武蔵浦和~大宮間で区間廃止することになった。つまり、優等列車毎時3本が間引かれ、各駅に停車する列車だけの毎時6本になる。新宿以南で増発したため、ゼロサムに近づけるための合理化だ。2015年改正以前では各駅停車4.5本快速3本だったから、快速通過駅ではその時よりマシになるが、与野本町では毎時1.5本減ることになる。でも、パターンダイヤ化で最大待ち時間は減ることになるから、そんなに不便になるということはないのかと。ラッシュ時は混雑する埼京線だが、データイムは武蔵浦和を境に利用客数が変わる。武蔵野線の利用客が流れ込んでくるだけでなく、戸田市内の利用客が多いからだ。現行ダイヤでも、武蔵浦和待避各駅停車ですら、戸田公園でそれなりに乗ってくるし。
埼京線と京浜東北線の定期外客を表にまとめてみた。
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埼京線単独駅では戸田公園が圧倒的に多く、次に多い浮間舟渡の1.4倍くらいある。それ以外は5,000人前後で、快速停車駅の与野本町は戸田公園の約半分の5,350人だ。これを踏まえると、利用客の多い武蔵浦和、戸田公園から新宿方面への速達性だけを残し、武蔵浦和以北で優等をなくす流れになるのは仕方ない。それに京浜東北線の北浦和、与野と比較しても中浦和~北与野間の利用客が少ない。定期外客が16,000人近くいる北浦和が毎時6本あるのに対し、その3分の1しかいない与野本町が毎時9本という状況だからな。
大宮からの利用客も多いが、湘南新宿ラインの方が列車本数が多い。また、ホームが地下深くにあるので西側からともなく、東側から利用するには不便だ。乗り換え検索する時に、直近の埼京線快速が出ても、数分以内だったら地下ホームにたどり着くのは難しいだろう。調べる時の位置にもよるけど。川越線内からだと、対新宿で100%埼京線快速の利用となるわけだが、南古谷までの利用客数は快速通過駅の半分くらいだ。川越も定期外利用客数で戸田公園を上回るが、乗り換え検索ソフトで新宿までを調べると、東武東上線経由しか出てこない。そう考えると、快速の数分の所要時間増は仕方がないと思われる。
現行ダイヤでは、下りはほぼ20分サイクル化されているが、上りは無待避各停が大宮発01分、18分、41分と揃っていない。その結果、武蔵浦和~赤羽間では、18分の無待避各停から次の待避各停まで15分開く。大宮~武蔵浦和間の16分開きについては、10時台から11時台の上りだけで、後は上り待避各停から無待避まで14分開く。改正後の武蔵浦和~大宮間で最大待ち時間10分というのは、データイムの等間隔化を意味する。武蔵浦和以北で快速と各停が10分毎に運転、武蔵浦和では快速の3分後に始発各停が出発、赤羽場面では快速(8分空き)武蔵浦和発各停(7分空き)大宮発各停(5分空き)快速で混雑を平準化させる。武蔵浦和待避各停では快速は混むだろうと思い、乗り通す客がそこそこいたが、武蔵浦和始発各停ではそれが少ない。だが、大宮発各停からの運転間隔は現状より拡大するからどっこいどっこいになるのだろう。
駅配布の改正パンフレットによると、武蔵浦和での折り返しは下り5番線で行うとのこと。戸田、北戸田から中浦和以北へはホーム上接続だが、その逆は階段を使った乗り換えとなる。また、上り快速で座れないから、武蔵浦和始発各停に乗り継ぐという人は少ないだろう。条件反射的に3番線、4番線ホームへ向かう客が多ければ、5番線の始発列車は空気輸送に近くなるのではないかと。
データイムの川越線の交換駅は現行ダイヤだと西大宮と南古谷になっているのだけど、改正で快速の所要時間が増えるとどうなるのだろうか。武蔵浦和以南で現状スジを踏襲したら、日進での交換は確実だけど、日進から南古谷までは12分かかるから指扇で数分待つことになるだろうな。
夕方のパターンについては、pdfのリリースでは新宿以南で6本、以北で12本で揃えることしか触れてなかったが、パンフでは20分サイクル化でなく、具体的な増発本数に触れていた。20分サイクルに通勤快速1各駅停車3ということは、新宿発19時56分くらいの各駅停車が増発となるのは確実になった。この時間の各駅停車は14分開くからな。あと21時11分も増発すると思われる。
22時くらいまでのパターンダイヤ化で2本増発するから、それ以降は新宿発で5本、池袋発で4本増発することなる。新宿発で22時台9本だったのを11本に、23時台7本だったのを9本にすると思われる。パンフレットでは、22時頃まで利用しやすいダイヤとあることから、21時40分から22時19分の通勤快速ブランクの間に、通勤快速が増発されると思わるが、パンフでは武蔵浦和以北での増発に触れてないから不明だ。新宿発と池袋発で本数が違うことから、現行の池袋発24時26分を新宿発にする可能性もあるが、新宿発赤羽行の終電繰下げについてもパンフに載ってない。
赤羽から武蔵浦和までの5本増発は、夕方の現行の赤羽止を延長させるか、前述の純増分かは不明だ。予想としては、新宿発17時12分、48分、18時13分、20時11分の赤羽行が武蔵浦和行に延長変更、先述の増発となる20時前列車も武蔵浦和行で合わせて5本増、21時台以降の増発分5本は赤羽行での運転だと思う。18時台の赤羽止がなくなることで、赤羽駅において後続の大宮行を待つ客の列が上りホームまで伸びるケースは減るのではないかと思う。戸田公園駅の定期客数を見ると、ここ数年は停滞しているものの、10年前より2割くらい増えているからな。
あとパンフで引っかかったのが、新たな武蔵浦和折返しが平日19時台まであるということ。この時間帯は通勤快速が運転されているから、データイムのような武蔵浦和~大宮間の各停間引きをすると、夕方ラッシュ時間帯で通勤快速通過駅での本数が減少する。よって先述の武蔵浦和折り返し純増ということになる。この時間帯の武蔵浦和発新宿方面は、17時53分から18時06分まで各停が13分開くとかで、通勤快速より混雑するからな。といっても戸田公園から立ち客が出てくるレベルだけど。
最終の川越行、つまり北赤羽以北の終電は5分繰り下げ、新宿発0時00分と分かりやすくする。ただ、高尾行最終0時41分に比べるとだいぶ早く、小田急でも本厚木まで帰れる時間だ。また、赤羽着0時06分の京浜東北からの乗り換えに余裕が生じる。京浜東北線の赤羽発北行最終は時刻を繰り下げた埼京線より40分遅い。武蔵浦和での武蔵野線への接続は両方向ともに0時30分過ぎだから、終電繰下げの影響はない。戸田公園の利用客増を考えると、新宿発武蔵浦和行の最終が欲しいところだけどね。