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しーさるの鉄日記

36ぷらす3と七隈線


肥前浜から乗ったバスは11時35分に肥前鹿島バスセンターに到着、特急『かささぎ』まで19分あったので、駅とは逆方向のスーパーで昼食などを調達した。『かささぎ』に乗っているのは肥前鹿島からの客だけなので、車内はガラガラ、肥前鹿島から佐賀まで廃止になってもおかしくない利用率だった。『かささぎ』は、当初は鳥栖まで乗る予定だったが、博多まで乗り通すことにした。博多までネット割を使うと、鳥栖で降りるのと変わらないからだ。ただ、鳥栖から博多まで快適な移動分、博多では鳥栖で向いのホームで停車していた快速まで待たされることになる。

肥前鹿島から1時間近くかかって、博多には12時53分着、博多では鳥栖発車時に対面に入線してきた区間快速まで16分待つことになる。『かささぎ』も区間快速も2番線からの発着になるが、区間快速の入線時間が迫っても『かささぎ』の回送が中々動かなかった。区間快速の到着時間を少し過ぎた13時10分、『かささぎ』の回送が竹下寄りへ、そして4分後に同じ方向から区間快速が入線してきた。博多を発車したのは6分遅れの13時16分だった。

遅延した区間快速は、古賀でのソニック待避を千早に変更した。吉塚、千早から快速に乗ったうえで、香椎でソニックに乗り継ぐつもりの人は面を食らっただろう。千早を出た区間快速は香椎停車中のソニックに詰まり、香椎到着時の遅延は10分以上に拡大した。古賀待避がなくなったので遅延が数分回復、小倉に到着したのは7分遅れの 14時40分となった。ここですぐに発車すれば、定刻通りに門司港へ向かうことができたが、遅延しているソニックの到着を待ったため、小倉から先も遅延することになった。

小倉からは15時17分発の『36ぷらす3』で折り返すことになった。『36ぷらす3』は大分から来るから博多方から入線してくると思っていたが、逆の門司港方から入線してきた。運行ダイヤを見直したら、門司港で1時間ほど停車していたようだ。ただし観光としての停車なので、門司港は停車駅としてのきっぷの発売は行わない。せめて、降車だけ認めてくれれば、門司港で降りてそのまま観光という選択もあるのだけど。列車コンセプトから停車駅を絞り、延岡や中津ですら停車しても途中乗降を認めてないわけだが、月曜日ルートの佐世保発博多行だけどういうわけか『みどり』と同じ停車駅になっている。夜の走行となり、食事つきプランがないことと関係するのだろうか。

『36ぷらす3』は2020年に運転開始、先月3周年を迎えたばかりだ。1号車は唯一のグリーン車からの改造、改造前は4人用個室が1ヶ所だったが、改造後は個室4ヶ所に増やして普通の座席をなくしている。畳敷きのため土足厳禁となっている。2号車は6人用個室3室、2人用個室1室を設置している。JR九州の個室は4人までしか対応してなかったが、『36ぷらす3』では6人まで対応可能となった。ちなみにスペーシアXのコックピットスイートは7名まで利用可能だ。3号車は2人用セミコンパートとビュフェ、ビュフェは『リレーつばめ』への運用に合わせて、普通車に改造されたが、『36ぷらす3』に組み込まれるに当たって、再びビュフェに戻された。セミコンパートは4人用から2人用にリニューアルしたものだ。4号車はイベントなどを行なうマルチカーとなっており、売店も営業している。先ほど乗った『ふたつ星4047』の中間車『ラウンジ40』も、売店や窓側を向く椅子やクッション付きの椅子は、このマルチカーを踏襲している。元といえば、『ななつ星in九州』のサロンカーなわけだが。5号車、6号車は普通の1+2列グリーン車だが、6号車は1号車同様畳敷きで土足厳禁となっている。窓割に合わせるため、シートピッチは普通車と同じ1,000㎜だが、座席の幅自体は800系新幹線と同じで余裕がある。グリーン料金は、150kmまで3,300円、200kmまで4,300円、201km以上は5,300円で、一般的な100キロまで1,300円、200キロまで2,800円、400キロまで4,190円より高く設定されている。『36ぷらす3』だけ乗ると、グリーン車で特別感があるけど、『ふたつ星4047』の乗った後だと設備差はあまり感じない。でも、小倉から博多まで5000円以上かかったとしても、『ななつ星in九州』よりはだいぶ敷居が低いわけだが。

小倉から博多まではノンストップというわけではなく、通常の特急以上に停車して運転停車することになる。定期の普通や区間快速を追い抜くことができないから仕方がない。運転停車の発着時刻を追ってみると、折尾15時36分着41分発、赤間15時54分着56分発、福間16時06分着07分発、古賀16時12分着18分発、福工大前16時23分着25分発といった具合だ。古賀では小倉を18分後に出たソニックに追い抜かれることになる。小倉を15分前に出た区間快速は、折尾15時32分発、赤間15時50分発、福間16時00分発といった具合に4~6分差で追いつきそうなところで逃げ切る。福間発16時03分の普通は古賀発16時08分、ソニック待避の福工大前発16時19分、博多着16時36分となる。表定速度は小倉-折尾82km/h、折尾-赤間76km/h、赤間-福間61km/h、福間-古賀60km/h、古賀-福工大前54km/h、福工大前-博多46km/hとなっている。福工大前から先で低くなるのは、先述の福間始発普通と6分前後の間隔をキープするからだ。ずっと快速の後を追えば速くなるけど、快速が福間を出た3分後に普通が出発だから、『36ぷらす3』を組み込む余地はない。

終点の博多に近づくと、乗客が応募した「誰かに届けたい感謝の気持ち」などのエピソードが車内放送で読まれる。博多には16時42分に到着、45分発の快速鳥栖行へはホーム上接続となる。日没も近いので七隈線のホームへ急いだ。

七隈線の博多駅は、JR博多シティの地下3階のさらに深くに、アンダーピニング工法で地下4階のコンコース、地下5階の島式ホームを作った。アンダーピニング工法は既設の地下の構造物を仮受杭で支えながら、新たな構造物をつくる工法で同時期に開業した東急・相鉄の新横浜駅もブルーラインと交差するのにこの工法が用いられた。地下4階に七隈線のコンコースができたため、車両送迎場のある地下2階までの既設のエスカレーターに加え、地下2階と地下4階コンコースを直接結ぶエスカレーターや駐車場のある地下3階を経由するエスカレーターが整備された。改札は1か所、ホームとはエスカレーター3か所、エレベーター1か所で結ばれている。ラッチ内コンコースは空港線への乗り換え通路が伸びており、動く歩道を経由して、空港線ホームの下へ出ることができる。列車は7~8分間隔で運転、ミニ地下鉄で車体が小さいため発車の3分くらい前には席が埋まった。橋本からの列車が着いた2分後に橋本行が発車するダイヤで、座れなかった人の中には次の橋本行へ向かう人もいた。

七隈線に乗った目的は、乗り潰し以外に新型車両3000A系に乗るというのもあったが、すぐにクリアすることができた。それどころが3本連続して3000Aの運用だった。3000A系は4編成と17編成ある3000系の1/4しかないから、タイミングが悪ければ長時間待つ羽目になっただろう。ホームドアからも目立つ側面の水色はアフターコロナのまちの発展もイメージ、2021年にそのイメージが決まったが、博多駅延伸の2023年3月になると、その意味合いはさらに強くなった。

博多を出ると、すぐに島式の櫛田神社前に到着する。博多駅は地下5階深さ28mのところにあるが、櫛田神社前は少し浅くなり地下4階深さ20mとなる。コンコースは地下1階、天神南寄りホーム端の階段付き下りエスカレーター、その先にある昇りエスカレーターは直接コンコースにつながっているが、博多寄り下り昇りエスカレーターは地下2階、博多寄りホーム端の階段は地下3階で折返し、地下2階からコンコースへは同時に上がっている。それ以外にもエレベーター2ヶ所がホームとコンコースを結ぶ改札は西改札口1ヶ所、東改札口の2ヶ所、互いの改札はコンコース内でつながっている。コンコースの改札外通路には、祇園山笠の法被を着た参加者の影絵風イラストが旗に描かれ、壁から吊るされていた。また、西改札口付近には博多の伝統工芸品コーナーがあり、博多人形などが飾られている。地方の駅だと伝統工芸品コーナーはザラにあるけど、都市部の地下鉄では珍しい。東京でも浅草や門前仲町にあってもいいのではないかと思う。西改札口付近には、キャナルシティ博多の歩道橋に直接つながるエレベーターだけの南側の1番出口、エスカレーターが上り下り別々のため出口と入口が分かれるという珍しい構造の南側の2番出口、階段だけの北側の3番出口がある。コンコース中程には北側の4番出口、東改札口付近には階段だけの南側の7番出口、上り降りエスカレーターだけの北側の5番出口、エレベーターだけの北側の6番出口がある。2番出口から祇園町西交差点を出て少し歩くと駅名の由来となった櫛田神社、川沿いを600mほど歩くと中洲川端にたどり着く。櫛田神社前を出るとすぐに左カーブして、国体道路の下を走るようになり、天神南へと向かう。

天神の楽天地という店でもつ鍋を食べた後、中洲川端から空港線で博多へ向かうことに。一日乗車券の元が取れてなかったので、一旦天神でUターンしてから博多へ行くことにした。そのまま待っても同じ福岡空港行だし。博多からは新幹線で広島へ向かうことに。運がいいことに、次の新幹線は指定席が2-2シートの『さくら』なので迷わずスマホで指定券を確保した。この博多発20時18分の『さくら』は新下関に停車するタイプ、小倉を出て新下関に停車するのは初めて乗ったけど、走り出してからすぐに停車することを実感した。といっても、『さくら』はここに来るまで、出水から新水俣、久留米から新鳥栖という短距離駅間を走ってきたわけだが。新下関から広島までは、厚狭、新山口、徳山、新岩国と山口県内の駅を一気に通過、博多から66分、21時24分に広島に到着した。

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